『ファイアーエムブレム』(Fire Emblem)とは、任天堂が発売するシミュレーションRPGシリーズである。
略称は『FE』。開発はインテリジェントシステムズで、同社の代表作の一つ。
シリーズの一部作品では「炎の紋章」「メダリオン」といった重要アイテムのことを意味する場合もある。
「ファイヤーエンブレム」等と誤植されやすいが、正しくは「ファイアーエムブレム」である。ただし口頭の発音は公式関係でも「ファイヤーエンブレム」とされることが圧倒的に多い(FEHの起動時など。文面通りだと呼びにくいせいか)。なお、誤植パターンも商標登録済み(呼称名として登録)。
日本におけるシミュレーションRPG(SRPG)というジャンルを確立したシリーズ。ファミコンウォーズを元に発展させた作品で、第一作以降西洋ファンタジーな世界を舞台に、ほとんどの作品で国家間の戦争を描いている。
大きな特徴は、従来のシミュレーションゲームでただのコマだった「ユニット」の扱い。FEでは仲間全てに個別のグラフィック・成長率が設定され、一度死んだキャラクターは原則二度と復活しない。これにより、キャラ一人一人への愛着が増すほか、死なないよう慎重に運用することも攻略上重要な要素となっている。
一部作品では、無限にレベルを上げられるフリーマップや闘技場というシステムもあり、キャラ育成が楽しいゲームでもある(これらのコンテンツでも当然、倒されれば通常通り死亡する)。死ぬか生きるかのギリギリのせめぎあいがまた醍醐味にもなっている。
一方で、近年の作品は幅広いプレイヤーのニーズに合わせ、新・紋章の謎以降の倒されても撤退するだけで次章で復帰できるモードの搭載、ifでの(杖以外の)武器耐久度制の廃止など、「FEのお約束」に縛られない作品作りがみられる。
UIや操作性はシリーズを追うごとに順当に進化しつづけ、ストレスなく操作できるようになっている。
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』でマルスとロイの参戦が決まった2001年当時、FEシリーズは海外で発売されていなかったにもかかわらず、外国人の絶大な支持を受けたという逸話がある。その影響か、2003年の烈火以降は海外でもシリーズ展開するようになった。
2018年12月4日には公式サイト「ファイアーエムブレムワールド」がリニューアルオープン。シリーズの歴史、各作品のオープニングムービー閲覧やキャラクターの紹介、グッズ情報といった様々なコンテンツが続々追加されている。
2020年4月20日にはシリーズ30周年を迎える。スマホアプリでは、本家FEHが歴代作品のプレゼントマップ配信、★5英雄やガーネフを仲間にできるなどのキャンペーンを開催。
また任天堂とサイゲームスが運営するドラガリアロストでは、前年同時期に実施されたFEHコラボイベント第1弾「ファイアーエムブレム つながる世界」が復刻され、前年に登場したアルフォンス、マルス、フィヨルム、ヴェロニカに加え、月末の第2弾「ファイアーエムブレム 新たなる扉」(新規)では新たにシャロン、ピアニー、クロム、チキが仲間として追加された。
機種欄の()内はバーチャルコンソール(VC)版。取り消し線は配信終了したもの。【】内はSwitch online。
New3DS系(New2DSLL含む)専用ソフトは、頭にNewと付かない3DS・2DS本体には非対応。
2023年現在、Wii以降の据置機(Wii・Wii U・Switch)とNew3DS系があれば配信専用作品を除く全作品を遊ぶことができる。
過去作は聖魔までと新・暗黒竜がVCで配信中。ただし、Wii版VCは2019年1月31日のWiiショッピングチャンネル終了により、WiiU及び3DS(new3DS)版VCは2023年3月28日のニンテンドーeショップ終了により新規購入できない(再ダウンロードの終了時期は未定だが、将来的にできなくなると告知されている)。
Nintendo Switch Onlineでは、加入者向けソフト「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」内で『暗黒竜』が、「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」内で『紋章の謎』『聖戦の系譜』がそれぞれ配信されている。
