ブリタニア連邦(Great Britannia)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズに登場する国家である。
OVA・TVアニメ『ストライクウィッチーズ』、コミック『ストライクウィッチーズ 片翼の魔女たち』などの舞台。ビショップ姉妹およびみんな大好き(?)トレヴァー・マロニー大将の出身国である。
イギリス(大英帝国)をモチーフとした立憲君主制国家。国旗は上下を青と緑に塗り分けた地に白と赤の十字、斜め十字を重ねたデザインで、首都はロンドン。
欧州の西端、ガリア沖の大西洋に浮かぶグレートブリテン島を中心とする諸島を本国とし、人口は約5000万。北リベリオン大陸のファラウェイランド、南太平洋のアウストラリス連邦といった[1]世界中の連邦加盟国を合わせれば人口5億に達する大国だが、加盟各国はそれぞれに独立した対等の主権国家であって、王室に対する忠誠によってのみ結合されたゆるやかな共同体である。とはいえ、経済や軍事面ではもっぱらブリタニア本国によって主導されている。
国王を国家元首とする議院内閣制をとり、実質的には議会により政治が行われる。対外的には、ドーバー海峡を挟んだ欧州大陸と深い縁があるほか、リベリオン合衆国の東部沿岸はかつてブリタニアの植民地であった。一度結んだ同盟をけして裏切らないことでも知られ、歴史ある一大海洋国家として、ユーラシア大陸の反対極に位置する扶桑皇国とも約250年の長きにわたる緊密な同盟関係を形成している。
ブリタニア本国には、単体の実力以上に連邦加盟国から多くの人材・物資・資源が流れこんでいる。史上はじめて魔力革命を達成した世界有数の大規模工業国であり、特に造船業と金融業に秀でるが、20世紀中頃には扶桑とリベリオン合衆国の経済的台頭を迎えつつある。
ブリタニアの本国は、グレートブリテン島のほか大小1000の島々からなる諸島である。最高点は1400mに達せず、山岳地帯はごく少ないいっぽう、国土のほとんどは丘陵・平原地帯であって、可住地面積は国土の9割に達するほど。気候も高緯度のわりに温暖で安定し、降水量も年じゅう一定少量であるなど、とかく居住に適している。降水量の都合、冬の無風日には霧が多い。
南部に位置する首都ロンドンは魔力革命後の煤煙に結びついた霧に由来する「霧の都」の通称で知られ、ロイヤルアルバートホール、大ブリタニア博物館、キングスクロス駅といった建造物が立ち並ぶ大都市。そのほか、バーミンガム、プリマス、グラスゴーなどの都市が存在する。
古代のブリタニアは、ユリウス・カエサルの遠征とその後のローマ帝国成立によって征服され、ローマ帝国の属州となった。やがて西ローマ帝国の一部となるが、小国の群雄割拠と有力豪族による統一を経て、ガリアの大貴族の支配下におかれるようになる。ブリタニアがガリアから独立するまでには幾多の戦いを経る必要があり、1339年のブリタニア、ガリア百年戦争のような衝突が繰り返されたが、こうした戦いはしばしば怪異の出現によって中断された。
やがてブリタニアは海洋国家として拡大をはじめ、ヒスパニアとの戦争、共和制移行(1649年)と王政復古(1660年)といった混乱を経験しながらも、リベリオン大陸、アフリカ、インド、そして東洋へと勢力を広げた。東洋では1600年に設立された東インド会社が海洋国家ネーデルラントの雇用する扶桑傭兵団と衝突したのを端緒に扶桑皇国との対立関係が発生するが、2度のブリタニア扶桑戦争(1676年、1683年)を経て、互いの本拠があまりに遠く無益な消耗戦にしかならないことが認識され、1699年の扶桑、ブリタニア同盟(扶武同盟)成立により海上貿易国家どうしの密接な同盟関係へと転換した。
こうした経緯を経て、ブリタニアはネーデルラントから海洋覇権を奪って一大海洋帝国を築き上げてゆき、1707年には大ブリタニア王国が成立する。しかし18世紀末になると、リベリオン大陸東部沿岸の植民地で1775年に生じた独立戦争の結果、独立を許すこととなった(のちのリベリオン合衆国東部)。
