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バニラ(ヴァニラ、vanilla)とは、ラン科の植物、およびその植物から抽出された香料である。
ニコニコ大百科:植物 バニラ |
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分類? | ラン目ラン科バニラ属 | |
学名? | Vanilla planifolia Vanilla→スペイン語で「小さな鞘」 planifolia→扁平な+葉の |
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ラン科 Orchidaceae ? | ||
このテンプレートについて |
メキシコ~中米の熱帯地方原産のつる性植物。ラン科の植物でつる性になるのは珍しい。つるは他の樹木などに絡んで数十mにも生長していく。花は淡緑色でトランペット形をしている。
「バニラの木」などの商品名で、観葉植物として苗が出回る事もあるが、日本で開花させるには、冬季に高い温度を保つ必要があるなど難しい条件があるため、大掛かりな設備が整ってないと開花させるのは難しいだろう。
30cmほどの鞘の中に黒く小さい種子が無数に詰まっており、これから2-3週間の発酵(キュアリング)を経て香料が抽出される。1874年にドイツで初めて香料が人工的に合成されて以来、工業的にも盛んに生産されている。
バニラエッセンス・バニラオイルとして利用されるが、最も代表的な利用法はアイスクリームの香り付けだろう。バニラアイスはアイスクリームの中では最も一般的で広く親しまれており、バニラ味がアイスのデフォだと捉える向きもある。
その他にもプリン・カスタードクリーム・ケーキなどの洋菓子への香り付けや、コーヒー・チョコレート・ココア・リキュール・ワインなどに加えられることもある。食用以外では香水やタバコに用いられる。
天然のバニラの独特で複雑な甘い香りには多くの物質が関わっているが、主にバニリンという物質に由来している。これは発酵によって初めて生成されるため、発酵する前の鞘は青臭いにおいがするだけである。また、植物園などでバニラを発見するとまず花の香りを嗅ぐ人がいるが、残念ながら花には香りはない。
ラン科の植物の中で唯一、食用として商業的に生産されているのがバニラである。バニラの香料は、現在世界で最も多く用いられている天然食品香料だといわれている。
かつて中米の先住民(特にトトナコ族)が盛んにバニラを栽培し香料を得ていたが、彼らは征服者のスペイン人に対してかたくなに製法の秘密を守った。スペイン人がようやくそれを知ることができたのは、なんと征服後160年もの時が経ってからだった。
ヨーロッパ人はバニラをヨーロッパに持ち帰ったが、全く果実をつけることはなかったので困り果ててしまった。そのため、メキシコは300年以上もバニラの生産を独占した。しかし、ついにベルギー人のモレン(植物学者・園芸家)がその謎を明らかにした。バニラの花粉を自生地に特有のハリナシバチが運んでいることに気がついたのである。モレンはこの成果を踏まえて1837年に人工授粉の手法を開発したが、その手法は商業的に生産するにはあまりにも手間がかかり非効率的だった。
バニラの商業的生産への活路を開いたのは、あまりにも意外な人物だった。その人物とは、なんと弱冠12歳の奴隷の少年だったのである。彼の名はアルビウスといい、1841年に彼が考案した手法はモレンのそれよりもずっと簡単で効率的だったため、彼の出身地であるフランスのレユニオン島はたちまち世界最大の生産地となった。また、フランス人の入植者はアルビウスの手法を用いてコモロ諸島やマダガスカルで盛んに生産を行うようになり、マダガスカルは現在世界一のバニラ生産国である。バニラの栽培には現在もなおアルビウスの方法が用いられており、手作業で花に一つずつ人工授粉を施している。
バニラアイス
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最終更新:2024/09/13(金) 20:00
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