ヒカルド(キン肉マンII世) 単語

ヒカルド

5.1千文字の記事

ヒカルドとは、漫画キン肉マンII世』に登場するキャラクターである。

CV:森川智之

概要

オリンピック ザ・レザレクション編で登場したブラジル出身の人で、関節技と寝技を得意とする「関節技(サブミッションアーティスト」と呼ばれる正義超人としての一面と、血を見ると敵を血祭りにあげなければ気が済まない程の残虐性を持つ「暗黒ロードオブダークネス)と呼ばれる悪行超人としての一面を持つ多重人格マルチプル)人である。笑い正義超人のときは「クケケケ~」、悪行超人のときは「フィギュ~、フィギュ~」と違っている。詳しくは後述するが、彼の物語の結末がこれまでキン肉マンという物語が描いていたテーマと相反するものであり、長く読者の間で物議を醸している。

正義超人のときは、オーバーボディを着用しており、特撮ヒーローっぽいビジュアルになっている。ファイトスタイルは、連載当時総合格闘技世界トップに立っていたブラジリアン柔術モチーフにしたもので、グレイシー一族やアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラらがモデルになっていると思われる。正義超人といっても、イリューヒンらと同じく残虐超人寄りの性格であり、相手を挑発したうえでいたぶることもあった。また、鍛錬によって尋常ではないほど首が強になっており、高度からの落下技で叩きつけられてもこれを効化してしまう。

オーバーボディの下に隠されたの姿「暗黒」は、巨大な鋭い牙と全身が細かいうろこで覆われたピラニアの特徴を備えており、左頭部には鎖のついたが生え、見るからに邪悪で、醜悪な姿をしている。この禍々しい姿を撃した正義超人たちも思わず恐怖を感じていた。ただし、ハラボテ・マッスルの中では息子イケメンのほうがもっと醜いようだ。体格も正義超人時より一回り大きくなっていることからパワーは上で、器攻撃やラフプレイ、相手を殺する勢いで攻撃を続けるなど、悪な悪行超人そのものである。

本人は正義超人でありたいと願っており、多重人格であることに苦悩している。しかし、の姿を見られただけで周囲からは忌み嫌われてしまい、ファイトスタイルそのものが残虐すぎることもあって悪行超人と決めつけられてしまう。なお、原作者は、正義の祭典であるオリンピック悪行超人が混じるのも面いかもと考えて登場させたらしく、当初は決勝で万太郎と戦わせることを考えていたらしい。

プロフィール

生い立ち

d.M.pのアジトにおいて悪行超人の子として生まれたが、両正義超人の技術を身に付けさせるためにオーバーボディを着せ、ブラジルに住む寝技と関節技のスペシャリストであるパシャンゴのもとへと預けられる。当初はアジトに戻るために修行に励んでいたが、いつしか当初の的を忘れてしまい、関節技の面さに覚めてひたすら鍛錬に励むようになっていた。

15年後のある日、d.M.pのアジトが崩壊したことと両がそこで死亡したことを知り、ようやく自分が悪行超人であることを思い出す。しかし、正義超人として育ったことで両の死を悲しいと思わず、本人も正義超人として生きていくつもりだった。ところが、スパリングの最中にオーバーボディの一部が破損したことをきっかけに正体が悪行超人であることをパシャンゴに知られてしまう。

よりも慕っていた師匠から悪行超人であるという理由で問答用で成敗されそうになり、血を見たことで悪行超人としての本を抑えきれず、パシャンゴを殺してしまう。

作中での活躍

師匠を殺してから1年後、オリンピック ザ・レザレクションのブラジル予選を勝ち抜き、出場を決める。なお、開催する日本へ向かう際に列車賃乗していた(この時点で正義超人としてどうかと思うが……)。予選も事勝ち抜き、本戦ではBブロックにエントリーされる。

