パリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain, PSG)とは、フランスのリーグ・アンに所属するサッカークラブである。
本拠地はフランスの首都でもあるパリ。ホームスタジアムはパルク・デ・プランス。略称はPSG。
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1970年にパリFCとスタッド・サン=ジェルマンの2クラブが合併し創設。1981-1982シーズンに国内カップ戦であるクープ・ドゥ・フランスで初優勝、クラブ初主要タイトルを獲得。1985-1986シーズンにはリーグ戦で優勝。創設15年目にしてリーグ制覇という快挙を成し遂げた。1990年代には豊富な資金力でスター選手を獲得し、1993-1994シーズンには2度目のリーグ優勝。1995年には当時所属していたジョージ・ウェアがバロンドールを受賞した。
近年は低迷していたが、2011年にカタールの投資会社がクラブを買収したことにより世界屈指の金満クラブに変貌。潤沢な資金を元に世界的な選手を多く獲得。以降の10年間で8度リーグ・アンを制し、2023年に11回目の優勝を果たしたことでリーグの優勝回数がサンテティエンヌを抜いてリーグ最多優勝チームとなった。国内の他チームよりも資金力と戦力が大きく抜けていることから、ファンも国内でのタイトルは当然のような感覚になっており、いまだ果たせてないUEFAチャンピオンズリーグ優勝が目標となっている。
クラブのエンブレムは青色を基調とし、中央部分にはパリのシンボルであるエッフェル塔が赤色で描かれている。現在のモデル(8代目)は2013年にデザインされたものであり、それまで塔の足下に置かれていたルイ14世の白色の揺りかごが姿を消した。ユニフォームは紺色をベースとし、白色で縁取られた赤色の縦線が中央部に入っている。
首都パリのクラブとして屈指の人気クラブであり、国内では2番目に人気のクラブである。ちなみに1番人気のオリンピック・マルセイユとは激しいライバル関係にあり、両チームの対戦は「ル・クラスィク」と呼ばれる。両クラブのサポーターは憎しみ合っており、両クラブサポーターの衝突を防ぐために万全の警備体制が敷かれるが、それでも両者が出会うと暴力事件に事欠かない。
2022年7月には「Paris Saint-Germain JAPAN TOUR 2022」として来日し、J1リーグのチームと3試合のプレシーズンマッチをおこなった。リオネル・メッシ、キリアン・エムバペ、ネイマールというスーパースターが揃って来日していたこともあって公開練習には1万7000人が集まり、試合には6万人以上を動員する大盛況となった。
1970年8月12日、スタッド・サン=ジェルマンとパリFCが合併し、ピエール・エティエンヌ・グヨを創設者兼初代会長としてパリ・サンジェルマンFCが設立。しかし、設立当初は資金難によってアマチュアクラブとして活動していた。だが、著名なファッションデザイナーがオーナーに就任し、パリ社交界の著名人を味方にしたことで急成長し、1973年に初めてリーグ・アンに到達。以降、一度もリーグ・ドゥに降格したことはない。着々と力を付けていったチームは、1982年に創設以来初タイトルとなるクープ・ドゥ・フランス優勝、1985-86シーズンには設立16年目でリーグ・アン初優勝を成し遂げる。
1991年5月、有料テレビ局のCanal+によって買収されたことで潤沢な資金を得ることができ、1990年代にはダヴィド・ジノラ、ジョージ・ウェア、ライー、ユーリ・ジョルカエフ、レオナルド、オーガスティン・オコチャといったスター選手がチームに加入。1993-94シーズンには2度目のリーグ・アン優勝、1995-96シーズンには初の国際タイトルとなるUEFAカップウィナーズカップ優勝を果たす。この頃、八百長問題によって宿敵マルセイユが下位リーグに降格していたのとは対照的に、欧州でも屈指の強豪チームのひとつにまで成長していた。
しかし、90年代後半のボスマン判決以降、中心選手がイタリアやイングランド、スペインのビッグクラブへと移籍。2000年代には若き日のロナウジーニョや二度の得点王に輝くなど通算100得点以上を記録したペドロ・パウレタが活躍していたが、90年代の勢いは途絶えてしまっていた。さらに、2006年にCanal+がクラブの経営から撤退したことによって深刻な経営難に陥ってしまう。チームも2006-07シーズンに15位、2007-08シーズンには16位と2年連続で残留争いに加わる程の低迷期を迎え、2000年代でCLに出場できたのは2004-05シーズンの一度のみという有様だった。
