ブラストワンピース(Blast Onepiece)とは、2015年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
美浦・大竹正博厩舎所属、安平町・ノーザンファーム生産、馬主はシルクレーシング。
主な勝ち鞍
2018年有馬記念(GⅠ)
2019年札幌記念(GⅡ)、2020年AJCC(GⅡ)
2018年毎日杯(GⅢ)、2018年新潟記念(GⅢ)
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この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「ブラストワンピース(ウマ娘)」を参照してください。 |
父ハービンジャー、母ツルマルワンピース、母父キングカメハメハ。父はキングジョージを勝った英国馬で、来日後3年目の産駒からGⅠ馬3頭が出て軌道に乗り始めた種牡馬。母は3勝馬で、祖母の兄にアルナスラインがいる。とはいえ近親の活躍馬はそのくらいで、母の兄弟も大半が地方馬。そこまですごい感じではなく、クラブの募集額も2000万円(4万円×500口)とさほど高いものではなかった。
幼少期から脚が内向気味で背中や腰に疲れを溜めやすい体質でもあり、育成は慎重に進められた。2歳11月にデビュー戦も調整途上で5番人気だったが、直線で鋭く反応し差し切り勝ちを決める。
体質を見越して間隔を空け、2月の自己条件戦ゆりかもめ賞で戦列に復帰。差のない2番人気に支持されると、中団後方からレースを進めると、直線で稍重馬場ながら上がり最速34秒0の豪脚を披露。2着を4馬身置き去りにする圧勝で一躍注目を集める。
間隔を詰めることを嫌った陣営は目標をダービー1本に絞り、さらに中間は1戦のみ、そこで権利が得られなければダービーも諦めるという思い切ったローテを組む。
クラシック挑戦を賭けて出走したGⅢ毎日杯。前走とは一転して2番手につける競馬を選択すると、直線はラチに接触してもひるまずインコースを力強く突破し2馬身差の楽勝。クラシックへの切符を手にする。
予定通り皐月賞はパスして迎えた大一番のダービー。混戦模様の中、2歳王者ダノンプレミアムに次いで2番人気に支持される。しかし本番、主戦騎手の池添謙一が不安視していたスタートで後手を踏み後方からの競馬を余儀なくされた上、道中徐々にポジションを上げたが4角や直線で進路をカットされるロスもあり、力を出し切れないまま5着に敗戦。無傷のダービー制覇とはならなかった。
予定通り夏休みに入ったブラストワンピース。菊花賞を目標に、関東馬なのでセントライト記念で始動…と思いきや、なんと古馬重賞のGⅢ新潟記念への参戦を表明。上がり馬が夏の古馬重賞に出ることは時々あるが、春クラシックの実績馬が出るなんてことは前代未聞で議論を呼んだ。前述の疲労体質を踏まえて間隔を空けたかったこともあるが、なんでもトライアルで有力馬とぶつかるよりいいとクラブ側が判断したらしい。
新潟記念は3歳馬との相性がだいぶ悪いレースだったが、メンバーが手薄だったこともあり断然人気。レースも後方から上がり最速の末脚でぶち抜き、最後は池添が「お客さんに見せてあげようと」外に出す余裕も見せて圧勝。新潟記念では35年ぶりの3歳馬による勝利を達成する。
再び間を空けて臨んだ大一番菊花賞。ダービー馬ワグネリアンが不在、皐月賞馬エポカドーロはトライアルで4着とつまずいたこともあり1番人気となる。道中も人気馬をマークしながらスムーズに進めるが、1000m62秒7というスローで直線ヨーイドンの瞬発力勝負ではさすがに分が悪く、ディープ産駒フィエールマンの4着。クラシックは無冠で終わってしまう。
約2か月の間隔が欲しいということでJCではなく有馬記念を選択。有力馬に不安要素が多く、メンバー中1頭だけの3歳馬ということもあってか、秋競馬で活躍したレイデオロ、キセキに次ぐ3番人気に支持される。しかし調教タイムが上がらず、予想家の間では不安視する声もあった。
