ブリュンヒルデ(ブリュンヒルト、ブリュンヒルド)とは、以下のようなものである。
ブリュンヒルデは、ゲルマンの英雄ジークフリートの生涯を描く伝説、伝承である「ニーベルンゲン伝説」のヒロインとして登場する。基本的にヴァルキュリャとして設定されており、主神の命に逆らって役目を果たせなかった罰で幽閉されている。そして、それを発見した竜殺しの英雄ジークフリートと愛し、結ばれるが様々なすれ違いや他人の企みによって、やがて引き裂かれてしまう。そして何らかの形でジークフリートは死すことになり、多くの場合ブリュンヒルデはその後を追って自死を遂げることになる。
「ニーベルンゲンの歌」においては、イースラント(アイスランド)の女王として登場。数多くの求婚者を武術で圧倒し、殺してしまうというアマゾネスの長のような姿になっている。
彼女はブルグント国王のグンテルからも求婚を受けるが、当然「結婚したけりゃ腕で来い、私に勝てりゃだけどね~(意訳)」と返す。
英雄ジークフリートは魔法のアイテム「隠れ蓑」を使ってグンテルを補助。自信満々のブリュンヒルトは負けてしまい、渋々グンテルの妻になることを受け入れる。だが、婚礼の夜に初夜のまぐわいをせんとやってきたグンテルを押さえつけて縛り上げ、天井から吊るしてまう。グンテルに身体を許す気などさらさら無いブリュンヒルトであった。
そこでジークフリートはグンテルに変装してブリュンヒルトを力づくでベッドに組み敷いて、グンテルの優位を彼女に知らしめた。それからは彼女もおとなしくなる。
数年が立ち、ジークフリートの妻であるブルグントの王女クリームヒルトが里帰りし、ブリュンヒルトとクリームヒルトは互いの夫自慢が高じて口論となってしまう。そこで、クリームヒルトは婚礼の晩にブリュンヒルトを組み敷いたのは変装したジークフリートだとカミングアウト。みんなの前で恥をかかされたブリュンヒルトは自室に逃げ帰って泣くことになる。
ブリュンヒルトを泣かしたことでブルグントの騎士団は怒り、特にトロニエの勇士ハーゲンはジークフリートを狩りの場に誘い出して、彼の急所をついて暗殺。このことが、クリームヒルトのとんでもない復讐劇につながっていくことになる。→クリームヒルトの記事へ。
ちなみにこの後のブリュンヒルトはめちゃくちゃ影が薄くなり、物語から事実上フェードアウトしてしまうのである。
「エッダ」「ヴォルズンガ・サガ」などの北欧神話でもブリュンヒルドの物語は語られるが、だいたいの流れは「ニーベルンゲン伝説」と同じである。ただ、「ヴォルズンガ・サガ」ではブリュンヒルドの出自がより詳しく語られている。姉の夫であるヘイミルという領主に育てられたこと、12歳の時にアグナルという男に魔法の羽衣を奪われて忠誠を誓わされており、これが主神オーディンの命に逆らう原因となったことなどである。
ここでは彼女と結婚する勇者はシグルズとなっており、その顛末はシグルズの記事を参照のこと。彼との間にはアスラウグという娘が生まれていることも「ヴォルズンガ・サガ」では設定されている。
リヒャルト・ワーグナーが楽劇「ニーベルングの指環」のヒロインとしてブリュンヒルデを描いたことは、彼女を近現代における代表的なワルキューレ(ヴァルキュリャ)に押し上げた。近年の創作・サブカルにおける「ブリュンヒルデ」と名の付くキャラクターは、ほとんどがこれの影響下にあると言っても過言ではない。
二人を引き裂く悪役が王妃クリームヒルドから、アルベリヒの息子ハーゲンに変わっているなど、細部は異なるとは言え、やはりジークフリートとブリュンヒルデのたどる運命はシグルズの記事に上げられた流れと変わらない。しかし、主神オーディンにあたるヴォータンとの間の親子としての情愛の対話や、「ラインの乙女」への「指環」の返却という最終的な物語のケリをつける役目が彼女に与えられる(「ブリュンヒルデの自己犠牲」)など、大幅にヒロイン性を増していると言える。
また、ワーグナーオリジナルのブリュンヒルデを長女としたワルキューレ姉妹が設定されており、これも創作・サブカルに影響を与えている。詳細はワルキューレ(楽劇)の記事へ。
サーヴァントの一騎、ランサーとして登場する。設定としては北欧神話のブリュンヒルデをベースにしている。詳細は→ランサー(蒼銀のフラグメンツ)の記事へ。
上記で見られるようなブリュンヒルデとはまた異なり、13人の姉妹の長姉という設定になっている。
人類を滅亡させようとする神々に対し、人類側に立った彼女は神VS人類最終闘争(ラグナロク)により決着をつけることを提案。天界が誇る最強神と、最強の人類「神殺しの13人」による13番勝負を繰り広げることになる。詳細は→終末のワルキューレの記事へ
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最終更新:2023/03/29(水) 00:00
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