ファンネルとは (ファンネルとは) [単語記事]

ファンネルとは、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する兵器類のことである。

名前の由来は形が漏斗に似ているため、漏斗の英訳であるファンネル(funnel)から。

概要

正式名称は「ファンネル・ビット」。

搭乗者の感応波で遠隔操作が可能な小型の遠隔操作型機動砲台。複数の砲台を操作し全方位から攻撃を行う事が出来るオールレンジ攻撃が可能な強力な兵器であり、一年戦争時にニュータイプ専用モビルアーマー「エルメス」で実用化された遠隔操作式ビーム砲「ビット」の発展型。

ビットはそれ自体にジェネレーターを搭載しているため十分なエネルギーの供給を行う事が可能であり、オールレンジ攻撃の特異さと相まって十分な威力を持ち、かつ稼働時間の両立を可能としている。しかし当時の技術では小型化が難しいため、勘の良いパイロット相手だと攻撃を察知され回避、更には撃墜される恐れがあった。
また、この事は運用に必要なコストの増大を招き、生産性にも難が残ってしまった。

この反省から、ファンネルではジェネレーターに代えてエネルギー CAP方式を採用し、大幅な小型化に成功している。この方式では搭載されているビーム砲に必要なエネルギーや推進剤は母機から供給される。
これにより単機当たりの搭載数の増量による火力向上、また、隠密性の向上といったメリットを生み、ニュータイプ専用機の戦闘能力の大幅な向上に寄与した。また、小型化は生産性の改善にも繋がっている。
弊害として稼働時間の低下が起こったが、それは多数のファンネルを装備することによって逐次射出、順次交代させるなどの方法で解決されている。

キュベレイに初めて搭載され、その後もキュベレイMk-II、クィン・マンサ、ゲーマルク等の機体に搭載された。
第一次ネオ・ジオン戦争ではMSの高火力化が著しく、大出力のメガ粒子砲などと合わせて多数のファンネルを装備する機体が多数投入されたが、その後のMSの設計思想の転換に合わせて、ファンネルは補助武装としての側面が強くなっている。

なお、宇宙世紀以外の世界を舞台とする、所謂アナザーガンダムにおいてもこの手の遠隔操作型砲台は名前と原理を変え登場している。ガンダム以外の作品でも心を揺さぶる為か、似た様な兵器が登場する。

この手の兵器は、常々ファンネル系と呼ばれる。
最初に出たキュベレイの強さがインパクトあったからで、この手の兵器の代表の扱いされた。エルメス涙目。

強力な兵器だが普及する事は無かった、操作に強い感応波（サイコウェーブ）を必要とする事が多いからである。
また、特殊能力がいらない場合もあるが、機体の操作と砲台の制御を同時に行う必要がある為に相当の技量を持つパイロットで無いと扱えないという事情がある。
まあ一番の理由は、機体が突っ立てるだけで良くてアクション皆無だから、アニメのロボット物としては見栄えが悪く受けが悪いからだけどな。

ただ、男の夢というか中二病をくすぐる為か、特殊兵器として主人公及びライバルが使用し続けてる。

バリエーション

フィン・ファンネル

もしかして→放熱板

『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』等の作品に登場。

従来のファンネルがジェネレーターを内蔵せず、小型化と隠密性・機動性を優先した設計であるのに対し、敢えてこちらは大型化することにより稼働時間の延長と高出力化が図られている。その意味ではエルメスのビットに近いコンセプトの武装だが、実際それ迄のファンネルがエネルギー CAPを内包したレーザービーム程度の出力に対して、フィン・ファンネルは2枚の板の間にIフィールドを形成し加速させたメガ粒子砲として機能する。メガ粒子砲の砲身であるフィン自体がAMBAC肢として機能するため、機動性にも優れている。これは非使用時についても同様であり(後の立体化でごく補助的なスラスターとしての機能もあり)、母機の運動性向上にも寄与している。

また、オーソドックスなタイプのファンネル以上の出力のビームを発射可能であるだけでなく、開放加速タイプの砲身であることを活かして、複数のフィン・ファンネルによるバリアーも形成可能。

ゲーム等ではνガンダムの必殺武器ポジションにあることが多いが、実は『逆襲のシャア』本編を通じて、アムロ・レイが「フィン・ファンネル！」と言いながらこれを射出したことは一度もない。これは後のゲーム(スーパーロボット大戦)において登場したνガンダムの攻撃時のテキストでの発言を観たアムロ役の古谷徹氏が「叫んでみたい」と提案があって実装。現在においては定着したものである
･･･と思われていたが、この説は誤りであり、実際にはゲーム側が用意した台本だったとのこと。

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なお、νガンダムとその関連MSにのみ搭載されていると思われがちなフィン・ファンネルだが、『ガイア・ギア』ではゾーリン・ソールにこれが装備されていたりする（『ガイア・ギア』を宇宙世紀の正史に組み込むかどうかはまた別として）。