1回戦では、デパート屋上アメリカ代表のザ・摩天楼と対戦。このときデパートまでトラックの荷台に乗せられて移動という不憫な扱いを受けたが、文句を言うキン肉万太郎たちとは対照的に冷静そのものだった。序盤は高層ビルのような巨体を誇る摩天楼パワーファイトに劣勢に立たされていたかのように見えたが、相手の実力を見極めていただけだった。高度から叩き落とすハイクレーバーボムを喰らっても強な首のためダメージを受けず。得意の関節技によって痛めつけ、最後はトーチャー・スラッシュによって摩天楼の巨体を股から引き裂き、難なく初戦を突破。試合後、マスクの一部が欠け、その恐るべき素顔の一部を覗かせる……。

2回戦では、師匠である伝説ブロッケンJr.がセコンドにつくジェイドと対戦。序盤は関節技を警して打撃技体で攻めてくるジェイドと一進一退の攻防を展開。このままプロレスらしい好勝負が繰り広げられるかに見えたが、戦いの中でオーバーボディがついに砕け、「暗黒」と呼ばれるの姿を露わにする。その怪異な姿にもが驚愕するなかで、自らが悪行超人の出身であることをカミングアウトし、生い立ちを告白する。自らの本質正義超人だとするものの、ブロッケンジェイドの師からは全否定され敵視されてしまう。だが、の姿を見せたヒカルドは、悪行超人そのもののファイトを見せるようになり、優位に試合を進める。トドメのトーチャー・スラッシュのモーションに入った段階ですでにジェイドに意識はく、二階堂凛子タオルを投げ入れたことでTKO勝ちが確定する。しかし、一度は技を解こうとしたものの悪行超人の本によって最後まで技を続けジェイドに重傷を負わせる。この行動が物議を醸すが、「技を停めることができなかった」というヒカルドが認められる。

準決勝では、パニッシュメント・Xというリング中央にあるXの木にがいっぱい刺さっているという残酷なデスマッチキン肉万太郎と対戦する。2回戦でジェイド瀕死の重傷を負わせてしまった負いのあるヒカルドオーバーボディを着た状態で登場。あくまで正義超人としてのクリーンファイトで決着を付けようとする。宣言通り、関節技アーティストとして正々堂々としたファイトで戦い、バニッシュメント・Xを使わずとも万太郎相手に優位に試合を進める。また、暗黒の姿にビビ万太郎も、オーバーボディ割れないように修復していた。だが、バニッシュメント・Xに突き刺さった万太郎の血を見て、オーバーボディが剥がれ、暗黒の姿になってしまう。また、会場に姿を見せていたヒカルド兄弟子たちの言によって師匠であるパシャンゴを殺していたことが告発される。血を見てスイッチが入ると本に逆らえず、相手を血祭りにあげなければ気が済まなくなるヒカルドは、グロキー状態の万太郎をさらに痛めつける。だが、火事場のクソ力を発動した万太郎のマッスル・ミレニアムを喰らい敗北

試合後、両が現れ、「中途半端に正義の力を学んだから負けた、悪のに邁進すればより強くなる」と言われる。正義超人の技術を学ばせたのは自分らだというのになんたる言いであろうか。「クラッシュマニアミイラにしてやれ」と自殺行為になるお告げをカーメンに下した神と同じくらいひどい。
だがそれでも自分に流れる悪行超人の血を信じ、悪行超人を邁進することを決意。傷ついた体のまま一人いずこかへと去って行く。
こうして、「自分は正義超人だ」と訴え続けたヒカルドはとうとう全てに見放され、正義超人の手によって悪行超人へのに追い込まれてしまった。

指摘される問題点

ヒカルド関連のストーリーには、正義超人として生きていたいという気持ちがありながら救いのない結末となり、悪行超人として一人で生きていくことを誓って寂しく去って行くという後味の悪さだけが残った。しかも、その後ヒカルドは作中で登場せずフェードアウトしている。「悪の心がいと試合場に入れない」という設定の悪魔種子編では再登場・改心の絶好の機会でありながら姿を見せず、また、過去に戻って師匠シャンゴに再会する機会を得られる究極タッグでも登場しなかった。