言わずと知れた、任天堂のオールスターアクションシリーズ。FEシリーズはスマブラDX以降、主役級キャラがファイターやアシストフィギュアとして出演している。前述通り、FEが海外展開するきっかけになったという意味でも重要なシリーズといえる。
ちなみにロイは封印の発売延期により、FEキャラなのにスマブラDXが初登場作となってしまった。出典作より先にスマブラへ出演したキャラは、スマブラSP時点の全ファイターでロイが唯一。
マルスやロイ、アシストフィギュアのリンなどは、スマブラで初めてゲーム用ボイスがついた。
現代を舞台にFEの要素が所々に加えられたRPG。キャラクターソングが豊富。FEからは主に暗黒竜・覚醒のキャラがミラージュ(侵略者または仲間となるキャラ)として出演。
Encoreは欧米版がベースのため、衣装の露出が減るなど微妙な違いがある。またWiiU版のDLCがすべて収録され、ダンジョンや衣装の追加、WiiU版でサブキャラクターだったバリィ・舞子・チキのセッション参加のほか、マップ読み込みやセッションの高速化などゲームの快適さが向上している。
コーエーテクモゲームスの「無双シリーズ」とのコラボ作品。販売はコーエーテクモゲームス、開発はコエテクのオメガフォースとTeam NINJA。FE本家作品に先駆け、Nintendo Switch初のFE作品となった。
出典キャラは基本的に新・暗黒竜、覚醒、ifの三作品に絞られている。内容は両ハードでほぼ同じ。
シリーズ1作目の『暗黒竜』は、発売当初の売り上げがイマイチであった(当時のスタッフは「出足が悪くて……」とコラムに愚痴をこぼしていた)。
しかし、『FE』の持つ王道かつ綿密な世界観は大きなお姉さまを中心に多くの淑女を虜にし、コミックマーケットならびにその他即売会などの口コミにより徐々に知名度が上がっていった結果、購入者がグンと増えたという逸話がある。
こうした背景を受けてか、3作目である『紋章』から今までの任天堂チックなキャラクターデザインから一転して、少女漫画を彷彿とさせるような耽美なデザインへと変化していった(例として、アベルの顔グラフィックは『暗黒竜』でげっ歯類を彷彿とさせるような「出っ歯」風の顔立ちが『紋章』で美男子に変わったため、よくネタにされている)。
それまでのSLGの定番である「ユニットの生産」が無い・「同一ユニットが存在しない」「(原則)失ったユニットは戻らない」は斬新な要素⇒「手ごわいシミュレーション」として認知され、タフなゲーマーを惹き付け各ゲーム雑誌のレビューを中心に高く評価された。
残すはビジュアル面のインパクトだとも言われていたため、同人人気だけに対応したわけではないが、結果として『紋章』の販売戦略は見事に大当たりし、ゲームバブル絶頂期ということもあって出荷数は70万本以上を突破。これにより本シリーズはSRPGというジャンルを確立させたのである(今でも『紋章』は人気作でniconicoへの投稿も多い)。
『FE』オンリーの即売会である「炎の聖戦」は特に歴史が古く、2019年現在も毎年行われている。
上記のような経緯から、本シリーズは同人をはじめ各種メディアとの関係が他の任天堂ソフトよりも密接で、任天堂のゲームでありながら任天堂らしからぬ作品と呼ばれることも少なくない。
『紋章』から『聖戦』の時期はアンソロジーコミック等のコミカライズを筆頭に、ドラマCDや小説、果てはOVA等、数多くのメディアミックスが活発に行われていた。ティアリングサーガ裁判により一時期縮小したものの、近年『覚醒』『if』のアンソロジーコミックが数冊刊行されたほか、歴代キャラが多数登場する『FEH』の配信により、再びメディアミックスの機運が高まりつつある。
『スマブラシリーズ』でマルスの声が緑川光なのは、OVAの配役だったため。ちなみに蒼炎以降のボイス付きキャラ(アイクなど)はスマブラでも国内版と海外版で声が別だが、マルスとロイに限っては海外版でもずっと日本語音声(緑川や福山潤)が使われ続けていて、スマブラSPになって初めて海外版に英語音声が実装された。
また、昔のメディアのキャストはシリーズ毎に一新されていたが、子安武人はナバールを過去3回も演じている(ドラマCD・ラジオドラマ・OVA)。子安は『覚醒』『if』『Echoes』などで様々なキャラを演じているが、ゲームのナバールを演じたのは2015年の『♯FE』が初。
FEHでは、過去のメディア作品で声を担当した声優が一部継続している(前述の緑川や子安、OVAでオグマ役だった小杉十郎太、暗黒竜のドラマCDやアカネイア戦記でカミュ役だった井上和彦)。