『UC-MSV』にはプロトタイプを搭載したガンダムデルタカイ、シルヴァ・バレトが登場。完成型と違い開放機能はなく、有線タイプのものも存在する。『ガンダム NT』では簡易式と云えるB装備が登場。通常は電力供給を兼ねた有線式操縦のインコムだが、機体のNT-Dが発動する事でパイロットの操縦から離れ、ファンネルとして機動するようになっている(サイコ・キャプチャーもバリアー形成技術の転用と云える)

ファンネル・ミサイル

『機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ』『ガイア・ギア』に登場。
サイコミュによる思念誘導を採用したミサイル。ミノフスキー粒子下でも正確な誘導が期待できる他、大気圏内でも問題なく使用可能。
Ξガンダム、ペーネローペー、ゾーリン・ソール等の第5世代MSが採用していた。

また、以前の時代である『機動戦士ガンダムUC』にもシュツルム・ファウストの弾頭を利用した類似の兵装がクシャトリヤ・リペアードに搭載されている。

数千年後の時代の『ガンダム Gのレコンギスタ』に登場するMSジャスティマが同名の武装を搭載している。こちらはサイコミュ誘導ではなくフォトンアイセンサーによりミノフスキー粒子下でも高い命中率を誇る。

リフレクタービット

それ自体では攻撃能力を持たず、Iフィールドによるビーム偏向機能を有するもの。ビットと名乗ってはいるが、サイズ的にはほぼファンネルと同等。
母機のビームを偏向させる形でのオールレンジ攻撃に使われる他、敵機から放たれたビームを変更させて回避する防御用装備としての側面も持つ。
サイコガンダムMk-IIなどが使用。

ソード・ファンネル、スカート・ファンネル

『ガンダム Gのレコンギスタ』に登場。

この時代のファンネルは機体側の制御処理能力により特殊能力を必要とせずに使用することが可能。
ソード・ファンネルはビッグアームユニットの先端部に搭載されておりビームサーベルとしての役割も兼用。
スカート・ファンネルは腰に装備されておりメインスラスターとしての機能も兼ねる。

ビットモビルスーツ

『機動新世紀ガンダムX』に登場。

ニュータイプがフラッシュシステムを用いて制御をし、遠隔操作を行う無人モビルスーツ。
各ガンダムに12機配備されて母機とほぼ同等の能力を持っており、これを1部隊として運用する。
親機と同等である事から、砲台としてだけでなく格闘戦や射撃戦も出来るという利点を持つ。
モビルスーツをファンネルみたいに使えたら強くねとの発想で生まれた兵器だが、活躍したのは本編の前で起きた大戦時であり本編においては大半を失った設定になっている。

ドラグーン・システム

『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場。
量子通信で無線誘導を行う飛行砲台、使い捨てでは無く母機に戻って補給する事が出来る。

ニュータイプ能力のような明確に特殊能力と位置づけられた能力が必要と言う訳ではないが、この武装を扱うためには非常に高い三次元の空間認識能力が要求されるため、「SEED」の時代では極めて少数の限られたパイロットしかこの武装を扱う事ができなかった。

後の「SEED DESTINY」の時代では量子コンピュータの性能が格段に上昇しパイロットの負担はかなり軽減されているが、それでも誰でも扱えるほどではなく、このシステムを搭載し活用しているモビルスーツおよびパイロットは限られている。

GNビット、GNファング

『機動戦士ガンダム00』に登場。

手動もしくは脳量子波で操作を行う遠隔操作兵器、手動は操作の難易度が高く後々AIの補助が必要とされる、脳量子波は使えるパイロットが限られてるという制限がある。
GNビットはビーム砲、GNファングはビームサーベルを遠隔操作する物と考えれば差し支えない。

Cファンネル

『機動戦士ガンダムAGE』に登場。

どのような原理かは解説されてないが、「Xラウンダー」のみ使用可能な遠隔操作兵器の一つ。
ガンダムAGE－FXに搭載されてるブレード状の兵器で、遠隔操作で敵を切断するのが主な使い方だがバリアや手に持って実体剣としても使用した。

なお、ガンダムAGEではこの他にも色々なXラウンダー専用の遠隔操作兵器が登場する。

比喩表現として

コミケを始めとした同人誌即売会などのイベントにおいて、サークル主や売り子など持ち場を離れられない人がフリーな人にお使いを頼み物販や頒布物購入をすることを、上述の無線兵器に喩えファンネルと呼ぶ。

また、近年では多くのファンを抱える著名人・動画配信者がファンによる凸を煽る行為、あるいはそれに誘導されて荒らしを行うファンのこともファンネルと呼ぶことがある。元ネタを知らなくてもなんとなく意味が通ってしまうため、該当する行為の増加とともにガンダムとは関係ない界隈でも急速に普及している。

ファンネル単語

概要