2011年5月、カタール財団によって買収され、QSIがクラブのオーナーとなる。事実上カタールという国家がクラブを運営する状況となり、PSGは世界でもっとも潤沢な資金を持つクラブに生まれ変わる。その年の夏にクラブのOBであるレオナルドをスポーツ・ディレクターに招へいすると、彼のコネクションと札束攻勢によって毎年のようにスター選手を獲得。特に、当時経営難に陥っていたイタリアのクラブをターゲットとし、2012年夏に1億5000万ユーロもの資金を投じてズラタン・イブラヒモビッチ、チアゴ・シウバ、エセキエル・ラベッシを獲得。さらには、監督にカルロ・アンチェロッティを起用する盤石の体勢で圧倒的な強さを見せつけ、2012-13シーズンに19年ぶりのリーグ制覇を達成する。
2012年から2015年までの間には、リーグ・アン4連覇、2013-14シーズンと2014-15シーズンには2年連続で国内タイトル全制覇ともはやフランス国内に敵なしの状態となる。特に、この4連覇の期間中のイブラヒモビッチの活躍は圧巻で、最終年となった2015-16シーズンには公式戦50ゴールを記録している。一方、CLでは4年連続でベスト8敗退と最大の目標であるビッグイヤーには手が届かずにいた。イブラヒモビッチがチームを去った後、新たなクラブの象徴として2017年夏に史上最高額の2億2200万ユーロを投じてFCバルセロナからネイマールを獲得。さらに、次代のスター候補と言われるキリアン・エムバペをASモナコから獲得。ネイマールは夜遊びや素行不良で数々の問題を起こしサポーターからの反感を買ったが、エムバペは期待以上の活躍を見せ、クラブの新たなる象徴となる。
2018年にトーマス・トゥヘルが監督に就任すると、これまでチームに欠けていた組織力と規律がもたらされる。すると、2019-20シーズンのCLでは長年壁となっていたベスト8突破を果たし、クラブ創設以来初の決勝進出。しかし、決勝でバイエルン・ミュンヘンに敗れ、悲願の欧州制覇は果たせなかった。翌シーズン、トゥヘルがスポーツ・ディレクターに復職したレオナルドとの確執でチームを去り、舞うしリオ・ポチェッティーノが監督に就任、しかし、チームは安定感を欠くようになってしまい、リーグ・アンではリールに追いつくことができず、4連覇を逃す。CLでは準々決勝でバイエルン相手に雪辱を果たしたが、準決勝でマンチェスター・シティ相手に完敗。
2021年夏には、ジャンルイジ・ドンナルンマ、セルヒオ・ラモス、そして世界最高選手のリオネル・メッシが加入。エムバペ、メッシ、ネイマールの「MMNトリオ」を中心にしたチームは新銀河系軍団と形容されるようになる。しかし、期待されたCLではラウンド16でレアル・マドリードに逆転負けを喫し、敗退。失意の中、リーグ・アンのタイトルは取り戻すものの、シーズン終了後にポチェッティーノは退任。
2022年夏にレアル・マドリードへの移籍が確実視されていたエムバペが一転して残留を表明。クリストフ・ガルティエが監督に就任した2022-23シーズンは、メッシがチームにフィットするようになったものの、バランスの悪さを改善できず、取りこぼしが目立っていた。CLではまたもやラウンド16でバイエルンに敗れてしまう。失望したサポーターはメッシやネイマールに対してブーイングを飛ばすようになるなど、チームをとりまく空気は悪化。シーズン7敗を喫し、RCランスに勝ち点1差まで詰め寄られながらどうにかリーグ・アンを連覇するが、サポーターの不満は解消されなかった。シーズン終了後、メッシとセルヒオ・ラモスが退団。
2023-24シーズンはルイス・エンリケが監督に就任。開幕直前にネイマールがサウジアラビアへ移籍したものの、リーグ・アンでは危なげなく3連覇を達成。クープ・ドゥ・フランスも制し、4年ぶりの国内二冠を達成。CLではACミラン、ドルトムント、ニューカッスルと同居した死のグループを2位で通過。決勝ラウンドではレアル・ソシエダ、FCバルセロナのラ・リーガ勢を立て続けに破って3シーズンぶりにベスト4へ進出。しかし準決勝ではボルシア・ドルトムントに敗れてしまう。その後、ここ数年移籍問題で揉めていたエムバペがついに退団を表明。
