フリーホラーゲームとは、個人やサークルが制作した無料で配布されているホラーゲームである。
ニコニコ動画における動向なども軸としつつ説明する。
フリーホラーゲームはおそらくフリーゲームの制作が始まると同時期に出現していると思われる。
ニコニコ動画以前から、RPGツクール製のものや、ノベルゲームなどの多くのゲームが作られていた。
ニコニコ動画においては、初期(2007年~2009年頃)にはすでに多くのプレイ動画・実況動画が存在していた。実況者としてはボルゾイ企画などが人気だった。この時期にニコニコではやったゲームとしてはゆめにっき(2004年公開)や青鬼(2009年ver.3.0公開)などが有名である。ゆめにっきは探索ゲーム(公式には"歩き回るだけのゲーム"とされている)、青鬼は謎解き探索脱出ゲームで、どちらもRPGツクール製である。RPGツクール以外にも『包丁さんのうわさ』などノベルゲームの実況なども多くあった。
2011年末から2012年初頭にかけて、新しいタイプ(といっても源流や似たようなゲームは以前からある)のゲームが増え、ニコニコの実況での流行などもあり、広まるようになる。これらのゲームのジャンルについては下の別項を参照。実況者はたくさんいるが、一例を挙げればレトルトやキヨなどが人気だった。
2013年頃から、人気ゲームのノベライズやコミカライズなどのメディアミックスがされるようになる。また、2013年から2015年にはニコニコ自作ゲームフェスが開催され、そこで発表されたホラーゲームもある。
2015年にはニコニコゲームマガジンが発足。個人制作のゲームの連載が始まった。2016年にはニコニコでRPGアツマールのサービスが開始。ここでRPGツクール製の自作ゲームを公開できるようになった。
2018年頃からはVtuberなどのうちでも配信ネタとしてフリーホラーゲームのプレイを行う場合も多い。
このジャンルのゲームのうち、ニコニコ動画で最も人気だったのはおそらく『Ib』で、他にも『魔女の家』や『マッドファーザー』などの人気・有名な作品があるが、これらのゲームのジャンルを厳密に定義しようとすると難しい。ある要素だけを挙げれば、それ以前のゲームや他のゲームにも同ジャンルのゲームは存在するし、またその要素をこれらのゲームの全てが共通して持っているわけでもない。しかし、大まかに言って、このような特徴を持つゲームが多いとはいえるので、それを挙げることにする。
これらの特徴の一つ一つを持つゲームが2012年初頃に初めて登場したわけではないし、フリーホラーゲームの全てがこのジャンルなわけでもないことに注意。
フリーゲームにはよくあることだが、RPGではなくてもRPGツクールやWOLF RPGエディターを用いて作られているゲームが多い。だから、商業のホラーゲームでよくある3Dのアクションではなく、RPG的な上から見たマップのものがほとんど。セーブなどのシステムも当然ツクールなどのシステムである。
上記の通り、ノベルゲームや謎解き脱出探索ゲーム形式のホラーゲームは以前からあった。その両者が融合し、物語性が強く、謎解きや探索などのゲーム性も併せ持つゲームが生まれたのかもしれない。
"謎解き探索脱出ゲーム"とまとめて書いているが、謎解きと探索と脱出は独立したジャンルである。ただし相性がいいため、これらの要素を併せ持つゲームはフリーホラーでなくても多い。(謎解きは暗号やパズルを解くゲーム、探索はアイテムなどの何らかの要素を探し回るゲーム、脱出は鍵などを探して部屋や建物から脱出するゲーム。)
推理要素がある場合はあるが、いわゆる推理ゲームとは異なる。
上記の項目とも関係するが、ホラーゲームであっても、霊やゾンビなどを倒したり封じるのがゲームのメインではなく、ノベルゲーム的に、ストーリーを進めていくのがメインとなる。また、物語というのも、主人公の側だけでなく、霊などの恐怖対象となる存在の側の物語も多く語られる。主人公と多くのやりとりがある場合もある。ただし、事情が語られ、複雑だったり悲しい過去が明らかになっても、同情を誘うような作風ではないものも多い。
主人公が少女または幼女であることが多い。女の子でなくても少年だったりする。
また、霊などの被害にあった善良な市民や秩序を守る人間といった感じではなく、主人公の側も(実は)狂気じみていたり、サイコ的だったり、生身の人間でなかったりする場合も多く、それが物語上のどんでん返し的なポイントになっている場合も多い。
上の文にあるような場合も含め、メンタルがその齢に相応しいと考えられるものと比べてはるかに強いことが多いのも特徴。少女少年だが、霊やお化け・悲惨な状況などを見ても物怖じしたり泣き叫んだりせず、それらを乗り越えていくというものが多い。
アクション要素のあるものもある。追いかけっこ/鬼ごっこ要素と呼ばれるものがあり、人によってはかなり怖く、苦手らしい。そのため、ゲームの説明文などに「鬼ごっこ要素があるので注意」などの注意書きがあったりする。これは霊やモンスターなどの攻撃を単純に躱すというものではなく、主人公の進路を追って一定以上の距離追いかけてくる霊などを振り切るというものである。数マップに渡って追いかけてくる場合もある。
洋風のゾンビ、あるいは日本の神社や民俗的なものを題材にしたホラーゲームは商業でもフリーでも古くからあるが、このジャンルではヨーロッパなどの西洋の民俗、民間伝承的なものや童話などを題材にしたものの割合が比較的多いといえる。ただし『物念世界』など和風の同タイプのゲームも多くある。
余談だが、2015年に一作目が発売された商業ホラーゲームの『夜廻』シリーズは、このジャンルのゲームに近い雰囲気のあるゲームである。ただし、謎解き要素が無いなど、異なる要素もある。(公式のジャンルが「夜道探索アクション」で、(実際にはホラーゲームだが)ホラーとされておらず、アイテムを集めたりする探索がメインな点は、むしろゆめにっきに近い部分がある。)
「ホラーフリーゲームの一覧」を参照。
人気のゲームはニコニコ静画やpixivで絵が描かれたり、MAD動画が投稿されたりする。『Ib』などはボカロソングや替え歌も作られた。
MAD動画の場合、単独のゲーム作品のMADのほか、同一シリーズではない別々の作品のキャラクターを登場させたMADも多い。手描きMADや音MADなどがある。
当然二次創作のルールはゲームの作者によりけりなので、行う場合は確認が必要。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2023/04/02(日) 21:00
最終更新:2023/04/02(日) 21:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。