フィリウスとは (フィリウスとは) [単語記事]

フィリウス(Filius)とは、

概要

下記に「怪獣惑星」の重大なネタバレを含んでいます。
未鑑賞の方はご遠慮ください。（要スクロール）

あのゴジラが最後の一匹だとは思えない。

━━━━「ゴジラ(1954年)」より、山根恭平博士

正式名称はゴジラ・フィリウス。
宇宙移民船アラトラム号の地球降下作戦の際にに単独で姿を現したゴジラの個体。

約20年前(地球現地では約2万年前)の2030年に出現したゴジラとほぼ変わらない体長50メートルの姿と電磁気による防御、攻撃などの特性を持つ。

ヴィルヘルム・キルヒナー博士の理論によると、採取されたゴジラの対組織は金属をベースとする進化した植物で、地球上の全生物の特性遺伝子が組み込まれている可能性があり、同様の特徴を持つクマムシのように放射線を含むあらゆる極限状態に耐えられると判明している。

それに加え、全身から放たれる高周波電磁パルスで「電磁メタマテリアル」を発生、それによる非対称性透過シールドと再生能力でメガトン級の核攻撃すら無効化する防御力を誇る。そして射程30キロメートルの高加速荷電粒子ビーム(熱線)という最強の矛を持つ。

フィリウスは単為生殖などではなく、オリジナルゴジラからの細胞分裂により増殖し生まれた。

無人偵察機などによって存在が探知された際には地球連合側にこの個体は2030年に人類文明を滅ぼした個体と同一なのか、一時繁殖したならば何故また1体だけに戻ったのか、などが推論されていた。

人類の地球脱出時点までに集められた機密情報を含むデータを元にハルオ・サカキ大尉らによるゴジラの非対称性透過シールド無効化を柱とした対ゴジラ戦術が密かに考案される。
その作戦遂行に必要なシールドの増幅器官の位置に関するデータの欠落を埋めるべく、地球降下部隊による強行偵察が行われたが、その際翼竜型セルヴァムの襲撃による損害によって部隊司令官エリオット・リーランド大佐は撤退を決断。揚陸艇の損傷からゴジラの回遊路を進まざるを得ない危険な道のりの中、とうとう部隊は突如出現したゴジラと遭遇する。陽動と至近距離攻撃によるデータ完成のためにバイク(空を飛ぶものを指す)で突撃を仕掛けるハルオ。しかしその決定打となったのはリーランドのG-HED(多脚戦車)による捨て身の砲撃だった。熱線により殉職するリーランド、彼の残した勝利への鍵とメトフィエス中佐から譲られた指揮権を手に、ハルオはゴジラ殲滅を部隊へ号令する。

そして元丹沢大関門の戦いにおいて、トラップの仕掛けられた関門へバイク部隊が決死の誘導を開始。熱線やセルヴァムの妨害などによる犠牲を出しながらも進路の爆撃による一掃をもって誘導に成功。
プラン通り両岸の爆破で出来た土砂によって動きを封じ、レールガン砲兵隊の総攻撃によりノイズ(シールドの隙間)を発生させる。そしてハルオのパワードスーツと支援攻撃が背ビレのシールド増幅器官を無力化、続くパワードスーツ部隊が次々とゴジラの体内にEMPプローブを叩き込み、反撃に出ようとしたゴジラは体内電流をオーバーロードさせ自壊、「死亡」した。ゴジラの残骸を前にして文官のラッザリ少佐と共にこれが最初で最後のゴジラではない可能性に思いを巡らすハルオだが、同時に対ゴジラ戦術が有効であると証明されたことで次なる個体にも対処できるという希望を抱いていた。

だが、真の絶望は地中に眠っていた。地鳴りと共に姿を現したのは300 メートル級の超巨大ゴジラ、文明を破滅させたあの「黙示録の獣」オリジナルゴジラの2万年を経た姿だった。あまりの事態に部隊は恐慌を起こし、この場からの散開を命じるハルオ。同族のフィリウスを殺された報復かは解らないが、オリジナルゴジラは咆哮と尻尾による衝撃波のみで逃げようとする部隊を壊滅させるのだった。