ブラジルとは (ブラジルとは) [単語記事]

基本データ
正式名称	ブラジル連邦共和国 Repúbl ica Federativa do Brasil
国旗
国歌	ブラジル国歌
国花	イペー（ノウゼンカズラ科の黄色い花）
国鳥	トゥカーノ（オオハシ科の大きなインコ）
公用語	ポルトガル語
首都	ブラジリア（Brasília）
面積	8,511,965km²（世界第5位）
人口	約2億40万人（世界第5位）
通貨	レアル（BRL）

ブラジルとは、南アメリカ大陸に位置する国。南アメリカ大陸で面積、人口ともに最大を誇る国家である。

概要

正式名称はブラジル連邦共和国。漢字表記は伯国。
1822年にポルトガルより独立。そのため、母語はポルトガル語であり、世界最大のポルトガル語圏である。南米の経済大国としてG20に加盟している。GDPは世界第7位。20世紀後半以降、急激に経済が発展したBRICs（ブラジル、ロシア、インド、チャイナ）の一つとしても知られる。

国土の半分がカンポという草原で覆われたブラジル高原で、後の半分がアマゾン川とジャングル。アマゾン川にはピラニアやワニ、アナコンダなどが存在する。
チリ、エクアドル以外のすべての南米の国と国境を接している。

移民によって発展した多民族国家であり、民族的に見るとヨーロッパ系が約5割、混血が4割、その他黒人、アジア系、先住民が約1割を占める。

リオデジャネイロのカーニバルが有名であり、サッカーブラジル代表は世界最強を誇るサッカー王国の代表として有名である。また、コパカバーナなど美しい砂浜が広がる地形性からビーチバレーが盛んで、バレーボールも人気が高い。ほかにF1などカーレースも人気があり、有名人を数多く輩出している。ブラジルではよく「金持ちはF1 ドライバーを、貧乏人はプロサッカー選手を目指す」と言われる。

2016年には南米大陸初となる夏季オリンピックがリオデジャネイロで開催される。（→リオデジャネイロオリンピック）。

なお、隣国のアルゼンチンとは宿命のライバルであり、サッカーの対戦では白熱しすぎて死者も出ているほどである。

日系人社会

明治から昭和にかけて、ブラジルには日本から多くの移民が渡り、日系人社会を形成している。世界最大の日系人コミュニティである「リベルダージ」がサンパウロに存在する。また逆に1990年代以降、ブラジル日系人の日本への出稼ぎブームもあるなど、日本とブラジルは一定の仲を保っている。なお、ブラジルのトランプとして世を騒がせているボルソナロも一応は親日派を公言しており、今後も日伯関係を強めたいと発言している。なお、ブラジル国民にアンケートしたところ9割が親日、日本人に至っては97％がブラジルに親近感を持っているという、まるで遠くて近い親戚のような関係である（アルゼンチンが嫉妬するのもわかる）。

ちなみに日本国籍を取得した有名人も数多く存在する。ラモス瑠偉、呂比須ワグナー、三都主アレサンドロ、田中マルクス闘莉王…etc.