この同じ時期、ブリタニア本国では世界史の画期となる事件が生じていた。1765年、ジェイミー・ワットによる魔力革命である。蒸気機関による魔法力の増幅が繊細で複雑な大規模工業を実現し、各種産業や交通機関への機械力導入が進むきっかけとなった。同時期の農業技術の発展がもたらした人口の増大と都市部への流入もあいまって、ブリタニアは一大工業国家へと邁進することとなるのである。
陸軍、海軍、空軍の三軍を有する。連邦加盟諸国の空軍は部隊の番号附与体系を共通化しており、400番台は特に連邦加盟国(400~449:ファラウェイランド、450~490:南半球諸国)に付番される。
扶桑同様、特に海軍力に優れており、扶桑を含む世界各国の近代海軍の模範とされている。大型巡洋艦や商船を改造した<フューリアス>や<アーガス>により世界で初めて空母でウィッチを運用したとされるが、欧州ではウィッチの海上運用の必要性が薄く、戦力としては空母より戦艦や巡洋艦が重視されてきた。このため、戦艦と巡洋艦の戦力では世界最大規模である。人員の面でも潤沢で、平時は商船に乗る船乗りが海軍予備員や予備士官を兼ねていることは珍しくない。
1945年当時の新鋭戦艦は6隻が建造されたキング・ジョージ5世級戦艦(<キング・ジョージ5世>、<プリンス・オブ・ウェールズ>、<デューク・オブ・ヨーク>、<アンソン>、<ハウ>、<ジェリコー>)である。空母戦力は少ないが、ネウロイ大戦勃発後は船団護衛の必要から<オーダシティ>、<アクティヴィティ>といった商船改造空母を新艦種「護衛空母」として導入し、リベリオンなどにも波及していった。この他、旧式戦艦の空母改造も検討されている。
兵器は堅実で優秀なものを作るが、その反面、理解に苦しむようなつくりのものも多いという。優れた航空機・ストライカーユニットメーカーにも恵まれ、ブリタニア防空を支えた傑作戦闘機/ユニットであるスピットファイアを生んだウルトラマリン、マーリンエンジンで知られるローリング・ロイズ社、世界初の航空機会社であり主力爆撃機ランカスターなど通常航空機の開発に専念したアクロ(A.C.ロー&カンパニー)などが著名である。
第二次ネウロイ大戦におけるブリタニアは、ガリア陥落後の欧州における人類の最終防衛線であり、欧州奪還への橋頭堡であり、そして扶桑皇国、カールスラントとならぶ人類連合軍の中核的存在である。
ブリタニアと扶桑の同盟関係は、ネウロイに抗する連合軍すなわち人類統合軍の基礎であった。カールスラント防衛戦中、この二国に帝政カールスラントを加えた三カ国が「人類統合戦線共同宣言」を締結して統合司令部を置き、諸国が加盟したことで統合軍の成立に至ったのである。
やがてガリアの陥落が迫ると、ブリタニアは“ダイナモ作戦”で軍から民間までありとあらゆる支援を尽くし、ドーバー海峡を越えて無数のガリア市民を救出した。大陸諸国のウィッチも多くブリタニアへと撤退し再編されたが、カールスラントのように軍組織を維持できた国のほか、ベルギカやオストマルクのように、ブリタニア空軍の亡命外国人部隊に所属したウィッチも多かった。
欧州陥落後のブリタニアは、狭いドーバー海峡を隔てたガリアからのネウロイの脅威にさらされるようになる。人類の砦となったブリタニアには、亡命諸国のみならず世界中から優秀なウィッチが集結し、大陸反攻に備えながら沿岸防空任務に就いた。この状況下で、ブリタニア空軍ウィッチ隊総監ダウディング空軍大将の後押しによって、各国のエースを集めた第501統合戦闘航空団が誕生する。
しかし、その後のブリタニア空軍は統合戦闘航空団に協力的とはいえなかった。ダウディングの失脚で後任となったトレヴァー・マロニー大将は、自国の国益を優先して連邦内の優秀なウィッチを自国軍に留めおき、501JFWにも圧力をかけるようになる。その一方で、防空型空軍だったブリタニア空軍を攻撃型空軍へと変え、ネウロイのコアを利用した秘密兵器「ウォーロック」の開発を進めていった。
