ファイアーエムブレム トラキア776 単語

ファイアーエムブレムトラキアナナナナロク

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ファイアーエムブレム トラキア776
ジャンル シミュレーションRPG
開発 インテリジェントシステムズ
販売元 任天堂
機種 スーパーファミコン
Wii
WiiU
Newニンテンドー3DS
発売日
配信日
NP:1999年9月1日
ROM:2000年1月21日
Wii:2008年7月15日
WiiU:2013年7月10日
N3DS:2016年11月28日
価格 WiiU/N3DS:943円
その他 CERO:B
(12歳以上対)
ゲームソフトテンプレート

ファイアーエムブレム トラキア776とは、任天堂から発売されているシミュレーションRPGファイアーエムブレムシリーズの5作である。
よく使われる略称は『トラキア』もしくは『トラナナ』。

販売形態

ニンテンドウパワー専用ソフトとしてラインナップされ、ローソンのロッピーで購入するしい形態を取っていた(2002年サービス終了)。
ニンテンドウパワー版(含むプリライト版)はバグが存在し、後に修正されたROM版が少数販売されている。
現在ROM版は生産数の少なさからプレミアがつき、中古価格が高騰していた『蒼炎の軌跡』が落ち着きを見せた現在ではシリーズで最も値段のソフトとなっている。
遊ぶだけならバグ修正済みのROM版がバーチャルコンソールで配信されているので安心。WiiU版・New3DS版共に943円(税込)で購入できる。

シナリオや設定

前作『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』のスピンオフ作品。
戦』と世界観・時間軸を共有するが、本編とは異なるパラレルワールド的な展開を見せる。

主人公は『戦』でも登場したレンスター王子リーフ。隣トラキアとの戦争に敗れ、陥落したレンスターから忠臣フィンとそのナンナと共に脱出したリーフは、逃亡生活の果てにフィアナにたどり着く。それから数年が経ったグラン776年、物語は始まる。

前作『戦』では、戦士の血族たちが織りなす因縁と悲劇が物語題に据えられたが、主人公リーフレンスターの直系でありながら、戦士ノヴァ器「ゲイボルグ」の継承者ではなく、『戦士の系譜』からは少し外れた立場にいる。いわば「持たざるもの」である少年が、レンスター・ひいては北トラキア解放のため、多くの仲間に支えられながら戦いを挑む王道ストーリーがこの『トラナナ』では描かれる。

「持たざるもの」であっても、自らが望み、戦い続けられるなら、英雄にだってなれる。
血の要素が濃い前作とは趣が異なるメッセージも込められており、ユグドラ大陸におけるFEを補する意味でも聖戦の系譜と本作はコインの裏表のような関係…とも言える。

システム

マップ広大攻略状況に応じてストーリーが進行した前作と異なり、『紋章の謎』など多くのシリーズ作品のようなキャンペーン形式となっている。恋愛システムくなっている。

後のシリーズ作品にも受け継がれた要素も多い。

体格・「かつぐ」の導入

本作からステータス体格の要素が加わり、武器の重さによる攻撃速度の減少を軽減できるようになったり(魔法は軽減不可)、自分より体格の低いユニットを「かつぐ」ことができるようになった。

このパラメータ導入により、今まで重い遅い当たらない避けられない…と割を食ってきた使いがついに日のを見ることに。使いはほとんどが野郎共のため体格に恵まれの重さによる攻撃速度の減少をあまり気にせず強な一撃を繰り出せるようになった。オーシンのような伸び盛りの使いも登場し、後述する「捕獲」システムとの兼ね合いからも、体格に恵まれ使いがグッと変更である。

また、『かつぐ』要素の導入により、騎ユニットも戦術上重要な役割を果たせるようになった。特に飛行系ユニットなどを越えて歩兵ユニットを輸送したり、突出してしまったユニットをかついで退避させる…と言った戦術も可になった。

「体格」パラメータはユニットの個性付けにも役立ち、女性ユニットショタ華奢少年は概して体格が低く、伸びづらくなっている。武器を扱うには不利な個性付けとも言えるが、「かつがれて」退避するぶんには体格が低い方がいい…と言うメリットもあり、それもまた味か(一応体格の成長確率を伸ばすアイテムもありますし)。
武器重量に関しては後の蒼炎の軌跡において採用された相殺システムまで解消されなかった。

