"The largest horse racing festival in the United States"
Breeders' Cup
World Championships
ブリーダーズカップ(Breeders' Cup)とは、アメリカ合衆国で毎年10月末~11月初旬に行われている競馬の一大イベントである。賞金総額500万ドルの「ブリーダーズカップ・クラシック」を始めとしたG1競走が、2日間の開催で14競走も行われる、アメリカ競馬全体の大一番である。主に「BC」の2文字で表されることが多い。
また、ダービースタリオンシリーズのプレイヤー生産馬同士の対戦もブリーダーズカップの名称を用いている(後述)。
デルマー競馬場 現地時間11月1~2日 (日本時間11月2~3日)
内JRAでの馬券販売が行われるのはターフ、クラシック、フィリー&メアターフ、マイルの4レース。グリーンチャンネルではこのレースを中心に11月3日5:00~9:00に放送。
レース名 | 現地時間 | 日本時間 | 日本からの出走予定馬 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|
1 日 目 |
ジュヴェナイルターフスプリント | 11月1日(金)14:45 | 11月2日(土)6:45 | エコロジーク | 8着/12頭 |
ジュヴェナイルフィリーズ | 11月1日(金)15:25 | 11月2日(土)7:25 | オトメナシャチョウ | 7着/9頭 | |
アメリカンビキニ | 9着/9頭 | ||||
ジュヴェナイルフィリーズターフ | 11月1日(金)16:05 | 11月2日(土)8:05 | ー | ||
ジュヴェナイル | 11月1日(金)16:45 | 11月2日(土)8:45 | エコロアゼル | 8着/10頭 | |
シンビリーブ | 10着/10頭 | ||||
ジュヴェナイルターフ | 11月1日(金)17:25 | 11月2日(土)9:25 | サトノカルナバル | 9着/12頭 | |
2 日 目 |
フィリー&メアスプリント | 11月2日(金)12:00 | 11月3日(日)4:00 | ー | |
ターフスプリント | 11月2日(金)12:41 | 11月3日(日)4:41 | ー | ||
ディスタフ | 11月2日(金)13:21 | 11月3日(日)5:21 | アリスヴェリテ | 4着/7頭 | |
オーサムリザルト | 出走取消 | ||||
ターフ | 11月2日(金)14:01 | 11月3日(日)6:01 | ローシャムパーク | 2着/13頭 | |
シャフリヤール | 3着/13頭 | ||||
クラシック | 11月2日(金)14:41 | 11月3日(日)6:41 | フォーエバーヤング | 3着/14頭 | |
ウシュバテソーロ | 10着/14頭 | ||||
フォーエバーヤング | 13着/14頭 | ||||
フィリー&メアターフ | 11月2日(金)15:25 | 11月3日(日)7:25 | ー | ||
スプリント | 11月2日(金)16:05 | 11月3日(日)8:05 | メタマックス | 8着/11頭 | |
ドンフランキー | 9着/11頭 | ||||
リメイク | 11着/11頭 | ||||
マイル | 11月2日(金)16:45 | 11月3日(日)8:45 | テンハッピーローズ | 4着/10頭 | |
ジオグリフ | 5着/10頭 | ||||
ダートマイル | 11月2日(金)17:25 | 11月3日(日)9:25 | テーオーサンドニ | 9着/13頭 |
1984年にアメリカの大手競馬生産者・ゲインズウェイファームの提唱により始まったシリーズで、生産界主導の祭典である。アメリカ国内の種牡馬所有者に、各種牡馬の種付け料1回分を納付させ、それを賞金の資金源としている。この種付け料納付を行った種牡馬の産駒はブリーダーズカップ登録が優遇される(追加登録料がかからない)ので、種付けをする際および幼駒を売りに出す際のPRにもなる。
注目すべきは、その1開催におけるG1競走の数である。最初の1984年当時で「クラシック」「ターフ」「ディスタフ(後にレディーズクラシック)」「マイル」「スプリント」「ジュヴェナイル」「ジュヴェナイルフィリーズ」の7つものG1競走がたった1日の中にあるという豪華さは全米の、ひいては全世界の競馬界の度肝を抜いた。現在ではさらに追加されて14競走となり、格付けもすべてG1。日程も2日間に分割されるまでになった。
以下、2024年のレース順に記載。大半は冠スポンサーの名前がレース名に含まれ、ゲートなどにロゴが表記される。
施行 | 競走名 | 格 | 出走条件 | 施行コース | 総賞金額 |
---|---|---|---|---|---|
6R | ブリーダーズカップ・ ジュヴェナイルターフスプリント |
G1 | 2歳 | 芝5.5f(約1,106m) | 100万$ |
7R | NETJETS ブリーダーズカップ・ ジュヴェナイルフィリーズ |
