ヒョーゴスラビアとは (ヒョーゴスラビアとは) [単語記事]

7つの県境、6つの方言、5つの旧国、
4つの新幹線駅、3つの空港、2つの海、
そしてただ1つの心

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ヒョーゴスラビアとは、兵庫県のバラバラ感を示す言葉である。

概要

県が設置される前には、律令国という地域の分け方があった。律令国は文化圏を反映しやすい。例えば静岡県は伊豆・駿河・遠江に分かれ、それぞれ県民性が異なる。他に愛知県の尾張と三河、岐阜県の美濃と飛騨なども挙げられる。

このとき、兵庫県を律令国で区分すると以下のようになる。

「摂津」「丹波」「播磨」「但馬」「淡路」の5つと非常に多く、これは全都道府県の中でも北海道に次いで2番目に多い。このようなバラバラな地域を1つにまとめたのが「兵庫県」である。この5つからさらに市民性が細かく分かれており、一部に至っては別の都道府県扱いされることもあるため、他の県と比べても「兵庫県」という一体感や帰属意識が小さい。

記事タイトル「ヒョーゴスラビア」は、この状態を「ユーゴスラビア」に喩えたものである。ユーゴスラビアももともと6つの国をまとめた複合国家だった。

冒頭の文章はユーゴスラビアを指した文章「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家」のパロディである。「2つの球団」など派生がいくつかある。

なお、上では律令国を「5つ」と書いたが、県境近くの佐用町石井（智頭急行の石井駅周辺）が旧美作国、赤穂市福浦（JR 赤穂線の備前福河駅周辺）が旧備前国であるため、厳密には7つとなる。

広まった経緯

言葉の初出は2011年ごろと思われる。2011年の現存するツイートの一部が以下。ただし、削除されてしまった他のアカウントが言った可能性もある。

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 https://twitter.com/soonsoul/status/45897262286635008

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 https://twitter.com/soonsoul/status/52023539867463680

2013年には以下のツイートなどからヒョーゴスラビアネタが多くツイートされるようになった。これに加え、Togetterやアンサイクロペディアでも下記ツイートの「セッツィア（←摂津）」「ハリマニア（←播磨）」などがネタにされたことで徐々に広まっていった。2018年には神戸新聞にも取り上げられ、兵庫ネタとして定着した。

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 https://twitter.com/prime46502218/status/370873407140667392

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 https://twitter.com/kobeshinbun/status/1033196812092375040

2020年 2月には新型コロナウイルスの感染防止のため、大阪府知事が大阪・兵庫間の移動の自粛を要請した。バラバラの兵庫県が珍しくひとくくりの扱いを受けて自粛要請されたことで、「ヒョーゴスラビアからの入国制限」というネタが生まれた。なお、他にも翔んで埼玉をもじった「翔んで兵庫」という言葉も生まれた。

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 https://twitter.com/nirubed/status/1240595836544811010

ざっくりとした地域別説明

市ごとの詳しい説明は「兵庫県」の記事へ。

摂津（セッツィア）

神戸市（コーベグラード市）がある地域。最も栄えている。洋菓子や神戸牛で有名な神戸、高級住宅街の芦屋などで一部には高級なイメージがついている。特に神戸市民は神戸への帰属意識が強い。なお神戸牛は但馬産。

もともと摂津は大阪北部も含む地域で、現在でも「阪神」とまとめて言われるように大阪とのつながりが強い。大阪に隣接する尼崎の場合、「尼崎は大阪ですか、神戸ですか？」という質問を市民10人に行ったところ、「大阪」７名、「神戸」２名、「大阪は大阪、神戸は神戸、尼は尼」１名という結果になったという話もある。

三田や神戸市北区などの北部は忘れられがちだが、雪はさほど降らないわりに寒く「チベット」と言われることもある。

セッツィアの由来はセルビア、コーベグラードの由来はその首都のベオグラード。

主に有名なもの

丹波（タンバゴビナ）

摂津の北にある。もともと「丹波」自体が京都と兵庫にまたがっている地域であるため、京都府と勘違いされる。市町村が「丹波市」と「丹波篠山市」の2つしかない。丹波篠山市はもともと「篠山市」だったが、2019年に住民投票をして「丹波篠山市」に改称した。それほどに「丹波」への帰属意識が強い。

タンバゴビナの由来はボスニア・ヘルツェゴビナ。

主に有名なもの

篠山城跡・城下町
丹波栗
丹波の黒豆

播磨（ハリマニア）

この中で一番面積が大きい。最も大きい都市は姫路で、姫路城がある。ただし、東寄りの明石や加古川になってくると神戸との結びつきが強いし、北部の三木や西脇のあたりも「なんか違う」と別地域扱いされることもあり、西部の相生・赤穂は岡山扱いされることもある。

「播磨」という扱いだが、地域内でも「東播」「西播」、場合によっては「中播」「北播」などにも分けられ、雰囲気が異なってくるため一言で説明しにくい。全体的な傾向としては方言が荒めで（播州弁）、秋祭りが血気盛んに行われる地域が多い。

ハリマニアの由来は「クロアチア」「スロベニア」「マケドニア」が挙げられる。面積から考えるとクロアチアか。

主に有名なもの

但馬（タジマニア）

兵庫県の北部地域。神戸市より鳥取市や京都府福知山市が近い。最大都市は県北東部に位置する豊岡市。その豊岡市にある城崎温泉、北西部の新温泉町にある湯村温泉、兵庫県屈指のリゾート地である神鍋高原などがあるため、兵庫県南部の人からは「観光で行くところ」扱いされている。冬は雪が多く降るように、気候も山陰寄り。日本海を渡ってやってくるコウノトリが有名で、「コウノトリ但馬空港」という地域民にも存在意義が疑問視されている空港がある。
また、鉄道ファンの間で有名な山陰本線の余部鉄橋跡と隣接する餘部駅もある。

神戸牛は但馬牛のうち基準をクリアしたものを指す。つまり神戸牛は但馬産。

ちなみに町の位置が近いのと名前が酷似しているためか、香美町と岩美町を間違える人が多く、鳥取県民と但馬地方の兵庫県民との間で自虐ネタにされている。

タジマニアの由来もハリマニアと同様「クロアチア」「スロベニア」「マケドニア」のいずれかと思われる。位置的にスロベニアか。

主に有名なもの

淡路（アワジネグロ）

淡路島。沖縄本島に次いで人口が多い島。明石海峡大橋ができたことで神戸とのアクセスが向上した。一時期は徳島県の一部だったが、後に兵庫県になった。実際徳島県鳴門市に海峡を挟んで隣接しており、淡路島からも鳴門の渦潮を見ることができる船が出ている。

北部と南東部は山がちで、それ以外の地域には平野が広がる。兵庫県の他の地域より南にあるため、南国扱いされることがある。実際「あわじ花さじき」「淡路夢舞台」などの花が多く咲く公園が多い。詳しくは「淡路島」の記事へ。

アワジネグロの由来はモンテネグロ。

主に有名なもの

脚注

*ぷよ太郎氏のツイートより、一部改変

ヒョーゴスラビア単語