ビワハイジとは (ビワハイジとは) [単語記事]

ビワハイジ(Biwa Heidi)とは、日本の元競走馬・元繁殖牝馬である。

概要

1993年生まれ。父 Caerleon、母アグサン、母父Lord Geyleという血統の持込馬である。父は仏ダービー馬で、種牡馬としても2度のリーディングサイアーとなるなど成功を収めた。母はイギリスで4戦未勝利だったが、ドイツの伝説的繁殖牝馬Sulei kaの末裔。近親にはマンハッタンカフェがいる。ちなみにこの世代からは、持込馬からビワハイジの他にダービー馬フサイチコンコルドと桜花賞2着のイブキパーシヴ、外国産馬からダイワカーリアン、クロカミと、Caerleon 産駒のJRA 重賞馬が5頭も出ていた。日本に来たことがない種牡馬の産駒が1年でこうも大挙して活躍するとは、なかなか珍しいんではなかろうか。

95年6月、この年最初の新馬戦を圧倒的人気に応えて勝利すると、続く札幌3歳Sも勝利。一休みして臨んだ阪神3歳牝馬ステークスではエアグルーヴらを尻目に逃げ切り勝ちを収め、無傷でGI制覇を果たす。ちなみにこの阪神3歳牝馬Sには、ビワハイジとエアグルーヴの他ロゼカラー(ローズバド、ローゼンクロイツの母)、シーズグレイス(シャドウスケイプの母)、ゴールデンカラーズ(チアフルスマイルの母)と後の重賞馬の母が5頭も出走していた。

当然クラシックの有力候補と目されたビワハイジ(エアグルーヴが絶対とも言われていたけど)。しかし翌年チューリップ賞でエアグルーヴを前に初の敗戦を喫すると、桜花賞では体調を崩し15着に惨敗。オーナーの強い意向もありダービーに挑むが、レース中に骨折し10着。長期休養に入る。翌年10月に復帰し3戦するがいずれも惨敗。骨折の影響か、どうも急加速を嫌がるようになっていたらしい。年明けの京都牝馬特別で同期の桜花賞馬ファイトガリバーらを相手に逃げ切り久々の勝利を飾るが再び脚部不安を発症。引退し繁殖入りした。

競走馬としては不完全燃焼に終わったが、繁殖入りするとその能力が覚醒。3頭目のアドマイヤジャパンが京成杯を勝ち産駒重賞初勝利を挙げると、6頭目の牝馬ブエナビスタが阪神ジュベナイルフィリーズを制し同一GI 親子制覇という形で産駒 GI初制覇。ブエナビスタはGI6勝2着7回を挙げる大活躍を見せた。その後もジョワドヴィーヴルが阪神JFを勝つなど産駒が活躍しているが、高齢もあり、2015年に生まれた牝馬(父オルフェーヴル)を最後に繁殖から引退した。

重賞を勝った産駒はアドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ、ブエナビスタ、トーセンレーヴ、ジョワドヴィーヴル、サングレアルの6頭。これは日本史上最多の記録である。また、出産した12頭の産駒の内10頭が勝ち上がるなど安定感も抜群^[1]。同期のエアグルーヴと並び、21世紀初頭を代表する名牝と呼ぶにふさわしい実績を残している。

繁殖引退後は、ノーザンホースパークイヤリングでリードホースを務めた。晩年には、ソダシ、メイケイエール、アカイトリノムスメら2021年クラシック世代の名馬を育て上げ、2022年 2月25日に彼女たちの活躍を見届けたかのように老衰のため29歳で世を去った。

クロス：Princequillo 4×5(9.38％)、Turn-to 5×4(9.38％)

*ちなみに勝てなかった2頭は共にアグネスタキオン産駒で、1頭はデビュー前に粉砕骨折で安楽死、もう1頭は慢性的な脚部不安に加え剥離骨折&屈腱炎で1戦しかできず。ついでにタキオン産駒で唯一勝ち上がったアドマイヤオーラも現役時代は度重なる骨折に苦しんだ上、種牡馬入り後肩甲骨粉砕骨折でわずか11歳で予後不良となっている。