総じて特徴的かつキャッチーな外見や特技等によるキャラクター性が強い任天堂作品としては珍しく、キャラ<声優のイメージが強い作品である。
2001年から2005年まで、NTT出版からトレーディングカードゲームも出ていた。3×4マスのマップでユニットが戦うというもので、このカードゲームで使われていたイラストが公式サイトのキャラ紹介で使われていたりする。
その後、2015年には再びTCGの「ファイアーエムブレム0(サイファ)」が登場。こちらは2020年10月1日発売の第22弾ブースターパックで商品展開が終了しており、2022年3月末にはすべてのサポート対応が終了される。
高河ゆん・大島永遠(山波ゆうま)・上条明峰(伯明華)といった、現在ではプロの漫画家として活動している面々も、かつては『FE』の同人やアンソロを描いていた。創成期の『FE』同人作家の中にはその後ISに入社し、FEシリーズのスタッフに名を連ねている者もいるらしい。
後に『FE0』『FEH』がリリースされた際、当時描いていた作家が参加したキャラもある(著名な人物だとエニックス刊『暗黒竜と光の剣』を連載していた箱田真紀が『FE0』のイメージリーダーとしてマルスを筆頭に数点描き下ろしを提供している)。
後述するスラングは作中のセリフやアンソロジーコミックから生まれている物もあるが、昨今では総じて匿名掲示板の2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)にて生まれることが多い。
特に「家庭用シミュレーションRPG(仮)@2ch掲示板」は多くのスレッドがFE関連であり、今日もまた新たなFE用語が生まれている。貴方のその一言・些細な行動がFEの歴史に大いなる一歩を刻む事も少なくない。なお、5chを介して不定期ではあるものの、最萌トーナメントが開かれている。
近年では先述の5ch・niconico・Pixiv等に統合されてしまっているが、FE関連の個人サイトもインターネットの創成期から活発で、今ではFE情報サイトの大手であるかわき茶亭等もその時代から続く息の長いFEサイトの一つである。
動画や生放送などで一定の人気がある。プレイに何かしらの条件を課した制限プレイ・縛りプレイが多く、新作だけでなく過去作品も人気を博している。
プレイに時間がかかるゲームなので、n倍速等の編集がされていることも多い。
とりあえず触ってみたいなら、発売日の新しい作品が遊びやすくて無難。
基本的に新しい作品ほど操作や説明が親切になり、プレイの利便性(いわゆるUI)も向上する。中には異色作と呼ばれる『FE外伝(echoes)』や学校要素の多い『風花雪月』といった変わり種もあるが、ゲームのベース部分は大体共通するのでFEの流れを覚える意味でも新作のほうが安心確実。だが3dsのeショップ終了に伴いDLCが終了するため覚醒とif、ECHOESが不完全ゲームとなる、とくにifは第3のルートが選べなくなるため特に影響が大きい
チュートリアルが初実装された『封印の剣』が入門作としての最古ラインだろうか。それ以前だと自力でシステムを理解する必要がある。一部の人にぬるいと叩かれる『聖魔の光石』もチュートリアルの充実ぶりと相まり、初プレイにはむしろ適している。
「手ごわい」というフレーズは昔のCM(関連動画参照)が由来。
初期は難易度選択できない作品もあって敷居が高い印象を持たれていたが、リメイク版や最近の作品なら開始時に難易度が選べるため、気楽に遊びたい人にも手を出しやすくなっている(ちなみに大体の作品で最も簡単な難易度名は「ノーマル」で、「イージー」という名前はごく一部の作品にしか使われていない)。
もちろん慣れた人は高難易度を選べば手強いシミュレーションが楽しめる。
また概要の項にもある通り、近作はユニットが「死亡」せず「撤退」扱いで復帰できるモードが追加され、FEが初めての人・SRPGが苦手な人でも気軽にプレイできるようになった。
古い作品はハード制約や発展途上などの関係上、移動やテンポが遅い、計算が面倒、といった不便不満が多い。新作に標準搭載されている様々な便利システムも当然ないため、やるにしてもまず新作で慣れてからがおすすめ。
特に相対的に不親切な初期のファミコン作品、癖の強い『トラキア776』などは初プレイに不向き。もしやるなら「まるごとバックアップ」のあるバーチャルコンソール版が良いだろう。
リメイク作品は、好みや批判点こそあるものの原作よりプレイが格段に快適なのは間違いない。逆に時間や根性のある人、レトロゲーマーは初代から順にシリーズを追うのも乙なものである。
