ビグ・ラング 単語


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ビグラング

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ビグ・ラング(BIG-RANG)とは、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場するジオン公国軍のモビルアーマーである。

概要

第6話「雷鳴に魂は還る」にて初登場。形式番号はMA-05Ad。形式番号のAdは「Ammunition Depot」、すなわち可搬補給廠を意味している。要目は全高138m、全長203m、全幅139.1m、機体重量1万7900トン、推力460万kg、装甲材質は超硬スチール合金。初期案ではビグ・ムッター(ドイツ語で母親の意)と呼ばれていたとか。

パイロットはオリヴァー・マイ。マイは『IGLOO』の主人公なので主人公機と呼べなくもない。実際小説版『MSイグルー 黙示録0079』ではビグ・ラングが表紙を飾っている。

宇宙世紀0079年12月、戦局が差し迫る中、技術開発本部は、民間企業と軍内研究開発機関がバラバラに開発していた未完成プロジェクトを取りまとめ、実用レベルの兵器を数日から一週間の内に生み出す廃材アート的な開発計画を開始。その過程で「ビグロ」「可搬補給廠ユニット」「宇宙標準船以上の大推力を持った弩級装甲ブースター」という全く異なる3つのプロジェクトが着目され、それらを組み合わせる事でビグ・ラングが誕生した。ビグロは製造中のものから後期生産型6号機を回してもらっている。余り物を継ぎ接ぎして生み出された割には要求性能を満たしていたものの、戦時急造品ゆえ機体設計に重大な綻びが生じていた(後述)。

本来は前線に配備して、モビルスーツ、モビルアーマー、モビルポッドに弾薬及び推進剤を補給し、更には緊急整備や応急修理をも可能とする機動前線橋頭保の役割が与えられていた。だが、ジオン軍の地球撤退や地球連邦軍の追撃が重なって戦況が劇的に変化し、量産計画が頓挫したため1機のみの試作で終了、支援対象もオッゴのみに絞られた。

開発を急いでいた超弩級モビルアーマーの機体を流用し、制御ユニットとして機体上部にビグロを連結。後期生産型の6号機は、従来のビグロの武装に加え、機関砲の増備やジェネレーター出力の強化が図られ、ビグロの特徴たるクローは多目的マニピュレーターに換装。物が掴めるようになった。Adユニット接続に伴ってコクピットにも改修が加えられており、2本のアームバーが増設されている。

コンテナには大量の武器・弾薬が積載されていて、戦闘で消耗したオッゴをコンテナ内部に収納、複数のアームを使って補給及び応急修理を行ったのち外へと射出し、戦線へと復帰させるのが一連の補給の流れ。オッゴが損傷してコンテナへの進入が困難な場合は駆動アームで固定して内部に搬入する。オッゴへの補給自体は短時間で終了するものの、1機ずつしか入る事が出来ないため時間を要する。描写こそないがモビルスーツへの補給も一応可能のようだ。

大質量のコンテナと接続した事でビグロ本来の機動力は大きく損なわれてしまった。その代わり、戦艦のメガ粒子砲にも耐えられる対ビーム装甲を持ち、更にはビーム撹乱幕まで装備しているため、防御面は非常に優れていると言えよう。また、ビーム撹乱幕を散布すれば周辺の友軍機もビームの脅威から守れる。その機動力の低さから、前線で戦うオッゴのやや後方で控え、敵の襲撃に対してはビグロの武装で反撃し自衛するという運用が想定されている。

大型コンテナと接続している関係上、エネルギー供給に余裕があり、メガ粒子砲も通常のビグロとは比較にならないほど威力が向上。直撃すればサラミス級どころかマゼラン級さえも一撃のもと葬り去る。コンテナにも三連装対艦ミサイル砲2門が備え付けらていて、こちらも命中すればサラミス級を簡単に墜とせてしまう。

しかしモビルアーマーの悲しい性として死角の多さが最大の欠点。特に機体底部には武装も無ければ装甲も無い致命的な弱点であり、被弾すればコンテナ内部の弾薬が誘爆して大爆発を引き起こす危険性をも孕んでいた。一応、これをカバーすべく底部に巨大な盾を持つ駆動アームを装備する予定だったが、決戦に間に合わず結局装備されていない。

