『パワーレンジャー・映画版』(Mighty Morphin Power Rangers: The Movie、別題:Power Rangers The Movie)とは、アメリカ合衆国の映画作品。日本のスーパー戦隊シリーズをアメリカでリメイクした。パワーレンジャーシリーズの劇場版第1作である。
1995年6月30日にアメリカで公開。日本では1996年4月20日に公開された。日本での同時上映は『潜望鏡を上げろ』。
6000年前にゾードンよって封印された悪の化身アイバン・ウーズをロード・ゼッドが復活させた。
復讐に燃えるアイバンはマンドセンター基地を襲撃して破壊し、ゾードンに瀕死の重傷を負わせる。
基地が破壊されたことからパワーレンジャーのパワーも消滅してしまう。パワーを失ったトミーたちは惑星フェイドスに伝わるニンジェッティパワーを求めて旅立つ。それと同じころ、アイバンはカプセルにリタとゼッドを封印し、組織を乗っ取って地球征服の準備にかかる。若きレンジャーたちは地球をそして宇宙を救えるのだろうか!?
テレビシリーズのヒットを受けて日本で製作された映像を一切使わずに作成された。パワーレンジャーのスーツも鎧をイメージしたパワフルなスーツが新調されている。製作費は日本版DVDのジャケットに40億円とされているが、実際は1500万ドルである。
本作の監督は当初、スティーブ・ワンの予定で、撮影はカナダとアメリカの2国で行われる予定だったが、本作が映画監督デビューとなるブライアン・スパイサーに変更され、撮影もオーストラリアのシドニーで行われた。ブライアン・スパイサー曰く「過激な暴力をなくし、笑いをとれる映画にした」としている。
製作は20世紀フォックス主導で行われ、テレビシリーズのサバン・エンターテイメントはクレジットのみで実際の製作には関わっていない。パワーレンジャー役のスタントマンも新規にオーディションが行われたが、日本人の動きが出来るスタントマンが見つからず、テレビシリーズのスタントマンが引き続いて演じることになった。
アクション監督もテレビシリーズ同様にジェフ・プルートが担当していたが、フォックスに「使い物にならない」と判断され、解雇された。これがきっかけでジェフはテレビシリーズのアクション監督も解雇されることになった。その為、本作のアクションはテレビシリーズとは異なったものとなっている。
アメリカでは3818万ドル、全世界合計では6643万ドルの興行収入となった。
1996年のヤングアーティストアワード男優賞長編映画部門にロッキー役のスティーブ・カーデナスがノミネートされた。
日本ではパワーレンジャーシリーズで唯一DVD化されており、一番視聴しやすい作品である。本作の日本語版はテレビシリーズとは異なった名称になっている物がいくつかある。
トミー・オリバー/ホワイトレンジャー
パワーレンジャーのリーダー。新たに鷹の力を得た。詳細は『トミー・オリバー』を参照。
ロッキー・デサントス/レッドレンジャー
新たに猿の力を得た。詳細は『ロッキー・デサントス』を参照。
アダム・パーク/ブラックレンジャー
新たにカエルの力を得たが、本人は不満な様子。詳細は『アダム・パーク』を参照。
ビリー・クランストン/ブルーレンジャー
新たに狼の力を得た。詳細は『ビリー・クランストン』を参照。
アイシャ・キャンベル/イエローレンジャー
新たに熊の力を得た。詳細は『アイーシャ・キャンベル』を参照。
キンバリー・アン・ハート/ピンクレンジャー
新たにツルの力を得た。ニンジャメガゾードのメインパイロットとして活躍する。
本作ではヒロイン的な立場にあり、ピンチに陥ってトミーに助けを求めるシーンが多い。
詳細は『キンバリー・アン・ハート』を参照。
ゾードン
パワーレンジャーの指導者。アイバンの襲撃で重傷を負う。詳細は『ゾードン』を参照。
アルファ5
ゾードンに使えているロボット。トミーたちに新たなパワーの存在を教えた。
ドルシア
惑星フェイドスの女戦士。トミーたちに星から去るように警告するが、彼等からアイバンが復活したことを知らされ、トミー達に協力する。
バルクとスカル
おなじみ漫才コンビ。本作ではフレッドと行動を共にする。詳細は『バルクとスカル』を参照。
フレッド・カルマン
トミーたちの友人。アイバン・ウーズに洗脳された父親たちを救う為に子供たちを率いて奮闘する。
アイバン・ウーズ
6000年前に地球を支配していた悪の化身。当時のパワーレンジャーに敗れ、カプセルに封印された。
カプセルを発見したロード・ゼッドが解放されるが、ゼッドたちを裏切って組織を乗っ取り地球征服を企む。
詳細は「アイバン・ウーズ」を参照。
ロード・ゼッド(ゼッド卿)とリタ・レパルサ
パワーレンジャーの宿敵である夫婦。
ゾードンを倒す為にアイバン・ウーズを復活させるが彼にカプセルに封印され、組織を乗っ取られてしまう。
終盤ではアイバンと戦うパワーレンジャーを応援するという、珍しいシーンがある。
詳細は『ロード・ゼッド』・『リタ・レパルサ』を参照。
ゴルダー
