バトルメック(基本ルールセット)

技術レベル1に属するメックのうち、まず基本ルールセットに収録された特に有名な14機を紹介。

VF-1A スティンガー（スカウト：20トン）

偵察用という触れ込みの軽量級メック……なのだが、ゲームシステム上、純粋なボードゲームとして遊ぶ際には偵察という行為の意味がないため、単なる小隊機数の帳尻合わせ要員。蚊が刺した程度の火力と紙のような装甲に、高機動と呼ぶには中途半端な移動力がウリ。シナリオの勝利条件によっては、「いないよりはマシ」どころか「いない方がマシ」だったりするから困る。

オストール ローカスト（スカウト：20トン）

全メック中屈指の移動力を誇る韋駄天。公式設定では「ローカスト乗りはバカにされている」とあるが、なんのなんの。この快速力に追いつけるメックは数えるほどしかいない。火力はスティンガーと同じだが、軽量級にしてはマシな装甲防御を持ち、熱にも強いため、なかなかしぶとい。市街戦では歩兵の天敵と化し、後方撹乱などの盗賊的な任務を得意とする。まさに名前通りのローカスト（イナゴ）。

VF-1V ワスプ（スカウト：20トン）

オフィシャル機体でも最古参クラスの偵察機。スティンガーとはコンパチ機的存在で、実際設計には共通点が多い。つまり良く似たヤラレ役ということ。違いらしい違いと言えばマシンガンが短距離ミサイルになったことだが、ダメージソースとしての価値には大差がないのが辛いところ。

スーパーバルキリー フェニックスホーク（スカウト／スカーミッシャー：45トン）

主人公機っぽい格好良さが人気の高機動型中量級。実際、公式設定でもエリート戦士の登竜門として扱われている。二丁拳銃と言われる武装スタイル（両手に中口径レーザー）に、主砲として大威力の大口径レーザーを備え、スティンガーやワスプと同等の機動力を持つ。つまり、この2機にとっては天敵のような存在。クラスの割に分厚い胴体装甲を持つが、火器が全部手に集中しているため、あっけなく無力化されてしまったりする。また、ちょっと過熱気味。

ブロックヘッド ウルバリーン（スカーミッシャー／ブロウラー：55トン）

中口径レーザー、短距離ミサイル、と近距離火力に優れた装備を持つ中量級。偵察機ほどではないにせよ、機動力も高い。インファイトでの戦闘力は、多分上下10トン範囲で見た同クラスのオフィシャル機体中でも屈指だろう。なのにイマイチ不人気な感じがするのは、公式ストーリーで悪役が乗っていることが多いせいかもしれない。

ラウンドフェイサー グリフィン（スナイパー：55トン）

粒子ビーム砲、長距離ミサイル、と遠距離火力に優れた装備を持つ中量級。偵察機ほどではないにせよ、機動力も高い。メーカーは違うがウルバリーンとよく似た設計を持ち、実際に前線ではニコイチ整備されることもある。長射程火器に全リソースを突っ込んだ分、インファイト向きの火器を持たず、近接戦闘力は己の拳に全てを懸けるという漢気溢れる設計。

ダグラム シャドウホーク（ブロウラー：55トン）

バランスのよい火力とバランスのよい防御力とバランスのよい機動力を合わせ持つ中量級。公式ストーリーやリプレイでは何人もの撃墜王を輩出し、伝説的なヒーローであるグレイソン・デス・カーライル少佐が、駆け出しメック戦士のみぎりの愛機としたことでも有名。初心者に優しく上級者に使い応えのある絶妙な性能チューニングで、大人気を誇る。
……と、美辞麗句を並べてはみたが、一つ間違えると単なる器用貧乏のお子様ランチになってしまうので、くれぐれも安易に扱わないこと。