盗む・捕獲システム

そして「トラナナ」を「トラナナ」たらしめる最大の新要素が、『捕獲』システム
自分より低い体格の敵に対して「捕らえる」を選択して攻撃し、HPを0に出来れば敵を殺さず「捕獲」できる。捕獲した敵からは持っている装備を奪えるので、重な武器も捕獲出来れば奪い放題。
ただし捕獲する際に値の大半が一時的に半減するため、ラクに捕獲できる訳ではない。
欲を出して捕獲を推し進めるのは難易度を上げる原因にもなる。

また、「盗む」スキルを所持するユニットは、自分以下の素さの相手に対し自らの体格よりも低いアイテムを盗むことができる。体格・素さを鍛え上げたシーフはローリスクで敵の武器を奪って簡単に化させられるため、バランスブレイク一重システムではあるものの、前述の「捕獲」と合わせて非常に刺的な新要素である。
ちなみに、その際に相手にアイテムを渡すことも可シーフ職のユニットはこれを繰り返すことにより経験値を稼ぐことも可エリートスキルがあるとさらにラク。

獲得イベントが乏しい本作において、代表的な策はアイテムの売却になる。
そのアイテム集めの基本が「捕獲」「盗む」の両システムとなるため、リーフ軍はしばしば『リーフ盗賊団』『リーフ強盗団』『レンスター盗賊団』とプレイヤーネタにされる。

ちなみに、敵を仲間にする際の条件にも捕獲が絡むこともあるので注意すべし。

追撃必殺補正

ユニットごとに追撃した際の必殺率に0倍~5倍の倍率が設定されており、それが高ければ高いほど追撃時の必殺が出やすくなる。なんと隠しパラメータであり、計算式を解析した攻略サイトなどを見なければ確認できない。隠しパラメータな上に、プレイヤーにはどうすることもできない係数でもあり、「ユニットの贔屓」と絡んで是非の分かれる要素である。
このシステムが関係しているかは不明だが、一撃の必殺率は最大でも25%までとなっている(表示上はそれ以上にもなる)。

ちなみに0倍と設定されたキャラは追撃で必殺を出すことはできない。これって差別じゃ…と思いたくなるが、ユニットとして運用する場合は「やっつけ負け」の可性を減らせるので、物は考えようでもある。

再行動

一部のユニットは、行動終了時に♪のマークが出現し、再行動が可になる。
各々のユニットに再行動確率の形で示されている(一つあたり5%確率で発生、最大25%)。
ランダム要素なので味方が再行動するとラッキーだが、敵に発動されると全ての計画が狂うことも多々。

高評価をプレイや一部の縛りプレイなどでは、これを前提とした戦略が組まれている場合もある。

指揮

前作の聖戦の系譜にもあったが今回は若干異なっている。(一つで+3%の回避・命中補正を得る)

  1. 同じ部隊に所属していれば何処にいようが恩恵を受けられる
  2. 同じ部隊を持つものが二人以上いた場合その合計の揮値が加算される

と、隣接する必要があった前作にべて便利に思えるが、仲間ユニット揮値を持つキャラは個人性がちょっと微妙な事が多く、個人技を取るか揮値も加味して編成するかでちょっと悩ましい。

これを最大限に活用した敵が出てくるマップもあり、揮補正の猛威はむしろ敵に回すと実感させられる。

疲労

味方キャラ戦闘を使うなどの行動を取る度に疲労が蓄積してくる。
これが最大HPより上になると次のマップでは出撃ができなくなる、妙にリアルな新要素である。
出撃を1章止めれば0に戻るし、『Sドリンク』なるアイテムを使用すると疲労が0になる。
また、出撃できないほど疲労が溜まっていても、出撃準備の際に持たせれば同様の効果を得られる。

特にHPが低いユニットを重用する場合は注意が必要である。

ディレクター加賀昭三く、「多くのキャラを使ってもらいたかった」故の新要素…と言う話らしいが、疲労度をうまく管理していないと…ある章にこのキャラがいないとイベントが発生しない!なのに疲労が溜まって出撃できない!と言う悲劇が非常に起きやすい。攻略情報を頭に入れたプレイヤーならいざ知らず、そうでないプレイヤーにはまさしく「初見殺し」である。