G1 | 2歳牝馬 | ダート8.5f(約1,710m) | 200万$ |
8R | JOHN DEERE ブリーダーズカップ・ ジュヴェナイルフィリーズターフ |
G1 | 2歳牝馬 | 芝8f(約1,609m) | 100万$ |
9R | FANDUEL ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル |
G1 | 2歳牡セン | ダート8.5f(約1,710m) | 200万$ |
10R | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ | G1 | 2歳牡セン | 芝8f(約1,609m) | 100万$ |
以前は1日目は牝馬が中心に構成されていたが、2018年以降は2歳限定の競走を集めたフューチャーズスターズフライデーとして開催されている。
施行 | 競走名 | 格 | 出走条件 | 施行コース | 総賞金額 |
---|---|---|---|---|---|
4R | PNCBank ブリーダーズカップ・ フィリー&メアスプリント |
G1 | 3歳以上牝 | ダート7f(約1,408m) | 100万$ |
5R | Prevagen ブリーダーズカップ・ターフスプリント |
G1 | 3歳以上 | 芝6.5f(約1,308m) | 100万$ |
6R | LONGINES ブリーダーズカップ・ディスタフ |
G1 | 3歳以上牝 | ダート9f(約1,811m) | 200万$ |
7R | LONGINES ブリーダーズカップ・ターフ |
G1 | 3歳以上 | 芝12f(約2,414m) | 400万$ |
8R | LONGINES ブリーダーズカップ・クラシック |
G1 | 3歳以上 | ダート10f(約2,012m) | 600万$ |
9R | Maker's Mark ブリーダーズカップ・ フィリー&メアターフ |
G1 | 3歳以上牝 | 芝10f(約2,012m) | 200万$ |
10R | Cygames ブリーダーズカップ・スプリント |
G1 | 3歳以上 | ダート6f(約1,207m) | 200万$ |
11R | FANDUEL ブリーダーズカップ・マイル |
G1 | 3歳以上 | 芝8f(約1,609m) | 200万$ |
12R | Big ass Fans ブリーダーズカップ・ダートマイル |
G1 | 3歳以上 | ダート8f(約1,609m) | 100万$ |
2日目は、いろいろな距離に富んだ構成になっていて、「ターフ」「クラシック」などの注目レースも。2018年以降は3歳以上の競走で構成され、チャンピオンシップサタデーと呼ばれている。
「ディスタフ」は一時期、「レディスクラシック」に名称が変更されていたが、2013年より再び「ディスタフ」になった。近年はBCクラシックが最終レースではなく、その後にもマイルやスプリントなどのレースが展開される。
もうひとつの大きなシステムが、この競走がアメリカ全土での持ち回り制であることである。つまり開催する年ごとに開催する競馬場が変わるのである。全米を飛び越え、1996年にはカナダの競馬場でも開催している。当然ながら開催地によってコースの形状やレースの距離なども微妙に変化する。2008年と2009年は馬場がダートかオールウェザーかの違いも注目されたが、現在では後述の理由で不評だったこともありオールウェザーがほとんど使われなくなったことによりあまり顧みられることはない。
そしてこの競走はアメリカ国外からの挑戦者も多く出走する。特に芝コースで行われるBCターフはヨーロッパからの猛者が詰めかける競走として名高い。一方でダートコースの競走には海外組は比較的少なく、多くの場合で3歳馬と古馬によるアメリカ国内競馬の頂上対決になる。
放送については現在BCのスポンサーを務めるFANDUEL TVが全レースを中継。他にもNBC系列による放送、USAネットワーク、Peacockといったケーブルテレビ放送やストリーミング配信も行われる。米国外からの視聴に関してはYouTube公式チャンネルやBC公式アプリでカバーされ、日本国内ではグリーンチャンネルがJRAの馬券発売対象レースを中心に中継する。
日本からの挑戦は、1996年BCクラシックに挑んだタイキブリザードから始まる。ダート競争が傍流だった当時は、ダート競争の本場たる米国競馬への畏怖や、「秋の海外遠征と言えば凱旋門賞」という競馬関係者の憧れから、積極的に米国遠征する陣営はあまりなかった。そして実際に挑戦した日本馬達も、いずれも着外に終わってきた。
一つの転機となったのは、デルマー競馬場開催となった2021年。BCフィリー&メアターフをラヴズオンリーユーが制覇し、その2時間後にはマルシュロレーヌがダート競争であるBCディスタフを制したのである。2頭を管理した矢作芳人調教師の「西海岸開催であれば羽田空港からの直行便1本で飛べるため、輸送リスクが抑えられる」「芝コースでも好走できるダート馬なら、米国特有の赤土にも順応しやすい」という読みがハマり、BC初制覇と、日本馬の海外ダートG1初制覇が成し遂げられた。
