フェンネル大陸シリーズとは (フェンネルタイリクシリーズとは) [単語記事]

空虚な天を日輪が駆ける。果てない大地を風が滑る。

恐れは心を捉え、願いは其を置き去る。

狼よ。牙と爪を失いし時、汝は遂に解き放たれる。

問え。眩む目を、鳴る耳を、震える舌を、乾いた鼻を、血に濡れた足を。

遠い地平に我はある。遥か天空に我がある。

-死の唄:「孤狼と月」より引用-

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フェンネル大陸シリーズとは、高里椎奈のファンタジー小説シリーズである。全12巻＋外伝1巻。
講談社ノベルスから刊行。イラストはミギー。

概要

フェンネル大陸を舞台に、祖国を追われた元王女フェンが様々な事件に巻き込まれながら諸国を旅するファンタジー。

第一部「フェンネル大陸偽王伝」・第二部「フェンネル大陸真勇伝」の全二部構成となっている。

フェン（フェンベルク・ストライフ）: ストライフ王国の王女。十二番目の末娘。１巻時点で13歳。; 王女でありながら「悪鬼(グール)」を兵として使役する『ストライフ王国軍第二師団(獣兵師団)』を率いる将軍を務めていたが、無実の罪により準特級犯罪者として祖国を追放された。その一件が原因で感情が希薄になる。
棒術が得意で、戦闘には棍を用いる。銀髪とアイスブルーの瞳が特徴。馬が好き。; 世界のことを知るために旅に出る。

テオ: ラークスパーで競売にかけられていたフェンを買った人物。ストライフ王国に憎しみを抱いている。
フェンの旅に保護者役として同行。フェンに対しては憎しみを抱いている反面、気に掛けるそぶりも多い。; テオは、ストライフ王国で言葉を解さぬ獣として虐げられ労働力として酷使されている「悪鬼（グール）」という種族であるため、極めて強靭な肉体を持つ。; 豆チーズが嫌い。

サチ: フェンがラークスパーで知り合った青年。人探しの旅をしており、旅先でフェン一行と偶然再会する。フェンの窮地に手を差し伸べてくれる心強い人物だが、本名も出身国も不明。; 高い戦闘技術を持ち、無手を得意としている。大酒呑み。; 黒髪だが頭頂部は日に焼けて薄い茶髪になっている。この髪の色から日照時間の短い北国の出身であると思われるが……。

ロカ・ザジャ: ソルド王国の王立騎士団の騎士見習い。騎士の名門ザジャ家の生まれ。
ソルド王国を訪れたフェンと親友になる。騎士団長である兄に劣等感を抱いているが、正義感の強い優しい少年である。

アシュレイ: ソルド王国の伝説の戦闘集団イリスの民の少年。際立って優秀。
ソルド王国での事件では、イリスの長の命によりフェンと行動を共にする。フェンとロカの友人。その優秀さゆえに周囲から理解されず孤立しており、孤独を感じている。それにより大国シスタスとソルド王国との間で起きた戦いの際、ある行動に出る。