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
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- | 監督 | ![]() |
ルイス・エンリケ | 1970.5.8 | 2023 | サッカースペイン代表監督 |
1 | GK | ![]() |
ジャンルイジ・ドンナルンマ | 1999.2.25 | 2021 | ACミラン |
2 | DF | ![]() |
アクラフ・ハキミ | 1998.11.4 | 2021 | インテル |
3 | DF | ![]() |
プレスネル・キンペンベ | 1995.8.13 | 2014 | PSGⅡ |
5 | DF | ![]() |
マルキーニョス(C) | 1994.5.14 | 2013 | ASローマ |
7 | FW | ![]() |
フヴィチャ・クヴァラツヘリア | 2001.2.12 | 2025 | SSCナポリ |
8 | MF | ![]() |
ファビアン・ルイス | 1996.4.3 | 2022 | SSCナポリ |
9 | FW | ![]() |
ゴンサロ・ラモス | 2001.6.20 | 2023 | ベンフィカ |
10 | FW | ![]() |
ウスマン・デンベレ | 1997.5.15 | 2023 | FCバルセロナ |
14 | MF | ![]() |
デジレ・ドゥエ | 2005.6.3 | 2024 | スタッド・レンヌ |
17 | MF | ![]() |
ヴィティーニャ | 2000.2.13 | 2022 | ウルバーハンプトン |
19 | MF | ![]() |
イ・ガンイン | 2001.2.19 | 2023 | RCDマジョルカ |
21 | DF | ![]() |
リュカ・エルナンデス | 1996.2.14 | 2023 | バイエルン・ミュンヘン |
24 | MF | ![]() |
セニー・マユル | 2006.3.17 | 2024 | PSG U-19 |
25 | DF | ![]() |
ヌーノ・メンデス | 2002.6.19 | 2021 | スポルディングCP |
29 | FW | ![]() |
ブラッドリー・バルコラ | 2002.9.2 | 2023 | オリンピック・リヨン |
33 | MF | ![]() |
ウォーレン・ザイール=エメリ | 2006.3.8 | 2021 | PSG U-19 |
35 | DF | ![]() |
ルーカス・ベラルド | 2003.11.24 | 2024 | サンパウロFC |
37 | DF | ![]() |
ミラン・シュクリニアル | 1995.2.11 | 2023 | インテル |
39 | GK | ![]() |
マドヴェイ・サフォノフ | 1995.2.11 | 2023 | インテル |
42 | DF | ![]() |
ヨラム・ザク | 2006.5.15 | 2024 | PSG U-19 |
44 | MF | ![]() |
アイマン・カリ | 2004.11.19 | 2023 | ロリアン |
45 | DF | ![]() |
ナウフェル・エル・ハンナック | 2006.12.7 | 2025 | PSG U-19 |
49 | FW | ![]() |
イブラヒム・エンバイェ | 2008.1.24 | 2024 | PSG U-19 |
51 | DF | ![]() |
ウィリアム・パチョ | 2001.10.16 | 2024 | アイントラハト・フランクフルト |
80 | GK | ![]() |
アルナウ・テナス | 1997.1.2 | 2022 | バレンシアCF |
87 | MF | ![]() |
ジョアン・ネヴェス | 2004.9.27 | 2024 | ベンフィカ |
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最終更新:2025/03/27(木) 10:00
最終更新:2025/03/27(木) 10:00
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