機体のカラーリングは赤を基調としたもの。赤だと目立つと思うかもしれないが、宇宙空間のような暗闇では可視光線を吸収して逆に迷彩効果を発揮するため、運用目的を考えれば適切な色と言えるだろう。また赤い彗星ことシャア・アズナブルの搭乗機と誤認する連邦軍兵士がいた。オッゴが周囲に集まっているところを見た連邦軍兵士に「ドラム缶の親玉」と形容された事も。

劇中の活躍

ジオン年少兵とオッゴを守る母体として配備された機体は、MA-05Adビグ・ラング!ビグロの高速性を犠牲にした巨大な補給庫は、玉砕覚悟の若人たちに生還の機会を与えるものだった。敗色漂う戦場の中、ビグ・ラングの操縦席に座して生命の輝きを見つめる者とは……。

本格的な登場は第6話「雷鳴に魂は還る」からだが、第5話の「光芒の峠を越えろ」にて、アルベルト・シャハト技術少将が「オッゴを支援するための補助兵器も間に合えば送る…間に合えばな…」と発言しており、この時点で存在が示唆されていた。

0079年12月31日午前1時17分――ギレン総帥がア・バオア・クーの将兵に向けて演説している頃、パプア級輸送艦からヨーツンヘイムに引き渡される。早速オリヴァー・マイ技術中尉による調整が行われるも、午前8時10分、調整が終わる前にア・バオア・クー攻防戦が始まり、なし崩し的にEフィールド防衛戦へと参加。Eフィールドは一拍遅れてから戦端が開いた。

パイロットはモニク・キャディラック特務大尉に決まっていたが、彼女は弟のエルヴィン・キャディラック曹長を失ったショックで戦闘神経症に陥っており、着任不能の状態だったため、プロホノウ艦長は既にビグ・ラングへ搭乗しているマイにパイロット任務を言い渡した。これは若手士官であるマイを調整が終わってないビグ・ラングごと後方へ置き去りにする事で、戦死させないようにするプロホノウ艦長なりの配慮であった(実際「調整に手間取った時は追ってくるなよ」と発言している)。

ちなみに漫画版限定エピソード「戦雲に光を見た ―宇宙世紀0078年―」は、ビグ・ラングを調整している時のマイの回想であり、1コマのみビグ・ラングが登場した。

一旦は母艦に置いてかれたマイであったが、遂に調整を完了させ、サラミス級3隻に襲撃されるヨーツンヘイムを助けるべくメガ粒子砲の砲門を開く。ビグ・ラングから放たれた極太のメガ粒子砲はサラミス3隻を瞬く間に薙ぎ払って撃沈。初陣を華々しい戦果で飾った。マイは、ヨーツンヘイムにやってきては散っていったテストパイロット達の生き様を思い出して既に戦う覚悟を決めており、先行したオッゴ部隊を支援すべく、ヨーツンヘイムと別れて前線へと向かう。

午前9時40分、Nフィールド防衛の要ドロスが撃沈。連邦軍によるア・バオア・クーへの上陸が始まった。時同じくして、Eフィールド前線では学徒兵が駆るオッゴがジムやボールと交戦しており、そこへビグ・ラングが加勢してオッゴとともに戦う。本来なら後方に控えているはずのビグ・ラングを見て、学徒兵から「マイ技術中尉ですか!?前に出ないで!」と退避を促されるが、マイが「そうはいかない!僕は君たちを…」と言い返そうとした瞬間、マシンガンにより通信してきた学徒兵のオッゴが撃墜される(小説版によると「守らなければならない」と続くはずだった)。眼前で守るべき学徒兵をやられたマイは絶叫しながら引き金を引く。

その巨体に多数の命中弾を受けながらも、強大な火力と強固な装甲を駆使して反撃。ビグ・ラングの想定外の応戦に加え、赤い塗装によりシャアの搭乗機と勘違いした連邦軍は、体勢を整えるべく一時退却、その隙を突いてオッゴ部隊への補給にも成功している。この大健闘があってか、Eフィールドは戦力比1対6でありながら持ちこたえていた。

一方、司令部ではギレンがキシリアによって殺害され、そのキシリアもまた戦死した事で、午後12時15分頃、司令部から「我既ニ指揮能力ナシ。作戦参加ノ全艦艇ハ 戦闘ヲ中止シ 各個ノ判断ニテ行動セヨ」と事実上の停戦命令がジオン全軍に通達されてしまう。しかし連邦軍は仲間や親の仇を討ち取るため停戦命令を無視し、ここぞとばかりにジオン軍へと襲いかかって無抵抗のオッゴを撃墜。

