ファプタとは、つくしあきひと原作の漫画及びアニメ作品『メイドインアビス』に登場するキャラクターである。アニメ版CV:久野美咲。
概要
深界六層「還らずの都」で遭遇した、大型の干渉器と行動を共にする異形の少女。
褐色の肌と4本の腕、変幻自在の尾、上半身以外を覆う真っ白な体毛を持ち、所々に突き出たルビーを思わせる爪と角がどことなく高貴な印象を与えている。成れ果て達の村「イルぶる」の住民からは「価値の化身」「成れ果ての姫」などと呼ばれており、一般的な成れ果てとは明らかに異なるその容姿からも、どうやら村にとっては相当に特別な存在であるようだ。
「どこにでもいけて決して滅びることがない」という言葉通り、まるで流体のごとく形を変える身体に加え、アビスの上昇負荷を全く受け付けない謎めいた存在。少しだけぎこちないしゃべり方と、話の区切りに「~そす」とつけるのが特徴的な独特の言葉遣いをする。
どうやら記憶を失う前のレグと親密な関係にあったようで、かつて大事な約束を交わしたようだが…?
正体
その正体は、イルぶると化したイルミューイが産んだ最後の子供。
願いを叶える卵こと遺物「欲望の揺籃」。ヴエロエルコから受け取った1つ目、ワズキャンが与えた2つ目、ワズキャンから抜け落ちた3つ目。それら全てを使い村の「外」に産み落とされた末の妹である。
彼女はそれまで殺されてきた、又は生まれることすらできなかった兄弟姉妹達、何より今に至るまでその命を冒涜されてきたイルミューイの怒りや憎悪を強く受け継いでおり、母たちの復讐と解放のためその手段を探していた。生まれた子が母の胎に戻ることができないように、ファプタも村に入ることができなかったのだ。
そんな折にかつてのレグと出会い、奈落の法則を書き換える「火葬砲」に希望を見出す。が、その時点ではレグ側の事情もあり使用することができず、そのためレグが目的を果たし六層に帰還した際に改めて協力するということを約束し、涙ながらに旅を見送ったのだった。
お前たちを許さぬ
兄弟を… ファプタを… 旨そうに睨め回した お前たちの目を許さぬ
お前たちの口を 母と同じ言葉を使い祈りを吐く その口を許さぬ
お前たちの姿を許さぬ わが身可愛さに母を冒涜し続けた お前たちのその存え続けた命を許さぬ
お前たちの意思を許さぬ 喜びも 悲しみも 営みも 断じて継がせはしない
塵芥の一つに至るまで お前たちの存在を決して許さぬ
すべて 忘れぬために生まれた この日を この時を どれほど待ちわびたか
覚悟する間も許さぬ 根絶やしにしてくれる
そしてレグは帰還し、約束は果たされた。
遂にイルぶること母イルミューイの元に戻ったファプタは、その使命が突き動かすままに村人たちを虐殺し、喰らってゆく。抵抗する村人たちを歯牙にもかけず、止めに入ったレグをすら一蹴し、悲願はもう目の前かと思われたとき、ベラフによる捨て身の「謁見」によって彼女の中の価値に大きな変化が生じる。戸惑い混乱するファプタ。その背後からは村の崩壊に気付いた原生生物の群れが迫り来ていた。
ファプタに代わり村人たちを捕食していく原生生物たち。その手で村人たちを殺しつくし、村を滅亡させることが存在理由であった彼女にとってその状況は耐え難いものであり、標的を原生生物として攻撃を行うも多勢に無勢。家族も同然だった干渉器ガブールンを破壊された上にファプタ自身もまた食われ、不滅でありながら全く身体を動かせないまでに追い込まれてしまう。
ただ存在するだけの不滅に価値などない、そう絶望し目を閉じたファプタであったが、そこに憎悪の対象であったはずの村人たちから文字通りの献身を受け復活。「母の中に残された価値の使い方を覚えた」ファプタはリュウサザイをすら圧倒し、レグの協力もあって原生生物の多くを無力化することに成功した。そして村に残った価値、ムーギィやメポポホンといった最後の住人達を喰らい、その力を持って遂に母の解放という使命を果たしたのだった。
その後六層の呪いによって瀕死となった祖母ヴエロエルコと対面し、その腕の中で彼女の最期を看取っている。
11巻現在はリコさん隊の一員として行動を共にしている。ナナチのように力場を感知できるかこそ不明なものの素の索敵能力が図抜けて高いようで、レグに匹敵するかあるいはそれ以上の身体能力を生かし、彼と共に周辺警戒や食材となる獲物の調達を担っているようだ。
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