パールシークレット 単語

パールシークレット

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パールシークレットPearl Secret)とは、2009年生まれの英イギリス競走馬栗毛

三大始祖の一バイアリーターク系(ヘロド系)存続のほとんど最後の希望となっている

な勝ち
2015年テンプルステークス英G2)

概要

Compton PlaceOur Little SecretRossiniという血統。
コンプトンプレイスは、日本ではアグネスワールドが勝ったことで知られるニューマーケット競馬場直線6ハロンG1・ジュライステークスの1997年の勝ち種牡馬としてはG1ナンソープステークスを連覇したBorderlescottなどを輩出したが、Borderlescottを含めてG12頭を含む活躍の多くが騸馬で、後継種牡馬はパールシークレットを含めて数頭に留まる。
アワーリトルシークレットアイルランド産で、イギリスで走り33戦6勝。リステッド勝ちがひとつある。
ロッシーニアメリカ産のMiswaki産駒で、欧州で走り7戦3勝、アイルランドフランスの2歳短距離重賞を2勝。日本ではサトノクラウンとして知られる。

さてこのの血統、ちょっと海外競馬と血統に詳しい人なら2代Indian Ridgeで、そこでピンと来なくても3代Ahonooraで「おおっ」と思うことだろう。まだピンとこなければ8代まで遡ると出てくる名前Tourbillon皇帝シンボリルドルフや名優メジロマックイーン祖である。
そう、すなわちこのパールシークレットは、今や世界的に滅亡寸前のサラブレッド三大始祖の一Byerley Turkの直系なのだ。

馬主はRoaring Lionなどを所有する、カタールのファハド殿下率いるカタール・レーシングイギリスデヴィッドバロン厩舎に所属した。

秘密の真珠

競走生活

2011年10月7日ヨーク競馬場の芝5ハロン89ヤードの未勝利戦デビュージェイミー・スペンサー騎手上にデビュー勝ちを飾る。
明けて3歳となり4月に復帰すると、ハンデ戦、一般戦、スカリーS(Lと芝5ハロン帯のレースにて傷の4連勝を飾る。

勢いに乗って8月ヨーク競馬場直線5ハロンナンソープSG1G1初挑戦したが、あえなく9着に敗れ、このあと1年近い休養に入ることになる。
明けて4歳、6月ロイヤルアスコット芝5ハロンキングスタンドS(G1で復帰し3着に好走したが、この一戦だけでまた長期休養。再び1年近く休むことになった。

5歳となり、4月の一般戦で復帰し約2年ぶりの勝利を挙げると、以降は順調にレースを使えるようになり、イギリスの短距離重賞戦線を戦っていくことになる。パレスハウスS(G3は8着に敗れたが、テンプルS(G2)で2着に好走、前年好走したキングスタンドS(G1に再挑戦したが10着撃沈。プリントS(L勝利して6勝を挙げ、フランスに渡ってアベイユ・ド・ロンシャン賞G1に挑んだが14着に沈んだ。

6歳となった2015年フランスサンジョルジュ賞(G3から始動したが10着。イギリスに戻り、中1週で向かったテンプルS(G2)Jack Dexterとの接戦をクビ差制して嬉しい重賞初制覇を飾った。
以降は7歳まで欧州の短距離G1戦線に果敢に挑み続けたものの、2015年キングスタンドS(G1アベイユ・ド・ロンシャン賞G1の4着が最高で、勝利には届かなかった。2016年ナンソープSG111着を最後に現役引退。通算26戦7勝。

引退後

引退後はイギリスグロスターシャーのバックランドファームで種牡馬入り。種付け料は4000ポンド(2017年レートだと約57万円)。その後ウスターシャーのチャペルスタッド、ノースヨークシャーのノートングロブスタッドと移動して種牡馬を続けた。

三大始祖と言われるダーレーアラビアンゴドルフィンアラビアンバイアリータークのうち、現代のサラブレッドの95%以上はダーレーアラビアン系で、バイアリーターク系(ヘロド系)はほぼ全世界的に滅亡寸前。そんなパールシークレットの血は希少ではあるが、結局のところは優勝劣敗、勝てないの血は淘汰されていくのが競馬の定め。
パールシークレットは種牡馬入り当初は58頭とそこそこを集め、「ヘロド系最後の希望」と言われたが、2020年デビューした初年度産駒立った活躍ができず、種付け数も2022年には4頭、2023年もちょっと増えて11頭というレベルまで落ち込んでいた。

そんなパールシークレットにを点けた極東の生産者がいた。アランローズオヌシナニモノを生産した大狩部牧場下村優樹代表である。2024年12月5日、大狩部牧場YouTubeライブexitにてパールシークレットを大狩部牧場が購入し、日本種牡馬として導入することを下村代表が発表した。2025年よりアロースタッドで供用される予定。種付け料は受胎条件50万円で、これは最低価格でこれ以上下げることはないとのこと。また1頭でもつけた生産者には将来仮に種付け料が上がったとしても永久に50万円での種付け権利を付与するとのことである。

日本ではバイアリーターク種牡馬としてトウカイテイオー産駒クワイトファインがいるが、これはもう偉大なシンボリルドルフ-トウカイテイオーラインなんとか残したいという楽の部類。バイアリーターク系の輸入種牡馬日本に来るとなると、おそらく1995年から供用された*アルカング(産駒2002年オグリキャップ記念勝ちアルアランなど)以来30年ぶりではないだろうか。

導入を決めた下村代表は医師として、サラブレッドの血統がダーレーアラビアン系一本に絞られてしまうことによるインブリードの悪を懸念しており、オルフェーヴルゴールドシップが頑丈で元気なのはメジロマックイーンバイアリーターク系というのも大きいのでは?という考えから、血統多様性の保護の観点からもパールシークレットの導入を決めたという。

日本では16歳という高齢での導入となるが、果たしてバイアリーターク系をこの日本の地で繋いでいくことができるだろうか。

血統表

Compton Place
1994 栗毛
Indian Ridge
1985 栗毛
Ahonoora Lorenzaccio
Helen Nichols
Hillbrow Swing Easy
Golden City
Nosey
1981 鹿毛
Nebbiolo *イエローゴツド
Novara
Little Cynthia Wolver Hollow
Fazilka
Our Little Secret
2002 栗毛
FNo.5-h
Rossini
1997 鹿毛
Miswaki Mr. Prospector
Hopespringseternal
Touch of Greatness Hero's Honor
Ivory Wand
Sports Post Lady
1998 栗毛
M. Double M. Nodouble
Mazda's Miracle
Pasadena Lady Captain James
Gliding Gay

クロス:5代内アウトブリード

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