キン肉マン』という作品は、「昨日の敵は今日の味方」というジャンプ漫画王道ともいえる作が支持されてきたのであり、初代のアイドル人たちはテリーマン以外は最初はキン肉マンの敵というポジションだった。ヒカルドと同じように悪魔超人出身であるバッファローマンアシュラマンも戦いを通じて友情パワー覚め、キン肉マンたちとの友情を築いている。

だが、ヒカルドの場合はこれまでと異なり、自らを正義超人と信じて戦い、悪行超人としての本に苦しんでいたにも関わらず、周りから正義超人であることをっ向から否定され、理解しあうということを拒絶された。師匠のパシャンゴは正体が悪行超人と知った途端に手のひらを返して問答用で退治しようとし、超人血盟軍悪魔超人出身の人と組んだ過去のあり、自身も残虐超人二世では悪行超人)であったはずのブロッケンJr.は「正義超人の手ほどきを受けているがその体の中にはドスく冷たいものが脈々と流れている」と悪行超人出身という出生だけで差別しているとも受け止められる発言をしている。一部ではその醜悪な見ただけで仲間として受け入れられなかったのではないか?という摘もある。

正義超人として生きていきたいという彼の願いを正義超人側は差別偏見によって否定し、最後は悪行超人として生きていくしかないような状態に追い詰めてしまったと受け取れる結末は、これまでの『キン肉マン』の根幹を揺るがすような話であり、最後に主人公万太郎が「悪行超人として現れてもまた倒せばいい」と突き放している。

後に連載されるようになったキン肉マンの新シリーズでは、「考えや出生の異なる敵と理解し合うこと」、「敵をも救う慈悲の心」がテーマとなっているが、それだけにこのヒカルドへの扱いは未だにファンの間で物議を醸す話題になっている。根幹設定が矛盾するため、「始祖編・超神編から二世へは繋がらないのではないか」という説も広く語られている。

必殺技

トーチャー・スラッシュ
どちらの人格のときにも共通したヒカルドフェーバリット・ホールド。相手をリバースフルネルソンの体勢に捕らえて高く飛び上がり、相手の両膝を自分の両足で押さえ込み、そのまま自らの頭から落下し、相手の股と背中を破壊する。
自身の頭部の表面積が小さい分、威力が格段に上がり、摩天楼やパシャンゴは股からっ二つに裂けるほどのダメージを受けた。首の強さが異次元級のヒカルドだからこそ可な凄技である。
ちなみに初出のときは「トーチャー・ストレッチ」という技名だった。
アラーニャクラッチ
スタンディング状態の相手の上半身に飛び乗り、アームロック三角絞めを同時に極めつつ、相手の上半身を後方へ押し倒し、窒息&関節の二重の苦しみを味わわせる。サブミッションアーティストならではの高等技術である。
イグアスロック
相手の膝を自身の股で挟みこんだ状態のまま、挟みこんだ方のつま先をひっぱりってへし折る技。
ブラジル予選決勝でドラグ・スレイプを倒した技であり、股から相手の体を大きくっ二つに引き裂いている。
ピラニアン・ジョー
ロードオブダークネス時のピラニアのように細かく鋭いで対に噛み付いて攻撃する。
ピラニアブレス
腕につけているブレスレットを飛ばして使う技。相手に絡めたり、リングマットに突き刺して自分のパワーを伝えたりと多くのバリエーションがある便利な武器でもある。
コルバートの丘
ピラニアン・ブレスキャンパスに突き刺し一気に引き上げることで、凄まじい力が伝わりキャンパス起し大きなを作り、そこへ敵を投げつけ突き刺す技。
技名の由来はブラジルの巨大なキリスト像が建つ有名な技だが、残虐技のネーミングに使ってキリスト教徒から怒られないのだろうか……?
ズッファーラ
相手の両手を足で踏みつけた状態で、相手の足を手で掴み、そのままインディアンデスロックの要領で体を強制的にしならせて関節を極める。
ボイリングラリアット
中にいる相手に対して使用するラリアット

関連静画

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