稍重の馬場、8番枠からスタートしたブラストワンピース。五分の出ながら中団前の外目を確保すると、3コーナー手前から仕掛ける積極的な競馬で進出。外目を突いて4番手で直線に向くと、力強い末脚で先行馬を捉える。最後の1ハロンで1番人気レイデオロが上がり最速で突っ込んできたが、クビ差振り切ってゴール。自身初のGⅠ制覇をグランプリで成し遂げた。
管理する大竹正博調教師は10年目で初GⅠ勝利。そして騎手の池添謙一は2009年ドリームジャーニー、2011年・2013年オルフェーヴルに続き史上単独最多となる有馬記念4勝目を挙げた。ちなみに、池添は宝塚記念も3勝(2005年スイープトウショウ、2009年ドリームジャーニー、2012年オルフェーヴル)しているので春秋グランプリ通算では7勝目である。グランプリキラーにもほどがあるだろ…。
この勝利が高く評価され、ダービー馬ワグネリアンやダートGⅠ3勝のルヴァンスレーヴを抑えて最優秀3歳牡馬を受賞している。
明け4歳となったブラストワンピースは大阪杯から始動。同期のダービー馬ワグネリアン他本馬含めGⅠ馬8頭が集結した豪華メンバーの中で1番人気に推されたが、道中中団後方から捲るように上がって直線で外に回したものの、前を捉えきれず6着に敗戦する。
その後凱旋門賞を見据えて目黒記念→札幌記念のローテーションが組まれ、目黒記念で池添とのコンビは解消となる予定だったが、騎乗予定のルメールがNHKマイルカップで騎乗停止を喰らった為池添が続投。目黒記念では最重量59kgのハンデが課せられたが、高速馬場によるレコード決着の前に直線で失速し8着に敗れた。
少し間を空けて札幌記念へ出走。ここで新たに川田将雅とコンビを結成し、ワグネリアンやフィエールマン等の実績馬が集まる中3番人気で出走。ここでは最内枠から道中9番手を追走し、直線に入ってインから抜け出してサングレーザーを半馬身離し勝利。重賞4勝目となった。
そしてイギリスで調整が進められた後に凱旋門賞へ出走。しかし折からの雨によりパリロンシャン競馬場は重馬場となり、中団を追走するものの直線で失速し12頭立ての11着に敗れた。
その後帰国するが、11月下旬に年内の復帰を諦めて翌年のAJCCから復帰する事がクラブから発表された。
明け5歳となり予定通りにAJCCから始動。ミッキースワローやスティッフェリオといった中山巧者が揃う中1番人気に推され、11番枠スタートから中団前目の好位を追走し、3~4コーナー中間からスパートをかけて直線で内目を突き、先に抜け出したステイフーリッシュを差し切って勝利。重賞5勝目を挙げた。
次走には大阪杯を選択。ここではダノンキングリー、ラッキーライラックに次ぐ3番人気に推された。レースでは道中後方を追走し、残り600mからポジションを上げて直線を外から入ったものの失速し、7着に敗れた。
次の出走は春のグランプリ宝塚記念、ここでは5~6番手につけるも、第3コーナーからついていけなくなり後退、まさかの18頭立て16着と大敗した。
夏季休養を挟んで秋初戦は天皇賞(秋)、このレースでは中団からの競馬となるが、直線に入ると後続に次々と追い抜かれ、ここでも12頭立て11着と大敗した。
捲土重来を狙ったこの年の年末のグランプリ有馬記念、ここでは2番手につけるが第3コーナーからズルズル後退、異常を察した横山武史騎手は手綱を止め、競走中止。レース後に心房細動と発表された。
心房細動を起こしたブラストワンピースだが、幸いにも大事には至らず春は療養に充てる。大竹師によると「その後は背中の筋肉がなかなか戻らず、復帰に時間を要した」との事。
復帰戦は6月の鳴尾記念。13頭立ての5番人気で中団後方から展開していったが、最後の直線でユニコーンライオンに離され3着。しかし復帰後初のレースで掲示板圏内に入り健在をアピール。
