ブランディッシュVTとは (ブランディッシュブイティーとは) [単語記事]

ブランディッシュVTとは、日本ファルコムより発売されたアクションRPGである。

Windowsへ移植される際、タイトルが『ブランディッシュ4 眠れる神の塔』へと変更。

概要

1996年 10月4日にPC-9801用ゲームとして発売された。

ブランディッシュシリーズの第四作目であるが、前作『ブランディッシュ3』までとはストーリー、世界観等の繋がりは無く、登場人物も一新された。

VTとは、「Victim's Tower」の略。

本作は「神の塔」と呼ばれる巨大な塔を舞台に、様々な事情でこの地へやってきた者たちの物語である。

システム

基本的な部分は前作『ブランディッシュ3』までのシステムを踏襲しているが、画面構成、物語の構成が大きく変更された。

画面構成

前作までは画面構成がトップビューで、主人公が常に背中を向けており、主人公が向きを変えるとマップも一緒にその方向へ切り替わるようになっていた。
今作では主人公を斜め上から見下ろすクオータービューへ変更となり、視点も固定となった。

主人公の動作に伏せる動作が追加され、狭い通路を這って進んだり、飛び道具を伏せてかわしながら進む事が出来る様になった。

物語の構成

主人公は前作「3」同様複数の中から選択してゲームを始める。初期は二人だが、一人のシナリオをクリアーすれば三人目の主人公が選択可能となる。
基本的にはどの主人公を選んでも同じ塔を攻略する事になるが、選んだ主人公によってスタート地点が異なり、一部マップも異なる。

主人公には属性があり、「ライト」、「ニュートラル」、「ダーク」の三種類がある。
物語中の会話イベント等で選択肢が出現し、選んだ内容によって属性が変化する。
良い行動をとれば「ライト」へ、悪い行動で「ダーク」に変化。どちらにも偏らない中間が「ニュートラル」。
属性によって装備出来る武器や魔法が異なり、イベントにも変化が生じる。
最終的な属性でエンディングが分かれる為、一人あたり三種類のエンディングが用意されている。

BGM

ゲーム内のBGMは従来のビープ音、FM音源（三和音と六和音）に加え、MIDI音源（GS規格専用）にも対応している。

Windows版

いくつかの追加要素を加え、1998年 12月11日に『ブランディッシュ4 眠れる神の塔』のタイトルで日本ファルコムより発売。

尚、現在はソースネクスト社より廉価版パッケージが販売されている。

主な追加・変更点

主人公の追加。
PC-9801版では隠しキャラクター扱いだった三人目の人物が初めから選択出来る様になり、更に物語本編では脇役だった人物が主人公に昇格したことで、Windows版では四人の主人公が選択可能になった。
また、四人の内一人のシナリオをクリアーすれば五人目の人物によるショートシナリオがプレイ出来る様になる。
オープニング映像が一新。
BGMはMIDI音源（GM規格対応）とPCM音源に対応。オープニングとエンディングの曲が変更。

サウンドトラック

ファルコムスペシャルボックス'97（1996年発売）
DISC2にPC-9801版『ブランディッシュVT』のMIDI版ゲームサントラを収録。

Windows版のサントラは未発売。

主な登場人物

ディー
孤児院出身の少年。ぶっきらぼうな口調だが、面倒見が良く孤児院の子供達を養う為に盗みで食い繋ぐ日々を送る。ある日盗みに失敗して捕まり、強制労働をさせられる為に神の塔へ連れて来られた。
武器は鞭。特殊能力としてアイテムを盗む事が可能。罠の解除も出来る。指輪魔法は使えない。
クレール
エルフの少女。幼少の頃のある事件がきっかけで修道院へ入れさせられる。大人しく引っ込み思案な性格もその時の事件が影響している。巫女としての修行の為に、塔へとやって来る。
武器は杖。特殊能力は祈る事でMPを回復させる事が出来る。物語が進むと精霊の召喚が可能になる。攻撃力、防御力共に弱いが物語の後半で特殊能力が開放されると・・・。
キエン
記憶を失い、全てが謎に包まれた人物。
PC-9801版では、隠し主人公扱いで、ディーかクレールのシナリオをクリアーしないとキエンのシナリオが遊べなかったが、Windows版では初めから選択可能となった。
武器は剣。盾を装備し、魔法も使用出来る。特殊能力は祈りによるMPの回復。能力のバランスはいい。
メルメラーダ
盗賊の女性。財宝を求めて塔へ侵入した。
PC-9801版では脇役だったが、Windows版では主人公へと昇格した。
武器はマフラー。特殊能力としてディー同様、アイテムを盗んだり罠の解除が出来る。また、精獣の召喚も可能。彼女のみ伏せる動作の替わりに猫へ変身して狭い通路を潜り抜ける事になる。攻撃力、魔法力共に高いが祈りが無いのでMP 回復はアイテムに頼る事になる。
ガラハッド
学者の男。遺跡調査の為に塔へやって来た。
屈強な体格で見た目は強面だが気弱な性格で、尚且つ慌て者な為、仕掛けられた罠に率先して引っ掛かる。
PC-9801版では脇役だったが、Windows版では上記四人の内一人でもクリアーすれば、彼を主人公にしたショートシナリオが遊べる。