手軽さならば、スマートデバイス向けの『ヒーローズ』が最も敷居が低いが、スマホ向けに基幹システムがかなり異なること、手軽故にキャラクターの強化による戦力差が如実に出やすく他のプレイヤーとの対戦要素もあるなどするため、苦手な人は注意。
どの作品も単体で楽しめる。初期作から順に追う必要は全くない。
FEシリーズとはいうが、基本的に話がつながっているわけではない。関連のある作品をやればさらに楽しむことができる程度である。以下は詳しく知りたい人向け。
原則的に1作品につき1つの大陸を舞台とし、1~2作品ごとに大陸が変わる。同じ大陸を舞台とする作品同士ではストーリーの繋がりがあるが、他の大陸の話がゲーム中に出てくることは殆どなく、すべての大陸が同じ世界なのかも分からない。
例外として、『外伝』は『暗黒竜と光の剣』・『紋章の謎』二部の間の時間軸のストーリーであり、『暗黒竜』のキャラクターが何人か登場する。また、『聖戦の系譜』は『紋章の謎』の約千年前の話という設定である。このため、アカネイア-バレンシア-ユグドラル大陸に関しては、同じ世界に存在すると考えて良いようである。
また、『覚醒』のイーリス大陸/ヴァルム大陸は、アカネイア大陸/バレンシア大陸の遠い未来の姿であることが示唆されている。ただし国家関係や細かい地形は様変わりしており、物語としての繋がりは薄い。
大陸名 | 作品名 |
---|---|
アカネイア大陸 | 暗黒竜と光の剣(新・暗黒竜と光の剣) 紋章の謎(新・紋章の謎) アカネイア戦記 |
バレンシア大陸 | 外伝(Echoesもうひとりの英雄王) |
ユグドラル大陸 | 聖戦の系譜 トラキア776 |
エレブ大陸 | 封印の剣 烈火の剣 |
マギ・ヴァル大陸 | 聖魔の光石 |
テリウス大陸 | 蒼炎の軌跡 暁の女神 |
イーリス大陸 ヴァルム大陸 |
覚醒(上記のように時系列の関係上、地形や設備などはアカネイア/バレンシアと一部一致している) |
名称不明 | if |
フォドラ | 風花雪月(大陸なのかどうかは不明) |
エレオス大陸 | エンゲージ |
このシリーズの乱数や計算式は、作品によって表示されている数値と異なる結果が出る場合がある。
「ファミコン ロールプレイング シミュレーションの幕開け」と銘打って登場した第一作のCMとCMソング(FULL)。シリーズ全体のテーマとされている所謂『手強いシミュレーション』のキャッチコピーはこの歌による。なお、CMソングは「ファイアーエムブレムのテーマ」の編曲であり、その後もリメイクされつつシリーズのCMに起用されている。
人件費不足により2巻で製作中止になってしまったOVAと、2010年時点のシリーズの歴史。
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掲示板
8739 ななしのよっしん
2025/02/26(水) 12:35:46 ID: hOd3kgffQQ
2015年12月26日→2020年1月17日だから4年とちょっと
だが2017年3月3日のSwitch発売直前に出されてた不遇枠+欧米版は2016年6月24日のSwitch発売目前に出されたからこその追加要素込みの移植だろうな
かくいう自分もSwitchのために金確保してたから買えてなかったし助かった
でも欧米版ベースだから衣装改変とかされてたしオリジナル版もいつか購入したいとは思った
8740 ななしのよっしん
2025/02/28(金) 07:25:32 ID: Y5/NVZAg5M
>>8731
PS4・3DS→スイッチのDQ11sは普通に完全版として扱われていたような
まあ後にPS4でも完全版出たけど
8741 ななしのよっしん
2025/02/28(金) 08:54:18 ID: yfur3MV0kR
正直PSで任天堂のタイトルが出ることはないんだからどうでもいいぜ・・・
完全版の定義について話したいなら完全版の掲示板で語るべきではなかろうか
提供: fake idols
提供: msn042
提供: 樹葉 緑
提供: オペレーター「山城」
提供: a
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/28(金) 14:00
最終更新:2025/02/28(金) 13:00
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