デストロイド・ディフェンダー ライフルマン（スナイパー：60トン）

各界から絶大な人気を誇る、バトルテックのアイドル。クラス5オートキャノン、大口径レーザー、中口径レーザーをそれぞれ2門ずつという、このクラスとしては暴力的とも言える重火力を誇り、これらを一斉射撃した際のダメージは、ウルバリーンの約2倍にも達する。
……で、それに伴って発生する熱もウルバリーンの約2倍。火器の重量もウルバリーンの約2倍。でもって放熱能力やペイロードは大して変わらないので、あとはお察しくださいということになる。でも、セーブして戦っても実際強かったりするから侮れない。この機体をきちんと乗りこなせるようになれば、初心者は卒業したと言ってもいいだろう。

アーマードバルキリー クルセイダー（ミサイルボート／ブロウラー：65トン）

長距離ミサイルと短距離ミサイル、中口径レーザーにマシンガンを各2基と隙のない重武装。装甲も厚い。公式ストーリーでもよく顔を見せる。ならば人気者かと言うと、さにあらず。一体どうして？
……答えは、胴体の装備欄をよーく見てみよう。ボディがガラ空きどころの騒ぎじゃねーぞ！

ヘイスティ サンダーボルト（ブロウラー：65トン）

ほぼクラスの限界まで装甲を振った重装騎士。遠距離でも近距離でも戦える万能ぶりが自慢。でも決定力はイマイチだし熱にも弱い。だから敵として出すのに手頃というわけじゃないんだろうけど、シナリオでは賞金首や悪役の乗機としてよく選ばれる。

デストロイド・トマホーク ウォーハンマー（スナイパー／ブロウラー：70トン）

シナリオ集「ブラック・ウィドウ」の主人公、ナターシャ・ケレンスキー大尉の愛機として有名な火器の塊。目の前に立った敵を片付けることにかけては右に出るもののない破壊の権化だが、その火器と放熱器がリソースを食いまくっているため装甲に皺寄せを受けており、敵を片付けるのと同時に自分も片付けられていることが多い諸刃の剣。実はマシンガンの弾薬の誘爆で沈むことが結構よくある。

デストロイド・スパルタン アーチャー（ミサイルボート：70トン）

最大クラスの長距離ミサイルランチャーを両肩に1台ずつ担いだ、見るからに重々しいメック。装甲も厚いしインファイトも苦手ではないので、非常に完成度が高い。上級者が乗ると無双顕現、初心者が乗ってもイージーに強いというバランスブレイカー。おかげでボード戦闘では大人気だが、TRPGとして遊ぶときにはGMからもプレイヤーからも、よくハブられる。公式では、ウルフ竜機兵団の司令官ジェイム・ウルフ大佐とケルハウンドの司令官モーガン・ケル大佐の愛機として有名である。

グラージ マローダー（スナイパー／ブロウラー：75トン）

離れても近寄っても問答無用の重火力と、その重量がもたらす高い格闘戦能力。放熱能力には一抹の不安があるが、なに、気にすることはない。粒子ビーム砲を両方同時に撃ちでもしない限り、問題になるほどの熱は出ないのだから。
その一方で、装甲はそんなに厚くもないという攻撃偏重メック。おまけに装甲配分が偏っている上に、どてっ腹に一撃死クラスのウィークポイントを抱えているという個性的な仕様により、ありとあらゆる局面で勝っても負けても使って使われて楽しく美味しい人気者。なお、ダヴィオン仕様は弱点のオートキャノンを外して大口径レーザーと放熱器を追加して隙が無くなっている。

ビッグフット バトルマスター（ブロウラー：85トン）

公式設定では指揮官の象徴。戦場でこいつを見たら、指揮官が乗っていると思え。というわけで、こいつに乗ることは、ほとんど全てのメック戦士の憧れとなっている。ゲームシートが装甲マーカーで真っ白に見えるほど頑丈なメック。サンダーボルトの2倍近い近距離火力も持つため、近寄れば敵はない。その反面、遠距離火力はグリフィンにも劣るので注意のこと。

関連項目

• バトルテック