矢作師のプランが功を奏したことで、軽めの馬場に適性のあるダート馬や、凱旋門賞の舞台であるパリロンシャン競馬場の馬場に合わない芝馬の新たな遠征プランとして再注目されるようになった。開催競馬場の立地に左右されるとはいえ、検疫が厳しいオーストラリア開催に比べ負担が軽い点も魅力と言える。サンタアニタパーク競馬場開催の2023年は更に多くの有力馬が遠征し、優勝こそ成らなかったが掲示板内に入る馬が複数登場するなど、風向きは変わりつつある。
アメリカ競馬の沽券をかけた一大イベントだが、あまり機能しにくくなっている部分も多く見られる。特に持ち回り制に関しては、アメリカ競馬界全体が不況にあえぐ昨今では開催すらできない競馬場が多く、しょっちゅうチャーチルダウンズやサンタアニタパークといった大手の競馬場ばかりが開催している(これはブリーダーズカップを真似た日本のJBCが大井競馬場ばかりで開催されているのと似たような状況ではある)。最近ではキーンランド、デルマーなどが開催地となっている。
そして種牡馬に資金を負担させてBC登録に優遇措置を取らせた結果、それに登録のない有力馬(特に外国産馬、またはアメリカ国外所属馬)が追加登録料のために出走をためらいやすくなり、面子が集まりにくくなる弊害もあった。この対策のため、アメリカ国内外の競走に「ブリーダーズカップチャレンジ」というカテゴリを設け、それらの競走の勝者にブリーダーズカップへの優先出走権を与えるようにした。一応、日本の宝塚記念もそのひとつだが、そこからそれを利用して出走した馬がいないのと同様、他の競走もいまいち機能していないのが現状である。
2012年宝塚記念優勝のオルフェーヴルも権利はあったが、当時としては当たり前のような感じで凱旋門賞へ(彼の産駒がダート中心に活躍しているが、彼がBCを選んでいたらどうなっていただろう)。先述の通り、2021年以降は秋季遠征も多様化し、特に西海岸開催年には有力な遠征先として浮上することも増えるだろう。
また一時期ダート馬場にオールウェザー素材を採用している競馬場もあった。このオールウェザー馬場は、ダートで強い馬があっさり負けるなどから適性が違うとして、これを理由に出走を嫌がる馬主陣営も少なくなかった。サンタアニタパークでは一度採用したものの、水はけの悪さから再度ダートに戻している他、2010年以降のブリーダーズカップもダートで行われている。
競馬場 | 開催年 | 回数 | 備考 |
---|---|---|---|
ハリウッドパーク | 1984, 1987, 1997 | 3 | 2013年閉場 |
アケダクト | 1985 | 1 | |
サンタアニタパーク | 1986, 1993, 2003, 2008, 2009, 2012, 2013, 2014, 2016, 2019, 2023 |
11 | 最多回数 |
チャーチルダウンズ | 1988, 1991, 1994, 1998, 2000, 2006, 2010, 2011, 2018 |
9 | |
ガルフストリームパーク | 1989, 1992, 1999 | 3 | |
ベルモントパーク | 1990, 1995, 2001, 2005 | 4 | |
ウッドバイン | 1996 | 1 | 唯一のアメリカ以外での開催 |
アーリントンパーク | 2002 | 1 | 2021年閉場 |
ローンスターパーク | 2004 | 1 | |
モンマスパーク | 2007 | 1 | |
キーンランド | 2015, 2020, 2022 | 3 | |
デルマー | 2017, 2021, 2024,2025(予定) | 2(4) |
ブリーダーズカップの動画はニコニコ動画上にもかなり多く存在するので、その一部を紹介。
掲示板
105 ななしのよっしん
2024/11/03(日) 23:49:12 ID: bZ5WdRhwho
エバヤンテンハピその他一部が頑張ったくらいで後は満遍なくボッコボコで草
何これ、遠足しにわざわざ渡米したんですか?
106 ななしのよっしん
2024/11/04(月) 09:59:17 ID: siscQeJhdO
アリスヴェリテは良い選択をしたな。米国ダートのあの最後の伸びが国内でも出来れば牝馬DG狙える株だわ
着順について米国は行った行ったの耐久戦大好きだから、日本勢と差が出るのはしゃーない。今後3年間で国内ダート界の流れが更に大きく変わりそうね
107 ななしのよっしん
2024/11/04(月) 10:02:45 ID: siscQeJhdO
>>103
クラシックなんかは地元のプライドに関わるんで総力を結集したメンバーが日英勢を迎え撃った感があったな。舐めずに全力で跳ね返してくれたのは良かった
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/14(土) 15:00
最終更新:2024/12/14(土) 15:00
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