とはいえブリタニア軍の活躍は、世界に広がる大戦の各局面にわたっている。本国以外ではアフリカ戦線での陸軍の活動が顕著であるが、海軍も最重要の交易ルートである地中海の要石たるマルタ島の防衛作戦を主導し、第508統合戦闘航空団に空母とウィッチを送り込んでいる。ガリア解放を担った統合軍西方総軍隷下にも、ファラウェイランド軍を含むブリタニア第21軍集団や第2戦略空軍が編制されている。
ケルト以来のドルイド魔法を受け継ぐことから安定して優秀なウィッチを輩出しており、中東部クランウェルに位置するブリタニア空軍航空学校をはじめ、ウィッチの養成学校も多い。ウィッチは空軍所属のほうが多いものの、陸上装甲歩兵(陸上ウィッチ)の運用には積極的。
特に航空ウィッチに関しては連邦加盟国から潤沢な供給を受けており、審査の難易度や訓練期間の都合でブリタニア本国で直接入隊せず、連邦加盟国に入隊して本国派遣として舞い戻った経歴を持つウィッチもいる(ウィルマ・ビショップが好例)。ネウロイ大戦で欧州大陸が陥落しブリタニア本国が最前線となると、防空のため連邦加盟諸国から優秀なウィッチがかき集められた。
上述したように海軍での航空ウィッチ運用も早い時期から行われ、扶桑海軍最初の空母<鳳翔>に初着艦したのもブリタニアウィッチだったとされるが、戦艦偏重の傾向もあり戦力はさほど充実していなかった。ネウロイ大戦下の船団護衛では、洋上航法を解するウィッチが正規空母に配されて不足したため、CAMシップ(カタパルト搭載商船)やMACシップ(飛行甲板を特設した輸送船)に最低限の飛行教育を施したウィッチを載せ船団に随行させるようになっている。こうした船団護衛任務には、連邦加盟諸国から集まったウィッチのなかでも本国防衛に配された以外のウィッチが積極的にあてられている。
アニメ『ストライクウィッチーズ』では主な舞台となり、ドーバー海峡沿岸の501JFW基地が登場した。OVA『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』では、ポーツマスで修理を受ける扶桑戦艦<大和>の姿が描かれている。アニメ『ルミナスウィッチーズ』では序盤を中心に物語の舞台となり、ロンドン市街の中心部が詳細に描かれた。
この他、コミック『ストライクウィッチーズ 片翼の魔女たち』ではドーバー海峡に位置するブリタニア領ワイト島が部隊の基地として登場し、『ストライクウィッチーズ エーリカ・ハルトマン1941』でもブリタニアが主な舞台となった。
主要な国家説明は『ストライクウィッチーズ』DVD特典「全記録」第二集、航空機設計局の詳細については『ストライクウィッチーズ2』特典「全記録 弐」第二集に収録。
アニメ『ストライクウィッチーズ』などで描かれる第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>(配置はブリタニア→ロマーニャ→ネーデルラント)は、もともとブリタニア防衛とガリア奪還のために編成された最初の統合戦闘航空団であり、ブリタニア空軍のダウディング大将が後押しをしていたなど関係が深い。作中では1名のウィッチを送り込んでいる。
ブリタニア空軍自体は501JFWへのブリタニアエースの参加にあまり乗り気ではなく、参加希望者を転任させるような工作もあった。初期の<ストライクウィッチーズ>にはブリタニアからナイトウィッチとしてペトラ・ダンフォード軍曹が所属していたが、のちに防空のため呼び戻されている。
コミック『ストライクウィッチーズ 紅の魔女たち』で描かれる第504統合戦闘航空団<アルダーウィッチーズ>(ロマーニャ)には、1名のウィッチを参加させている。
小説『ノーブルウィッチーズ』シリーズで描かれる第506統合戦闘航空団<ノーブルウィッチーズ>(ガリア)には、A部隊に2名のウィッチを参加させている。ただし、両者とも出身はブリタニア国外(連邦外)であり、本国の陥落後にブリタニア軍に入った身である。
このうちグリュンネ少佐は、遠い血縁にすぎないがブリタニアの王位継承権を有している。
