ヒディアーズとは、アニメ『翠星のガルガンティア』に登場する宇宙生物の名称である。
人類銀河同盟が長きにわたって宿敵とみなしている宇宙生命体。人類の生存域を脅かす生命体として扱われ、「忌まわしい下等生物」という意味で名づけられた蔑称である。
群体で行動するなど一定の知能は有している(さらに、レドによると人類の文明レベルを認識できるらしく、その発達具合に応じて攻撃してくる模様)ようだが、人類と意思の疎通を図る手段は持ち合わせておらず、交渉や対話は不可能。行動も基本的に本能によるもので理性を有しておらず、人類は争う以外に手立てはないとされる。
基本的には「外骨格を有する軟体動物」といった容姿だが、形状は個体によりさまざまで、小型のものはアンモナイト型、中型や大型のものは花のような姿をしており、多数のヒディアーズを収容する「母艦」と呼ばれる大型のものもいる。
生物でありながら強固な外骨格と体中に備えたビーム砲など、戦闘能力は非常に高く、高い戦闘能力を有するマシンキャリバー(チェインバーやストライカー)や艦艇を無数に投入しながらも人類は苦戦を強いられている。また母艦は人類の攻撃を受けて進化する性質を有しているものがおり、同じ攻撃が通用しない。
牙(レドは「ツメ」と呼んでいる)の内部は空洞になっているらしく、レドはこれをレーザーで削り笛にしている。
漫画版第1巻では「人類とともに宇宙にやってきたと言われている」という記述があり、その起源や宇宙への進出に人類が関与していることが匂わされている。
地球に住む海中生物。見た目は胴体に複数の青い目を持つ、数メートルから数十メートルに上る巨大なイカ。幼体はクリオネを思わせる見た目をしている。また複数の個体が寄り集まって行動、さらに巨大な容姿に見せることがある。
ガルガンティア船団では神聖視されており、踊り子の衣装をはじめとする随所にイカをモチーフにしたデザインが施されている。普段はおとなしく人類を攻撃してこないが、危害を加えると狂暴化する。普段は「霧の海」と呼ばれる場所の海底に沈む古代文明の施設を巣としており、ピニオンの兄はここのサルベージ作業を行っている最中にクジライカに殺害された。
レドは海中でのサルベージ作業中にこれと遭遇、ヒディアーズと認識して殺害してしまう。その後チェインバーにより「外骨格組成が多少違うが、遺伝構造上はヒディアーズとの相違がなく同一種」と分析された。この一件はガルガンティア中で問題視されるが、レドは「ヒディアーズが襲ってこないのは人類の文明レベルが低いからで、いつ襲ってくるかわからない」として殲滅を決意、前述の理由からクジライカを敵視し海中の「お宝」を狙うピニオンと手を組んで離脱した。
こちらの戦闘能力は外敵が存在しないことにより退化しており、宇宙のヒディアーズと比較すると弱体化が著しく、チェインバー一機で霧の海に巣食う個体は殲滅された。
その正体は、氷河期に陥る前の人類が宇宙に進出するために、遺伝子レベルで肉体を変化させ宇宙の環境に適応した姿、つまり人類の進化形態である。
宇宙の環境に適応させた「共生体」との融合により人類は生身で宇宙進出を可能にし、ナノマシンを併用することでエネルギーを得る。ヒディアーズの外骨格はナノマシンが変化したものであり、地球に残ったナノマシンは「ヒカリムシ」と呼ばれガルガンティア船団などのエネルギー源として利用されることになった。
この思想を掲げた自発進化推進派=イボルバーの行った遺伝子操作・人体実験は倫理規定違反であり、あくまで「現在の人類」のまま宇宙へと進出することを主張したコンチネンタル・ユニオンという勢力から迫害を受け対立、戦争を引き起こした。その戦闘は宇宙空間まで広がり、さらにコンチネンタル・ユニオンはワームホールで移動したのちワームホール発生装置を破壊することでイボルバーを地球上に足止めしようと謀るが、その情報もイボルバーに知られワームホール発生装置は接収されてしまい、地球から遠く離れた宇宙空間でも戦闘が継続することになった。コンチネンタル・ユニオンは後に人類銀河同盟となり、進化したイボルバーたちはヒディアーズとして敵視されることになったのである。宇宙空間に適応させる前の段階の実験体たちはそのまま地球の海中にとどまり、その末裔が現在のクジライカとなった。一方、どちらにも所属しない人々は地球からは出られず、特殊な環境にいた人類だけがわずかに生き残り、人為的に地球温暖化に成功、氷河期を終結させた。
この情報は人類銀河同盟では機密事項とされており、霧の海の海中に沈む施設からこの情報を入手したチェインバーは当初レドへの開示を拒否した(チェインバーによると「人類銀河同盟の公式見解と多数の矛盾点を確認」とのことだが、どのような点に矛盾があったのかは話されていない)。指揮官クラスには知らされていた情報だったらしく、第11話ではレドの上官・クーゲル中佐は正体を把握していたことが明かされている。
この情報を知ったレドは戦意を失ってしまうが、チェインバーは「人類は単独での活動が限られるために文明を保存し、その象徴としてマシンキャリバーも誕生したが、人類の究極進化形であるヒディアーズは文明を放棄しており、生存戦略が人類と根本から異なる」という持論を展開、レドが生存を望む限りヒディアーズとの戦闘は避けられないと諭した。また、クーゲル中佐も立体映像でレドと会話した際に「ヒディアーズは進化の果てに、人間が人間たる所以である理性を失い、本能のまま動くことしかできない"元"人間にすぎない」と発言しており、ヒディアーズとの戦闘に難色を示していない。
上記のような事情があるため、人類銀河同盟が所持している兵器は人型を模したものが多く、マシンキャリバーのみならず戦艦も頭部や脚部・腕部に相当するパーツが見られ、人間に近い形をしている。
なお、自発進化の最初の実験体となったライアン・マツモトは宇宙に進出しており、その後の行方は不明。また、娘のイレーヌも進化したことが明かされている。
虚淵玄によると「宇宙の一等地はすべてヒディアーズに抑えられている」とのこと。あれ?旧人類詰んでね?
余談だが、以上の設定と、ヒロイン・エイミーを演じる声優が金元寿子で、ストライカーのAI音声の声が藤村歩であることから、本作を「虚淵版『侵略!イカ娘』」と呼ぶ人がいるとかいないとか。こんな真っ黒なイカ娘があるか!
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最終更新:2025/03/23(日) 02:00
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