ハイパードラゴン(Hyper Dragon)とは、バンダイが販売していたヨーヨーの名である。
数々のホビーを盛り上げてきた雑誌・コロコロコミック。
90年代後半は、ミニ四駆・ビーダマン・ハイパーヨーヨー・ベイブレードなどが誌面を賑わせていた。
そんな中、ハイパーヨーヨーは他のホビーに比べてカスタマイズ性に欠けることが問題になっていた。
上記のホビーはいずれも、改造やカスタマイズをして自分だけのオリジナルマシンを作れるという魅力があり、供給側も本体のみならず追加パーツも売れるという点でWin-Winの関係を築いてきた。
しかし、ハイパーヨーヨーは、ほとんどが海外メーカーのOEM品である。
バンダイが勝手にパーツを作るのは、技術的にもライセンスの問題からも難しい。
また、高速回転するアイテムである以上、既存ヨーヨーの改造は安全性の問題から禁止せざるを得ない。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/jyya_official/status/997288476927131648
そのため、松下電器(現パナソニック)の協力の下、バンダイオリジナルのカスタマイズ可能なハイパーヨーヨー「ハイパードラゴン」の開発が決定。1998年末に、各種カスタマイズパーツと共に発売された。
製造は松下グループ子会社の寿工芸(株)が担当。
日本メーカーの日本製競技ヨーヨーは極めて珍しく、「ハイパードラゴン」「ハイパードラグーン」の退場以降は、2008年の「ヨーヨーリクリエーション・スターダスト」まで作られていない。
当時連載されていたヨーヨー漫画『超速スピナー』では、主人公チームのヨーヨーとして登場した。
当時主流だったヨメガヨーヨーは、サイドキャップとボディパーツが超音波融着されており、分解ができないようになっている。
しかし、ハイパードラゴンは付属の「ドラゴンツール」を使うことで、ボディ・サイドキャップ・軸・ベアリングに分解が可能。当時としては珍しく、ボディを交換することができるようになっていた。
軸はネジ式ではなく、キャップ裏の「Zロックウイング」で挟み込むように固定されており、ドラゴンツールでキャップをボディにロックすると、同時にロックするようになっていた。
ジャパンチャンピオンカーニバル決勝戦で、中村名人は堂本瞬一にこのヨーヨーを渡そうとするが、本人はファイヤーボールで挑むことを決意。これを辞退する。
決勝戦終了後、中村名人との高速ループ勝負の後に、改めて託される。
彼以外のTHP-Jメンバーには、量産型である「THP-Jバージョン」が渡された。
パワーのあるスリープと高速ループが可能な高性能ヨーヨーで、内蔵チップによってスピナー達の癖やスタイルを解析・コピーすることができる。
また、プレイヤーの腕次第で幻のトリック「8の字ループ」すら実現することが可能である。
アニメ版は、すでにドラゴンの販売が始まってから放送が開始されたため、JCCの途中でドラゴンを手に入れるようになっている。
現実と異なり、カスタマイズ性についてはほとんど言及されなかった。
当然漫画のようには行かず、組み替えができるだけのごく普通のヨーヨーである。
しかしながら、このヨーヨーの真価は、まさにこの「組み替え」にあった。
ハイパードラゴンの本体価格は2200円だが、カスタマイズパーツのボールベアリングは600円。
すなわち、2800円でボールベアリング機種が手に入ることになる。
当時、ボールベアリング機種は5000円であった。
お小遣いの少ない小学生にとって、安価にボールベアリング機が作れるのはとてもありがたいことだった。
最大の弱点は、圧倒的な強度不足。
サイドキャップでボディをロックするようになっていたが、まずこのサイドキャップがすぐにひび割れるという致命的な弱点を抱えていた。
また、Zロックウイングのロック方式は、バネである。ヨーヨーで最も負荷が集中する軸部分をバネで押さえつけていたため、とても分解しやすかった。
また、ストリングが絡んでもひねっただけでは開けられず、わざわざドラゴンツールを取り出すか、指でキャップをずらしてボディごと分解しなければならず、メンテナンス性も著しく悪かった。
これらの弱点は、後述の派生機種で少しずつ解消されていったが、時すでに遅く、第1期ハイパーヨーヨーはこのシリーズを最後に一度終了することになった。
しかし、バンダイ内製ヨーヨーの特徴「性能よりも子供が喜ぶ要素」は、このヨーヨーで確立された。
これらのコンセプトは、第3期ハイパーヨーヨーに引き継がれた。
この頃の子供が一瞬は考えたであろうモーター内蔵ヨーヨーの「ハイパーインフィニティー」や、ハイパーループ(ダンカン・プロヨー)のボールベアリングカスタムである「メタルバレット」にそれを見ることができる。
第3期ハイパーヨーヨーでは、カスタマイズ機種「ハイパークラスター」を再度発売した。
こちらは強度面と分解組み立ての煩雑さを改善した、カスタマイズヨーヨーの決定版といえる出来になっている。
サイドキャップの模様が、その名の通りドラゴンになったデザイン違いバージョン。
当時としては珍しい、(チーム単位とはいえ)実在選手のシグネイチャーモデル。
ボディカラーも、ブルーから、THP-Jのチームカラーであるグリーンに。
性能はノーマルのハイパードラゴンと同じ。やはりサイドキャップが割れやすいため、美品はまれである。
割れやすかったドラゴンのサイドキャップに、カーボンファイバーを混入した改良版。
『超速スピナー』劇中では、ファイヤーが堂本瞬一の、アクアが北条院聖斗のモデルとなった。
デフォルトでついているボディが、ファイヤーはノーマルタイプ、アクアはストリングタイプ。
それ以外は初期型のハイパードラゴンと同じである。
色は、コロコロコミックでの発表時はファイヤーが赤・アクアが青だったのだが、製品版ではなぜかファイヤーが青・アクアが白になった。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/jyya_official/status/982580966001541120
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/jyya_official/status/983238124082872322
『別冊コロコロコミック』2月号で、抽選で3名にプレゼントされた特別仕様。
ボディはレッドだが、このボディ自体は「ノーマルボディセット」の別色と同じもの。
しかし、サイドキャップがここ限定のスモークがかかった限定版。
前述の本体強度もあいまって美品ではまず存在しないであろう激レア版。
プレゼントされたもの以外は日本ヨーヨー協会が保持しているが、やはりキャップにヒビが入っている。
未発売。
ボディをタイヤのようなゴムリングで覆った、「ウォーク・ザ・ドッグ」系統に強いヨーヨーになる予定だった。
コロコロコミックに情報が掲載されていたが、発売中止。
設計を一から見直した、事実上のフルモデルチェンジ。
カスタマイズパーツは、ボールベアリングとリ・アレンジウェイトセットのみ対応。
ハイパードラグーンの廉価版。サイドキャップなし。カスタマイズはボールベアリングのみ。
掲示板
掲示板に書き込みがありません。
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 15:00
最終更新:2024/04/25(木) 15:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。