ヒッタイト語 単語

1件

ヒッタイトゴ

1.2千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

ヒッタイト語とは、かつて存在した言である。

概要

アジアアナトリア)のヒッタイト帝国で話されていた、楔形文字で記されたまさかのインド・ヨーロッパ語族の言である。
この言解読は、それまでギリシャ語ラテン語などヨーロッパの言の起サンスクリットめていた比較言語学を一変させた、トカラ語と並ぶ20世紀前半の大発見であった(なお両者のような言が存在するのではないかと仮説を立てていたのは、まだ普通に既存の言語学をやっていたころのソシュールである)。

とはいえヒッタイト語自体もあくまでも上流階級のみが話していた、ルウィなどの民衆言おされていた存在であり、7つあるアナトリアの一言に過ぎないというところまで、その後の言語学研究で地位が一般化されることとなっている。

文字体系

ヒッタイト語独自の楔形文字はあるが、アッカド語からの引用がだいぶ多い。

しかしインド・ヨーロッパ語族の子音結合を楔形文字で表現しようとするなどだいぶ理をしている感じが…

なお、例によって例のごとく、表音文字、表意文字、限定詞のちゃんぽんである。

音韻体系

母音

i,u,e,aとその長音であるī,ū,ē,āで、長短の区別があったかどうかはまだ議論中なので実質4音である。

子音

p t k
b d g ɡʷ
ts
s
m n
l r y w
ḫ(h₂, h₃)

文法

古いわりに文法はずいぶん簡単なものになっている。

また統論はSOVである。

名詞

共性と中性の二性、八格、単数と複数の二数である。

語尾 単数 複数
格(共性/中性) / -, -n -eš / -a, -
対格(共性/中性) -n / -, -n -uš / -a, -
呼格 -, -e -eš
属格 -aš -an, -aš
与・位格 -i -aš
方向格 -a
奪格 -az -az
具格 -it -it

名詞にはそれぞれa-幹、i-幹、u-幹、子音幹、r/n-幹の5種類の幹があり、それぞれに合わせて語尾が変化していくようだ。

動詞

直接法と命法の2つしか法がなく、時制も現在過去の2つという極めて単純なものである。

mi-活用とḫi-活用の2つがある。

mi-活用語尾 直接法現在 直接法過去
1人称単数 -mi -un(-nun) -(a)llu
2人称単数 -ši -š -(-i,-t)
3人称単数 -zi -t -du
1人称複数 -u̥eni -u̥en
2人称複数 -teni -ten -ten
3人称複数 -anzi -er -andu

ḫi-活用語尾 直接法現在 直接法過去
1人称単数 -ḫi -ḫun -allu
2人称単数 -ti -ta(-šta) -(-i)
3人称単数 -i (-šta) -u
1人称複数 -u̥eni -u̥en
2人称複数 -teni -ten -ten
3人称複数 -anzi -er -andu

中・受動態は存在するようだ。

関連動画

関連商品

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
WhiteCUL[単語]

提供: すずくろ

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/19(金) 05:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/19(金) 04:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP