ブルース・ロック(Blues Rock)とはロックミュージックのジャンルの一つ。
Blues(ブルース)をロックンロール的なアプローチで演奏する、ロックとブルースがフュージョンしたスタイルの音楽をいう。
第二次世界大戦後、英国ではジャズがブームとなり1950年代には、ジャズやカントリーをルーツに持つ米国の黒人音楽由来のSkiffle(スキッフル)がローカル化してブームを迎え、英国ではジミー・ペイジらなど、このスキャフルに感化されて楽器を手にした若者たちが多かった。
やがてこのブームは米国からの新しい音楽、ロックンロールのブームへとバトンタッチし、英国の若者たちは、やがてロックのルーツであるブルースに興味を持ち耳を傾けるようになった。
本国米国ではブルースは、1950年ごろからエレキギターの登場もありエレクトロニック化され、マディー・ウォーターズやB.B.キング、ハウリン・ウルフなどの伝説的アーティストらが多数登場し、ギター奏法の革新やロックンロールの成立に多大な貢献をしていたが、しかし米国の若者層には必ずしもクールな音楽とはみなされず、ブルースは黒人の演る一種の古臭い懐古的な音楽だと捉えられる傾向であった。
ところが当時不況に苦しむ状況下の英国の若いリスナーたちは、ブルースが歌う悲しみや苦悩を自分たちの青春の苦悩に重ねて想い、深くリアルに受け止め、ブルースはブームとなっていった。米国から多くのブルースのレコードが輸入され、より古典的なデルタブルース、ロバート・ジョンソンなども探求され聴かれるようになっていった。1960年代には、米国からも渡英するブルースマンも相次ぎ、サニー・ボーイ・ウィリアムソンⅡなどが英国のミュージシャンたちと共演するまでに、英国でのブールースの理解は高まった。
その初期に貢献した人物に、英国ブルースの父と呼ばれたアレクシス・コーナーが居る。彼自身もアーティストであるが黒人ブルースマンを多く招聘し、BBCラジオの自身の番組で盛んにブルースを紹介した。ミック・ジャガーやスティーヴ・マリオット、ロバート・プラントなど、数え切れない程のレジェンドとなったアーティストたちの師匠的な役割も果たした人物であった。
そんな中から自然発生的に産まれたのが、ブルース・ロックと呼ばれた新しいスタイルのロックミュージックであった。まるで黒人ブルースマンのようにブルージーに、ソウルフル歌いあげ叫ぶボーカルと、エレキギター、ブルース・ハープ、エレキベース、ドラム、キーボードなどの楽器を用い、即興的な演奏が展開されるスタイルである。
やがてそのシャウトするボーカル、ディストーションが効いたエレキギターのサウンド、アップテンポな曲調、大音量のサウンドはヘヴィロック化し、殆ハードロック・ヘヴィメタルと見分けがつかないものになり、ブルース・ハードロックとも称され、HR/HMの直接的な起源となった。
同ジャンルの古典的、代表例的なアーティストたちは、ヤードバーズ、フリー・ウッドマック、ジョン・メイオール、クリーム、ジミ・ヘンドリックス、エレクトリック・フラッグらなどである。
ローリング・ストーンズやフー、ビートルズすらもその初期はブルースを好んで演奏し彼らのベースの一つとなっている。
なお日本では白人がブルースを解釈したものとの大きな誤解があるが、ブルース・ロックのアーティストにはジミ・ヘンドリックスのような黒人や、エレクトリック・フラッグのような黒人が混成したバンドがあり、人種による区分とは関係ない。また60年代、70年代は米国においてもブルース・ロックは盛んになり、ZZトップらなどがブルースに根ざしたロックを演奏していた。
1990年代から2000年代にかけてハードロック、ヘヴィメタルやオルタナティブ・ロックの流れから古典的なブルース・ロックに回帰する動きがあり、このジャンルで新たにメジャーとなるアーティストたちが多数出現して再び脚光を浴びた。
ゲイリー・ムーアー(ハードロックでは古豪。90年代からブルース・ロックが主体に。故人。)、ホワイト・ストライプス(ジャック・ホワイト)、ジョー・ボナマッサ、ブラック・クロウズ、ブラック・カントリー・コミュニオンらなどである。彼らは古典的なブルースも好むが70年代的なハードロックも演り、さながら大人向きのヘヴィロックといった感じである。
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最終更新:2024/12/11(水) 23:00
最終更新:2024/12/11(水) 22:00
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