好きなキャラに絞って成長させていると疲労が溜まってレギュラー全員休息→高難度マップ2軍のみで戦う羽になって詰み、なんて事態も起きやすく、攻略情報っていない当時は熟練のエムブレマーすら苦しめた。
と言うわけで、Mが多いと思われるエムブレマーにも若干不評。

なお主人公リーフに疲労度は存在せず、全マップで出撃可24時間戦える王子ある意味トラキア776最強キャラリーフかも。

外伝マップ

特定の章では決められた条件を満たすことで外伝章に進める。外伝仲間になる強キャラや、外伝限定で入手可アイテムも存在し、外伝に進まないだけで後のマップ難易度が左右されることもある。一方で外伝に進むための条件にはシビアなものもあり、外伝自体の難易度もまた高めである。

章クリア条件の多様化

従来のファイアーエムブレムは章をクリアすること=敵拠点の制圧であったが(外伝は敵の全滅である)、拠点の制圧以外に以下のクリア条件を持つ面が導入された。

索敵マップ

自軍のキャラから数マス分を除き地形および敵配置が見えないマップ。(ただし離脱地点のみは見える。)見えないところからの遠距離攻撃やスタート前のキャラ選択時に敵の種類がわからない、制圧すべき敵拠点がどこにあるかわからないなど通常マップより初見殺し仕様となっている。
次作以降にも引き継がれるが地形は分かるように仕様変更されている。

難易度

前作が毎ターンセーブという若干緩めの調整もあってか、今作は…

など、いやらしい(褒め言葉)バランス調整が施された。「手ごわいシミュレーション」で名高いFEシリーズ中でも特に、「手ごわすぎるFEと評されていた時期もあった。しかし時間が経つにつれ攻略法も整備され、などの便利なアイテムを「捕獲」や「盗む」で奪い取れば意外と楽にクリアできたり、疲労度に応じた出撃メンバーのやりくりも慣れれば何とかなる。後発の作品の難易度が「ステータススキルの充実度」で大部分決まるような調整になっていることもあり、システムを理解すれば「搦め手」が使える『トラナナ』の難易度は意外と高くない、かもしれない。

シリーズ未経験のプレイヤーには少々とっつきにくいかもしれないが、「トラナナ」ならではのシステム難易度深くやりごたえも十分と言えるだろう。

ただし、最高のクリアランクであるSSSを狙うのであればSFCリセットボタンが壊れるのを覚悟すべし。(まあソフトリセットがあるのだが)

キャラクター

太字は個別記事あり

味方キャラクター
敵キャラクター

小説版

1999年から2000年にかけてファミ通文庫から発売。全3巻。著者は篠崎美。

ゲームには付き物のノベライズ作品ではあるが、注すべきは2巻。リーフセリス軍と合流後のストーリー、つまり『聖戦の系譜』におけるトラキア戦以後の展開が描かれている。

これが、『聖戦の系譜』内ではほぼリーフナンナフィンデルムッドセティ以外は出番がなかった(まあ、トラキア776がいわば後付の外伝なので当然ではあるが)のに対し、「トラキア776」の全キャラクターがその中でいかなる関わりを持っていったかが駆け足ながら明確に描写されているのである。例えばアマルダ・オルエンフレッドフリージの者たちはアーサーを新たな君と仰ぐようになって彼のもとで戦ったり、フィーのところにはカリンミーシャが加わって曲がりなりにもシレジア天馬騎士団が復活したり、アルテナにはエダが付き従って隊長として最終決戦まで参加したり…という具合である。

さらに、『聖戦の系譜』のいわゆる「代替キャラクター」たちにも出番があり、それぞれの立場で物語に関わっている。

言うなれば『聖戦の系譜』と『トラキア776』の見事なクロスオーバー作品となっており、公式が出したノベライズとは言えあくまでアナザーストーリーではあるが、もうこれが公式でいいよ…な状態なのである。

2021年現在では中古本を手に入れる他なく、入手がしにくいのが残念である。

関連動画

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ハックロム系

関連コミュニティ

関連項目

ファイアーエムブレムシリーズ
暗黒竜 - 外伝 - 紋章 - 聖戦 - トラキア - 封印 - 烈火 - 聖魔 - 蒼炎 - -
新・暗黒竜 - 新・紋章 - 覚醒 - if - Echoes - 風花雪月 - エンゲージ
♯FE - ヒーローズ - 無双 - 風花雪月無双
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