ピアノ協奏曲第1番”蠍火”とは (ピアノキョウソウキョクダイイチバンサソリビとは) [単語記事]

ピアノ協奏曲第１番”蠍火”（以下「蠍火」）とは、コナミの音楽ゲーム「beatmaniaIIDX」シリーズ、「pop'n music」シリーズに収録されている曲である。タグは主に「蠍火」。→タグ検索

概要・難易度

難易度		beatmania IIDX
ジャンル	DIRGE
アーティスト	virkato(IIDX、ポップン、チュウニ、SDVX) Virkato Wakhmaninov(ノスタルジア)
キャラクター	サイレントルーム
BPM	165-188
		BEGINNER	NORMAL	HYPER	ANOTHER
	SP	-	5	11	12
	DP	-	5	10	12
		pop'n music
		EASY	NORMAL	HYPER	EX
		14(9ボタン)	30	44	50
		ノスタルジア
		Normal	Hard	Expert
		6	9	12
		CHUNITHM
		BASIC	ADVANCED	EXPERT	MASTER
		4	9	14	15
		SOUND VOLTEX
		NOVI CE	ADVANCED	EXHAU ST	MAXIMUM
		7	14	17	19
ジャケット(SDVX)		Original Movie : VJ-GYO & F-FLY
エフェクター(SDVX)		赫			-

2004年 10月27日に稼働した「beatmaniaIIDX 11 IIDX RED」以降のbeatmaniaIIDX シリーズに収録されている曲である。作曲はVirkato Wakhmaninovことwac。後にpop'n music、ノスタルジア、CHUNITHM、SOUND VOLTEXに移植された。

wac 曰く、「蠍火」という題の元ネタは宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」の一節「蠍の火」だとのこと。

この楽曲には以下の5verが存在するが、これにおいては後述する。

大きな鍵盤と円盤のための(IIDX版)
- NORMAL版
- HYPER&ANOTHER版
- 丸いカラフル9ボタンのための(pop'n版)
- 4オクターブのピアノのための(ノスタルジア版)
- グラウンドスライダーとエアストリングスのための(CHUNITHM版)
- 疾走するレーンとエフェクトスライダーのための(SOUND VOLTEX版)
Long ver.
象牙と羊腸と肉声のための変奏曲
wac 1st Album「音楽」版

経歴

IIDX RED稼働当時はシリーズ最高の難易度を誇るONE MORE EXTRA STAGE専用曲、いわゆる「ラスボス曲」として登場。数多くのプレイヤーを苦しめた。それ以降、段位認定の最上位(HAPPY SKYは十段、DistorteD以降は皆伝)に君臨するようになる。

だが、SPではEMPRESSにて十段に降格され、そしてSIRIUSでは十段すらリストラされてしまい、長い間SP段位認定に居座ってきたSPAがとうとうSP段位認定から姿を消してしまった。が、SINOBUZにて中伝1曲目に就任し、復活を果たした。

一方GOLDからDP 皆伝を担当しているDP ANOTHER(GOLD 2nd、以降1st)は、quasarと共にDP 皆伝のカリスマ足切りとして現在も君臨し続けており、DP 十段取得者(特に十段取り立て)に圧倒的な絶望を与えている。(ちなみにDPAはスクラッチが右側に二つしか流れない超鍵盤特化型譜面となっている)

IIDXの世界観を完全に無視したジャンルでありながら、その圧倒的な存在感に惹かれるファンは多い。
音ゲーをやらない人にもそれなりに人気のようである。

尚、SP段位認定でのごたごたは主に段位ゲージの仕様が譜面の緩急が激しい蠍火の譜面と相性が合わないだけ(緩い部分で３０％補正付近まで回復できるため)とされており、実際に十段曲レベルの難易度なのかはまた別の話である。

他機種移植

2012年 2月15日、作曲者であるwacの1st Album「音楽」が発売されたことを記念しての楽曲解禁イベントが開催され、数多くの予想を(いい意味でも悪い意味でも)裏切り、この楽曲が隠し曲としてとうとうpop'n musicにも登場した。

EX 譜面の難易度はまさかの最高レベルであるLv43。終盤の「鮭の産卵」とも評される発狂地帯はIIDXの左右14ボタンあるDPA譜面を9ボタンしかないポップンに無理やり詰め込んだ物となっており、さらに総ノート数は本家であるIIDXのSPAよりも101 ノーツ多い1515ノーツ。恒例のエグい縦連ラス殺しもしっかり再現という念の入れよう。
ギリギリで辛ゲージを免れる形だが、トイコンテンポラリー EX(Lv43)より難しいというプレイヤーも多い。かつてのボス曲は移植されてなおボス級の圧倒的な破壊力でプレイヤーの前に立ちはだかったのである。
しかしイベント開始初日にクリアしてしまう猛者も現れている。どういうことなの・・・