リタ及びゼッドの腹心。アイバンに「服従か封印されるか」の選択を迫られアイバンの部下に。
詳細は『ゴルダー(パワーレンジャー)』を参照。
モーダント
本作にしか登場しない豚型幹部。設定上はゴルダーのいとこで、彼とともにアイバンの部下に。
テング・ウォーリアーズ
アイバンが生み出したカラス天狗型の戦闘員。
戦闘力は高く、変身前のパワーレンジャーでは手も足も出ないほど。
テレビシリーズにも登場するが権利上の都合でテンガに名称が変更された。
パワースコープ
レッドレンジャー用の探査装置。マスクに装着して使用する。
パワービーム
イエローレンジャー用のライト。ヘルメットに装備されている。
ニンジャゾード(聖獣ゾード)
惑星フェイドスに伝わる伝説の聖なる獣の力を宿したゾード。フルCGで表現されている。詳細は『ニンジャゾード』を参照。
エクトモーフィコン・タイタン
アイバン・ウーズの最終兵器。サソリ型のスコルピトロンとハチ型のホーンニードルの2体。
6000年前に彼同様に地中に封印されたが、復活したアイバンが洗脳した地球人を酷使し、掘り出した。
| 役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
| トミー・オリバー | ジェイソン・デビッド・フランク | 真地勇志 |
| ロッキー・デサントス | スティーブ・カーデナス | 松本保典 |
| アダム・パーク | ジョニー・ヨング・ボッシュ | 辻谷耕史 |
| ビリー・クランストン | デビッド・ヨースト | 草尾毅 |
| アイーシャ・キャンベル | カラン・アシュレー | 伊藤美紀 |
| キンバリー・アン・ハート | エイミー・ジョー・ジョンソン | 新山志保 |
| ゾードン | ニコラス・ベル (声 - ロバート・L・マナハン) |
稲葉実 |
| アルファ5(声) | リチャード・ホーヴィッツ | 龍田直樹 |
| ドルシア | ガブリエル・フィッツパトリック | 勝生真沙子 |
| ファーカス・バルクマイヤー | ポール・シュリアー | 塩屋浩三 |
| ユージン・スカロビッチ | ジェイソン・ナーヴィー | 坂口賢一 |
| フレッド・ケルマン | ジェイミー・クロフト | 亀井芳子 |
| フレッドのパパ | ピーター・モックリー | 梅津秀行 |
| アイバン・ウーズ | ポール・フリーマン | 穂積隆信 |
| ロード・ゼッド(声) | ロバート・アクセルロッド | 郷里大輔 |
| リタ・レパルサ | ジュリア・コルテス (声 - バーバラ・グッドソン) |
山本圭子 |
| ゴルダー(声) | ケリガン・メイハン | 岸野幸正 |
| モーダント(声) | マーティン・G・メトカーフ | 塩屋浩三 |
| 役名 | 俳優 |
| ホワイトレンジャー | ヒエン・グエン |
| レッドレンジャー | スチュワート・クァン |
| ブラックレンジャー | ジョニー・ヨング・ボッシュ ダニー・ウェイン・スタルカップ |
| ブルーレンジャー | デヴィッド・ウォールド |
| イエローレンジャー | ブリジット・ライリー ソフィア・クロフォード |
| ピンクレンジャー | ソフィア・クロフォード |
| アルファ5 | ペタ=マレー・リックソン |
| ロード・ゼッド | マーク・ギンザー |
| ゴルダー | ケリー・ケイシー |
| ウーズマン | 中村忠弘、田渕景也、大江智男、他 |
| プロデューサー | ハイム・サバン、シュキ・レヴィ、スザンヌ・トッド |
| 共同プロデューサー | デヴィッド・コートスワース |
| 脚本 | アーン・オルセン |
| ストーリー原案 | アーン・オルセン、ジョン・キャンプス |
| 音楽 | グレーム・レヴェル |
| 撮影監督 | ポール・マーフィ |
| セカンドユニット監督 | ジェフ・プルート(製作中に解雇) ゲイリー・ハイムズ |
| プロダクション・デザイナー | クレイグ・スターンズ |
| 編集 | ウェイン・ウォーマン |
| 監督 | ブライアン・スパイサー |
| 字幕翻訳 | 松浦美奈 |
| 吹替翻訳 | 平田勝茂 |
| 製作 | 20世紀フォックス、ブライアン・スパイサー・フィルム サバン・エンターテイメント、東映 |
| 配給 | 20世紀フォックス |
『パワーレンジャーのすべて』を参照
1995年に公開され、日本では1996年に公開された『パワーレンジャー・映画版』の日本における初DVD化商品。日本では『パワーレンジャーシリーズ』で唯一DVD化されている作品である。音声はオリジナル英語(5.1chサラウンド)、日本語(ステレオ)。
ジャケットは日本語吹き替え版VHS版と同じく6人のパワーレンジャー。ジャケット裏は忍者姿のパワーレンジャーとテングウォーリアーズ。ピクチャーレーベル仕様でテング・ウォーリアーズが描かれている。
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