Eフィールドを通ってサイド3に退却する友軍艦隊の撤退路を守るべく、マイとビグ・ラングは決死の覚悟で連邦軍と交戦する中、ヘルベルト・フォン・カスペン大佐のゲルググや快復したモニクのヅダも応援に駆け付けて激戦となる。

戦果を重ねていくビグ・ラングだったが、死角からボールの砲撃を受け、コンテナ内の武器・弾薬が誘爆、とうとう撃墜されてしまう。爆発の光は遠く離れたヨーツンヘイムからも視認でき、プロホノウ艦長は彼らの最期を悟って慟哭した。更にカスペン大佐も戦死してしまうも、結果として25分もの時間を稼いで友軍艦隊は脱出に成功、何とか目的は達せられた。脱出路を塞がれる危険性がある事からヨーツンヘイムも出航。彼らが守り通した退路を使ってサイド3へと向かった。

しかし、戦場からは誰も帰ってこず、パイロットのマイ中尉は戦死したかに思われたが、爆発の際に衝撃でコクピット部分のビグロが分離した事で間一髪生還。急造品ゆえの強度不足に助けられるとは。モニクのヅダに救助されたマイは、一足先に退却を始めたヨーツンヘイムの下へと帰還するのだった。

ちなみにビグ・ラングは確認できる分だけでもサラミス級5隻、マゼラン級1隻、ボール6機、ジム2機を撃沈破するという、状況が違うとはいえ、シャアも真っ青な大戦果を叩き出した。「ガンダムチャンネル」の解説動画においても「期待以上の大きな戦果を挙げた」と言われるほど。

武装

余談

その他作品での活躍

機動戦士ガンダム0083 REBELLION

漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』では、下部ユニット部分が巨大モビルアーマー・ラングとして再登場。一年戦争後にアクシズへと渡ったオリヴァー・マイがデラーズフリート支援のため持ってきたもの。

ありったけの推進器を追加し、装甲表面にビーム撹乱幕を塗りたくったラング、その中には観艦式襲撃を行うサイサリスを内包しており、大出力を以ってサイサリスをソロモンへ送り込む大任を担った。相変わらず重装甲は健在で、進路上にあったサラミス級を体当たりで粉砕している。しかし連邦側はビグ・ザムの残骸を改修してラングの迎撃に投入。二大モビルアーマーの戦闘は凄まじく、余波で戦艦1隻が沈没したほど。ラングの動きが鈍ったところに集中砲火を受けて勇戦むなしく撃破されてしまうのだが…。

中身のサイサリスは無事であり、ラングから飛び出してそのまま核弾頭を発射。グリーン・ワイアットに「たった1機に・・・これほどの被害を受けた事など人類戦史にあっただろうか!?」と言わしめた。

ゲーム作品では

規格外の大きさゆえか、『ギレンの野望』シリーズではモビルアーマーではなく艦船扱い。ただ開発プランには支援型モビルアーマーの開発と書いているため齟齬が生じている。本作ではオッゴに限らず味方機への補給・回復が出来るようになっており、性能的には艦船が正しいと言える。何故か散布と拠点の制圧は出来ない。

艦船扱いだからか格闘攻撃が一切不可。アームクローはどこぞの脚と同じく飾りですか?偶然わしづかみにされた挙句、味方を道連れにしてしまった哀れなボールの為にも、是非クロー攻撃を採用してもらいたいものである

『Gジェネレーション』シリーズでは魂より参戦。ビーム撹乱幕により無類の対ビーム防御を誇る。しかし、次回作からはクリティカルで撹乱膜を貫通されるようになったため防御力が低下した。

逆にPSPのアクションゲームの『ガンダムアサルトサヴァイヴ』の近接戦においてはクローどころか作中ダントツの巨体そのものを惜しげもなく利用して戦う。下部コンテナをフルスイングして敵に叩き付ける、ダウンした相手をスカート前部の大型スラスターで踏みにじるなどまるで自重しないビグ・ラングの雄姿を堪能することができる

ソーシャルゲーム『スーパーガンダムロワイヤル』では最高レアの高待遇を受けている。当然他のIGLOO機体よりもレア度が高い。性能も高く、スキル「最終局面での心強い援軍」は全体攻撃+確率でスタン効果という狂性能。本編での無双っぷりを表現した強力な機体に仕上がっている。

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