小説『スオムスいらん子中隊』シリーズ、『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』シリーズで描かれるスオムス義勇独立飛行中隊(スオムス)には、1名のウィッチを送り込んだ。
コミック『ストライクウィッチーズ 片翼の魔女たち』に登場。ワイト島を基地とし、ブリタニアの防空の一翼を担うが、実情は少々「訳有り」なウィッチの保養地、といった所。
ブリタニア空軍としての所属ウィッチは登場しないが、王立ファラウェイランド空軍から派遣されたウィルマ・ビショップ曹長はブリタニア本国の出身である。
『ルミナスウィッチーズ』の舞台である連盟空軍航空魔法音楽隊<ルミナスウィッチーズ>は、ブリタニアのロンドン郊外・ヘストンに本拠地を置く。同音楽隊の基地は、ブリタニア空軍の訓練施設に併設される形を取っている。ブリタニアからは1名のウィッチが所属する。
第508統合戦闘航空団<マイティウィッチーズ>(大西洋)には、デリア・M・ジェラム(大尉・海軍)と航空母艦<ヴィクトリアス>を派遣している。
また、第11統合戦闘飛行隊<グローリアスウィッチーズ>(Her Majesty's Witch[2]、ブリタニア)はブリタニア防空の専従部隊であり、ブリタニア連邦諸国のウィッチが中核となっている。航空団級の規模を持ちながら飛行隊なのは、連合軍統合司令部の直接指揮下に入る統合戦闘航空団に対し、統合戦闘飛行隊はあくまで現地ブリタニアの指揮下に入るため。ブリタニアのエースの多くがこの11JFSに配属されている。
アニメ『ブレイブウィッチーズ』では、輸送船団の護衛として、アウストラリス連邦出身のブリタニア海軍航空ウィッチ、ノーラ・テイラー軍曹が登場した。
コミック『ストライクウィッチーズ エーリカ・ハルトマン1941』では、ハリエット・スティーア(中尉、空軍)が登場する。また同作登場のヴィクトリア・ウルバノウィッチュ少佐はオストマルク空軍の出身であるが、作中当時はブリタニア空軍に所属している。
『アフリカの魔女』シリーズで描かれるアフリカ戦線には、セシリア・グリンダ・マイルズ少佐以下の陸戦ウィッチが登場している。
アニメ『ストライクウィッチーズ』では、主要な悪役としてトレヴァー・マロニー空軍大将が登場したほか、民間人として医師イアン・ロフティング、看護婦ウィステリア・ピースが登場した。『ストライクウィッチーズ2』『ストライクウィッチーズ劇場版』では、連合軍側の指揮官にバーンハート・モントゴメリー元帥(将軍B)が登場している。
アニメ『ルミナスウィッチーズ』では、ブリタニア政界に影響力を持つ老婦人フェリシア・ルイーザ・グレスリーが登場、航空魔法音楽隊の後ろ盾となった。
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掲示板
5 ななしのよっしん
2013/02/25(月) 15:14:10 ID: 00eHnPchlh
大戦初期の戦線崩壊の戦犯ブリタニア空軍
まあ自国を優先したい気持ちも分かるが、その結果がドーバー海峡を挟んでの睨み合いだし…
ウォーロック計画もWW1の戦車初陣みたく、数が揃ってもないのに出しちまったのが駄目だった。
6 ななしのよっしん
2018/07/22(日) 22:14:02 ID: kDq356akga
「ブリタニア連邦王国」の使用例が検索などで本当に見つからない(一期公式サイトの「国際情報」を見ても「ブリタニア連邦」表記)ので、記事名を「ブリタニア連邦」に変更しました。
7 ななしのよっしん
2020/06/04(木) 23:56:57 ID: LOGwM6lI3M
欧州議会 ブリタニア連邦選出フラナガン議員の雄姿
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最終更新:2024/04/24(水) 13:00
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