なお、この楽曲はNET対戦にて指定されたwacの楽曲をプレイすることで溜まるゲージを満タンにすることで解禁される。余談だが、ポップンの第一人者であるTATSUはツイッターで「こんだけwacさんの曲で対戦カテゴリー賑わってるのになぜかサイレントには人がこない」とこぼしていた。そりゃそうだろ。これに対し制作側のwac、ポップンチーム共に「ふしぎだねー」「そうだね、なんでかなー？」としらばっくれていた。　

「1週間程度でフルコンされるだろう」と言われていたが、実際に9日でフルコン者が出現。
いったい何食ったらそんなん出来るようになるんですか……。

Sunny Parkでのレベル改定ではEXが最高レベルの50となった。同じLv50の楽曲「トイコンテンポラリー」「サイレント」「ムラクモ」と合わせ、「トイサイダー村」と呼ばれているとか。

それからおよそ5年。wacが手掛けるノスタルジアでは楽曲交換キャンペーンにてIIDX 枠で収録される事となった。Expert 譜面はいきなり現れたLv12の3曲の一つ。変速が多い上に階段運指も多発するため、Op.3現在でもクラシック楽曲のReal 譜面に引けを取らない最上位楽曲としてのポジションを確立している。

ノスタルジア移植から数年後、コナミ以外のゲーム会社であるセガが手掛ける音楽ゲーム「CHUNITHM」が新筐体にステージへと移し「CHUNITHM NEW」へと心機一転した際に追加された楽曲の一つとして移植された。まさかの他社ゲー移植という点はさることながら、初出時のレベルが15と最上位に位置付けられていて、リニューアル早々プレイヤーの話題になったのは言うまでもない。

さらに、チュウニ移植からわずか数か月後にはIIDXとの連動イベント「X-RELORD」を経由してSOUND VOLTEX EX CEED GEARにも移植された。
これまで収録された機種における本曲の譜面はいずれも強烈な個性を放っていたのだが、ボルテ版も例外ではない。というのも、多くの譜面でアナログ・ロングエフェクトが非常に少なく、EXHはシンバル音に合わせた申し訳程度にしか存在しない。しかも、19レベルのMXIM譜面に至っては、譜面全体でアナログ・ロングエフェクト及びIII以降の作品で登場していた視点変更が一切存在しない。超が付くほどの銀盤偏重譜面になっていて、エフェクター表記も不在を示す「-」という有様。というか、そういうゲームじゃねえからこれ！

関連動画

演奏してみた

音ゲー曲の中では、演奏してみた動画が非常に多い。

バージョン

前述の通り、蠍火には5つのバージョンが存在する。

IIDX・ポップンでは難易度の関係でNORMAL 譜面とHYPER or ANOTHER/EX 譜面でバージョンが異なっている。
そして蠍火のための蠍火といえる、wac自らアレンジした「ピアノ協奏曲第1番"蠍火" (Long ver)」と、
Osamu Kubota 編曲の「もうひとつの蠍火～象牙と羊腸と肉声のための変奏曲～」が存在。
さらにそれに加え、wacの1st Album「音楽」に収録されている再ロング化・生オーケストラverが存在する。

ピアノ協奏曲第1番”蠍火”(BlackY Remix)

ジャンル	PDM
アーティスト	Remixed by BlackY
BPM	160
難易度		BEGINNER	NORMAL	HYPER	ANOTHER	LEGG ENDALIA
	SP	-	5	9	12	-
	DP	-	6	10	12	-

IIDXの稼働20周年を記念して制作されたベストアルバム「beatmania IIDX 20th Anniversary Tribute BEST」のボーナストラックにて登場したバージョン。後にLIGHTNING MODELの先行収録という形なのだが、アーケード版IIDXにも27 HEROIC VERSEにてプレイアブル収録された。

原曲は概要にもある通り、おおよそIIDXの未来的な世界観を無視した様な雰囲気のクラシック系ピアノ曲であったのだが、FLOOR等で活躍中のBlackY氏がアレンジを施した本曲はピアノ演奏にトランスやテクノといったダンスミュージック成分が融合した様な内容になっていて、原曲から打って変わって「THE IIDX」というべき、未来的な楽曲へと変貌を遂げている。