バードキャッチャー(Birdcatcher)とは、1833年生まれのアイルランド産の競走馬である。
父Sir Hercules、母Guiccioli、母父Bob Bootyという血統。
父サーハーキュリーズはまたアイルランド産の名馬で、「可愛い黒馬」と呼ばれた黒い馬体と独特の白い斑点(のちにBend Orに受け継がれ「ベンドア班」と呼ばれる)を持ち、2歳時にアイルランドで4戦全勝するとイギリスに渡りセントレジャー3着などの成績を残した。
母ギッチョーリは「化け猫」と呼ばれた異常気性の持ち主だったが繁殖牝馬としてはバードキャッチャーの他に初のアイルランド産クラシック勝利馬となるセントレジャー馬Faugh-a-Ballaghを出した。
母父ボブブーティはアイルランド産の最初の名馬と言われ、カラのキングスプレートで優勝するとウェールズ公の招待でイギリス本土に渡りウォーウィックとリッチフィールドのキングスプレートに勝利した。
バードキャッチャーは栗毛に父譲りの白い斑点を持った馬で、左後肢に膝近くまでの長白を持った目立つ馬だった。父と母父がアイルランドの英雄ともいえる血統だったので期待を集めていた。
1歳時に重度の肺炎を起こし、獣医も半ば諦めて両胸にブリスターを貼って放牧に出したところ強い生命力を持って回復した。これを見たオーナーは「飛ぶ鳥を落とす勢い」の意味を込めてバードキャッチャーという名前を与えた。
病気によって成長が遅れたため、2歳のときは10月にカラでのパゲットSにデビューするが着外に終わっている。
3歳の4月、カラで競馬が開幕するとマドリッドSに出走したバードキャッチャーは同父の牝馬Mariaに圧勝し注目されるようになった。
6月のミルタウンSで同世代のCushnicheを負かしたが、Cushniche陣営は再戦を申し込んできた。バードキャッチャー陣営はこれを受け入れ、同週のマッチレースで完勝した。
9月のウェリントンSではMariaとの激しい競り合いとなったが、アタマ差で惜敗した。
10月のピールSは当時アイルランドの最大のレースの1つで、前走で10ストーン4ポンド(約65kg)のハンデを背負い楽勝した古馬Freniが相手になった、かに思われた。しかしこのレースではFreniからどんどん差をつけ、最終的に500ヤード(約457m)もの差をつけてゴールしたのである。さらにバードキャッチャーは興奮冷めやらず騎手の静止を振り切ってさらに1マイルを全力疾走したのだった。
翌日に行われたミュルグレーヴHでは流石に反動で着外に敗れたのだが。
このシーズンの最後となる11月のミュルグレーヴHでは17ポンド(約7.7kg)のハンデ差もあって同父のWater Witchに敗れた。
4歳になってからは初戦キルディアSで勝利し、ウェリントンSでは単走になった。ロイヤルプレートでも6頭相手に楽勝した。
ノーサンバーランドHでは1歳下のもう一頭のアイルランドの英雄Harkaway(のちにイギリスに渡りグッドウッドC優勝2回)との対戦となったが斤量に苦しみ、軽ハンデだったMercuryに優勝を掻っ攫われ3着に敗れた。続くスウィープSでもMercury・Harkawayとの対戦になりMercuryの3着に敗れた。秋のウェリントンSではHarkawayの着外に敗れ、ドリスSでもMariaの着外に終わった。
バードキャッチャーはアイルランドで種牡馬入りしたが、より多く活躍できるようにイギリスのニューマーケット・ヨーク・ウォーウィックシャーなどを転々として供用された。これが当たり、ダービー馬Daniel O'Rourke、オークス馬Songstress、セントレジャー馬The Baronなど多くの活躍馬を輩出し、1852・1856年にはイギリスリーディングサイアーとなった。そしてThe BaronとOxfordが後継種牡馬として活躍しThe Baronの子孫にPhalaris、Oxfordの子孫にBlandfordを出し、その血統は現在でも続いている。
バードキャッチャーは27歳という高齢まで種付けを続けたが、Queen Beeという大柄な牝馬を相手にしたとき種付けができなくなり、銃殺された。
当時のアイルランドと英国の馬産には温度差があったための悲劇だが、当然英国の馬産家たちからは批難の声が多く上がった。
バードキャッチャーの頭部はダブリンの王立獣医大学に寄贈された。
Sir Hercules 1826 青毛 |
Whalebone 1807 黒鹿毛 |
Waxy | Potoooooooo |
Maria | |||
Penelope | Trumpator | ||
Prunella | |||
Peri 1822 鹿毛 |
Wanderer | Gohanna | |
Catherine | |||
Thalestris | Alexander | ||
Rival | |||
Guiccioli 1823 栗毛 FNo.11-d |
Bob Booty 1804 栗毛 |
Chanticleer | Woodpecker |
Eclipse Mare | |||
Ierne | Bagot | ||
Gamahoe Mare | |||
Flight 1809 栗毛 |
Escape | Commodore | |
Moll in the Wad | |||
Young Heroine | Bagot | ||
Old Heroine |
クロス:Woodpecker 4×5(9.38%)、Bagot 4×4(12.5%)、Eclipse 5×5×5(9.38%)、Herod 5×5×5×5(12.5%)、Highflyer 5×5(6.25%)
Birdcatcher 1833
|The Baron 1842
||Stockwell 1849
|||Citadel 1859
||||Forlorn Hope 1873(サラ系)
|||||*スプーネー 1880(サラ系)
||||||スイテン 1902(サラ系)
|||Lord Lyon 1863
|||Doncaster 1870
||||Bend Or 1877 →ベンドアの記事参照
|||St. Albans 1870
||||Springfield 1873
|||||Sainfoin 1887
||||||Rock Sand 1900
|||||||Tracely 1909
||||||||Flamboyant 1918
|||||||||*フリッパンシー 1924
||||||||Papyrus 1920
||Rataplan 1850
|||Blinkhoolie 1864
||||Wisdom 1873
|||||Sir Hugo 1889
||||||White Knight 1895
|||||||McGee 1900
||||||||Exterminator 1915
|Oxford 1857
||Sterling 1868
|||Isonomy 1875
||||Gallinule 1884
|||||Pretty Polly 1901
||||Common 1888
||||Isinglass 1890
|||||Star Shoot 1898
||||||Sir Barton 1916
|||||John o'Gaunt 1901
||||||Swynford 1907 →スウィンフォードの記事参照
|||Enthusiast 1886
||||*ビューチフルドリーマー 1903
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最終更新:2024/04/25(木) 19:00
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