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フェキソフェナジン(Fexofenadine)とは、抗ヒスタミン薬である。先発医薬品名はアレグラ®。
フェキソフェナジンは、第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)である。フランスの製薬企業サノフィ(当時のマリオン・メレル・ダウ社)が開発した。現在はサノフィ株式会社よりアレグラ®錠30mg、アレグラ®錠60mg、アレグラ®ドライシロップ5%が製造販売されている。ジェネリック医薬品も出ており、水なしで服用可能な口腔内崩壊錠(OD錠)もある。いずれもアレルギー性鼻炎や蕁麻疹などの治療に用いる。炎症やかゆみなどの症状を緩和する効果がある。
血管収縮作用を有するプソイドエフェドリンを配合したディレグラ®配合錠や、そのジェネリック医薬品も上市されている。こちらもアレルギー性鼻炎の治療に用いられている。
フェキソフェナジンを主成分とする一般用医薬品のアレグラ®FX(60mg/錠)、アレグラ®FXジュニア(30mg/錠)は、第2類医薬品であり登録販売者のいるドラッグストアなどで購入できる。花粉やハウスダストが原因のくしゃみ、鼻水、鼻づまりといったアレルギー症状の緩和に用いる。
錠剤の場合、成人または12歳以上の小児には、1回60mgを1日2回経口投与する。7歳以上12歳未満の小児には、1回30mgを1日2回経口投与する。医師は患者の症状に応じて適宜増減できる。また、腎機能が低下している患者には、1回30mgを1日2回経口投与するなど用量を調節する場合がある。
ドライシロップ剤の場合、成人および7歳以上の小児に対する用法用量は上記と同じ。2歳以上7歳未満の小児には、1回30mgを1日2回用時懸濁して経口投与する。6か月以上2歳未満の小児には、1回15mgを1日2回用時懸濁して経口投与する。
フェキソフェナジンなどの抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンH1受容体においてヒスタミンと競合的に拮抗し、H1受容体へのヒスタミンの結合を抑制することで抗アレルギー作用を示す。また、フェキソフェナジンは、好酸球遊走抑制作用やケミカルメディエーター遊離抑制作用も示す。
フェキソフェナジンに対して過敏症の既往歴のある患者への投与は禁忌。
副作用は、頭痛、眠気、不眠、倦怠感、めまい、口渇、腹痛など。一般に、抗ヒスタミン薬の副作用として眠気が知られているが、フェキソフェナジンは比較的眠くなりにくいとされており、医薬品添付文書においても自動車の運転などを制限する文言がない。同様の薬剤に、ロラタジン(クラリチン®)、デスロラタジン(デザレックス®)、ビラスチン(ビラノア®)がある。
フェキソフェナジンは構造的にピペリジン系に分類される。また、第2世代抗ヒスタミン薬である。第2世代のピペリジン系抗ヒスタミン薬として、エバスチン(エバステル®)、ベポタスチン(タリオン®)、テルフェナジンがある。テルフェナジンのtert-ブチル基の一部がカルボキシ基(R-COOH)となった分子がフェキソフェナジンである。
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テルフェナジン | フェキソフェナジン |
テルフェナジン(トリルダン®)も日本で販売されていたが、重篤なQT延長や心室性不整脈といった心毒性などが報告されていた[1]。より安全なフェキソフェナジンが開発・販売されたことで、テルフェナジンは市場から姿を消した。
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最終更新:2024/04/20(土) 05:00
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