次走は札幌記念。桜花賞馬ソダシ、香港クイーンエリザベス2世カップを勝ったラヴズオンリーユーなどが出走予定であり、このレースを機に上位戦線へ復調できるかに注目が集まった。結果はトップのソダシと0.5秒離されての5着であった。GI馬はこのレースでは先にあげた2頭のほかにペルシアンナイト(2017年マイルチャンピオンシップ)もいたが、彼は3着に入り込んだ。
その後、その札幌記念で痛めた右前球節が回復しなかったこともあり登録抹消。今後は乗馬になる予定。
テンポイントが予後不良で亡くなったことを考えると2024年現在現役を全うしたのに唯一種牡馬になれてない有馬記念優勝馬となってしまった。血統と距離適性的に需要がなかったと言われればそれまでだが。
ブラストワンピースは緑のシャドーロールがトレードマークなのだが、これはナリタブライアンのような気性的な問題で着けているのではなく、530~540kg台の巨体で顔もデカいので、見栄えが良くなるように着けているだけらしい。実際ものすごくたくましい馬体でパドックでは一際目立っており、新潟記念と菊花賞ではよく躾けられ手入れされた馬とスタッフに贈られるベストターンドアウト賞を受賞している。
またその巨体にふさわしい健啖家らしく、坂路追いした後に脇道の草を食べ始めたり、厩舎の寝藁も食べようとしたりするらしい。流石に凱旋門賞後は食欲が落ちたようであるが。
全弟にブラストウェーブ(2023年クラシック世代)がいた。7月に新馬戦を勝利し、9月の札幌2歳ステークスを5着としたのち、12月の葉牡丹賞で7着となったが、2023年1月24日に調教中に死亡した。
*ハービンジャー 2006 鹿毛 |
Dansili 1996 黒鹿毛 |
*デインヒル | Danzig |
Razyana | |||
Hasili | Kahyasi | ||
Kerali | |||
Penang Pearl 1996 鹿毛 |
Bering | Arctic Tern | |
Beaune | |||
Guapa | Shareef Dancer | ||
Sauceboat | |||
ツルマルワンピース 2008 鹿毛 FNo.9-c |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
ツルマルグラマー 1999 鹿毛 |
フジキセキ | *サンデーサイレンス | |
*ミルレーサー | |||
*エラティス | El Gran Senor | ||
Summer Review |
クロス:Northern Dancer 5×5×5
掲示板
81 ななしのよっしん
2024/11/29(金) 23:00:23 ID: L1IQKqkAJ9
もう話題に上ることなく有馬の時期にちょっと思い出すくらいかなぁ…と思ってたらこれである
沢山の人に名前覚えてもらって愛されるといいぞ
82 ななしのよっしん
2024/12/23(月) 14:27:24 ID: EzuSXBtOzl
ハービンジャー産駒繫がりでニシノデイジーが西山牧場にて種牡馬入り。ブラストワンピースの板で言うのはどうかと思ったが、今の状況鑑みてハービンジャー直系が残ると良いな
83 ななしのよっしん
2025/03/17(月) 18:38:29 ID: +nVRnmOCg+
サンデーもキングカメハメハも入っているとなると、配合相手探すのも難しい。一応ロベルト系かナスルーラ系の牝馬ならなんとかつけられそうだけど、どう考えても重すぎて走らんのが目に見えてるからねぇ……
種牡馬入りはどんな良績上げても日本では厳しかったかも。いっそシャトル種牡馬にでなれば結構人気が集まったかも知れない。オセアニアとかだと産駒もかなり走りそうではあるけど、後継出せないからあまり意味がないよねぇ……
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最終更新:2025/03/22(土) 18:00
最終更新:2025/03/22(土) 18:00
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