主な都市

サンパウロ
 経済、文化などあらゆる要素を含め、アルゼンチンのブエノスアイレスと並ぶ南米最大の都市。高層ビルが市街地を埋め尽くし、特にヘリコプターが盛んに往来し、ヘリコプター所有台数とヘリポートの多さは群を抜いているなど、空に交通機関がある都市として知られる（ただ、事故も相次いでいる）。また、世界最大の日本人街であるリべルダージがあることでも知られ、日本のゲームや漫画などが広まっている源泉となっている。国内美術文化の中心地であり、国際美術展覧会「サンパウロ・ビエンナーレ」などがよく知られる。スポーツも盛んで、特にF1のアイルトン・セナ、ルーベンス・バリチェロなど数多くの名レーサーを輩出している。
リオ・デ・ジャネイロ
 コパカバーナやイパネマといった美しい海岸線を有する港に面した港町で、サンパウロに次ぐ国内NO.2の大都市。リオのカーニバルでも有名。かつてはブラジルの首都でもあったが、ブラジリアに移転した後も、多くの企業はリオにとどまり続け、同市の経済を支えた。音楽の都としても名高く、ボサノヴァはこのリオで生まれている。サッカーも盛んで、世界最大級のサッカースタジアム、マラカナンスタジアム（エスタジオ・ド・マラカナン）はここにある。また、コルコバードのキリスト像は市のシンボルで、組織票を使い世界の新七不思議に選ばれた。
ブラジリア
ブラジルの首都で、標高1100メートルの高原地帯に位置する計画都市。市街地の形が、飛行機が翼を広げたような形をしているのが特徴であり、世界に誇る計画都市として都市構築40年ほどの市街地が世界文化遺産に指定されている。だが、その郊外にはスラムを作るなど無秩序な都市が形成され、問題となっている。
クリチバ
ブラジル南部に位置する中枢都市の一つ。世界で最も優れた都市計画の成功例と評されている都市であり、特にチューブ型のバス停を市街の至るところに配したBRTが縦横無尽に走り、その他計画的な公共交通が市街地を発展させている。治安もブラジルの中ではかなり良い方で、そのため人口流入が著しい。知られていないが日系人も多く、ブラジル国内ではサンパウロに次ぐ。
ベロ・オリゾンテ
ベロオリゾンチとも言われるブラジル内陸の高原都市。『美しい地平線』が市名の由来となっており、街路が放射型に直行している。ここもBRTが交通の主役となっており、ブラジルでも人気のある都市の一つ。一方で、あまり海外での知名度は高くなかったが、ここでブラジル人のトラウマ、2014 FIFAワールドカップ準決勝、開催国であるのにドイツに7-1で敗れるという惨劇が起き、「ミネイロンの惨劇」や「ベロオリゾンテの悲劇」という言葉で、一躍世界で有名になってしまった。なお、クルゼイロECやアトレチコ・ミネイロといった強豪サッカークラブの本拠地でもある。出身選手もジュニオール、オリベイラ、トスタン、フェレイラなど錚々たるもの。
サルバドール
サウバドール、サルバドルやバイアなどと呼ばれる都市で、大西洋に面するブラジル北東部の大都市。最初のブラジルの首都となり、奴隷貿易の中心地であった一方で、カトリックの拠点にもなった。現在も黒人やその混血が中心であり、黒いローマの異名を持つ。世界的に知られる格闘スタイル、カポエイラ（カポエラ）はこのサルバドール発祥である。
フォルタレザ
ブラジル北東に位置する、カリブ海に面した大都市。綿花の集散地として発展し、またブラジルにおける奴隷解放の拠点となったことで文学や学術の分野が発展した。なお、ここもリゾート地として名高い反面、治安はあまり良くない（それでもレシフェよりはマシだが）。
マナオス
マナウスともいう。アマゾナス州の州都であり、名の通りアマゾン川中流に位置する、アマゾン最大の大都市である。しかし、十数キロも市街地から離れていくと次第にアマゾンの密林に迷い込んでしまうという、なぜこんなところに大都市ができたのかというぐらい、全世界から見てもとんでもない場所にある大都市の一つ。天然ゴムの採取で有名になった都市であり、後に森林、鉱業などの拠点となった。場所が場所だけに食材も豊富であり、そのためピラニアなどを使った料理がある。なお、マナオスも政策をめぐり治安が悪化しており、暴動が多発している。
レシフェ
ブラジルの最東端に位置する大都市。元来は美しい港町で、オランダが占領した歴史があるため、カラフルな建物が特徴的。だが、それに反し、治安はすこぶる良くなく、日本国大使館でもレシフェの様子を「日々警察と強盗団が銃撃戦を繰り返している、市民は流れ弾に当たらないうように気をつけねばならない」と伝えている。
ゴイアニア
ブラジル高原内にあり、ブラジリアやベロオリゾンテなどとともに内陸部の中心地の一つで、牛肉や大豆の集散地として建設された。現在では、内陸部における経済、産業の中心地となっている。計画都市の一つであり、今も市街地の3割はアマゾンの原生林のままの公園があったり、しかも市街地には無数の泉があるなど、泉水の綺麗な都市として国内では評判が高い。日本では例の放射能事故ばかりが有名になっており、その有様を現地の人は「バカバカしい（何とっくに過ぎ去った事件をいつまでも蒸し返してるんだ、このハポネスw）」と感じているようだ。ブラジルのロックの聖地でもあるらしい。
ポルト・アレグレ
ブラジル最南端にある大都市で、大西洋に面する。「陽気な港」という意味合いを持ち、世界でも珍しい市民参加型予算を実施している都市でもある。市内にはグレミオとインテルナシオナルがあり、お互い鎬を削っているなどサッカーが盛んで、また数多くのサッカー選手を輩出しており、出身者はロナウジーニョ、モレイラ、エメルソン、シウヴァなど錚々たるものである。また、かつてブラジルの名門と呼ばれたヴァリグ・ブラジル航空（現存しない）の発祥地であり、ハブ空港もあり、盛んに日本便を出していた。これも日本とブラジルの関係が深い要因の一つである。
ベレン
ブラジル北部、カリブ海に面するアマゾン川河口の大都市。ブラジル北部における日系人の拠点の一つであり、約3000人の日系人が住む。かつては砂糖貿易、後に綿花、コーヒー豆、そして天然ゴムの輸出で繁栄を成した。今日では商業や交通の中心地であり、またアマゾン探検の拠点にもなっている。
サン・ルイス
ブラジルで唯一フランス人が築いた都市。しかし、そのフランス人はすぐにポルトガル人に駆逐されてしまった。後に綿花輸出で莫大な富を得、現在の瀟洒なラテン建築は当時の繁栄を偲ばせるもので、「ブラジルのアテネ」と呼ばれる。だが、例にもれずこのサン・ルイスも治安は良くない。
マセイオ
ブラジル東部にある港町。サトウキビのプランテーションと製糖で発展した。その名の通り熱帯に位置する都市であり、一年を通して暑い。それゆえ海岸、湖とリゾートが発展しており、ヤシの木がシンボルである。だが、その富裕層を狙った犯罪も多発している。