ブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒ 単語

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ブルーノフォンシルヴァーベルヒ

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ブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒ(Bruno von Silberberg)とは、銀河英雄伝説に登場するキャラクターである。

声優山寺宏一石黒監督OVA)。

概要

シルヴァーベルヒ
Bruno von Silberberg
(R.C. 467/468 - N.R.C. 002)
In der Animation (A.D.1988-2000

帝国1年(帝国490年)6月当時、33歳。ローエングラム朝銀河帝国において工部尚書(交通+経済産業大臣のようなもの)を務めた少壮の官僚。

ローエンラムにおける最高級の技術官僚テクノクラート)と評され、物語に多くの異才・奇才・秀才の将星が出てくるなか、数少ない異才として描かれる文民である。

皇帝ラインハルトの信頼も厚く、フェザーンへの遷都計画推進を任されていた。

経歴

初登場は6巻飛翔篇。新帝国1年のローエンラム開闢にあたり、帝国における経済ハードウェアの建設と社会資本整備を任務として新設された工部省の長、初代工部尚書として内閣に名を連ねた。

この時、シルヴァーベルヒは、工部尚書のほかにもうひとつ非公式の職名として“首都建設長官”の官職を得ることとなった。皇帝ラインハルトはすでに、都を旧帝国ゴールデンバウム王の中枢であったオーディンから帝国と同盟の中間、人類宇宙の結節点たるフェザーンへと移転する構想を抱いており、来たるべき同盟全併あかつきには遷都と新都建設を実施する責任者という立場を任されていたのである。

同年9月、即位より100日をまたずして皇帝ラインハルトフェザーン大本営を移したのにあわせ、新設まもない工部省の組織もフェザーンへと移った。フェザーン移転それ自体が新帝国の技術官僚たちにとって大きな刺となったが、なかでもシルヴァーベルヒは大本営近くの古ぼけたビルを拠点とし、兼行の務を果たしながらも、フェザーン遷都の構想、そして新皇宮“獅子のルーヴェンブルン)”の建設計画を推し進めていった。

この大本営の移転を手始めに、帝国首都事実フェザーンへ移転されてゆき、翌新帝国2年2月には同盟が全な滅亡を迎える。しかし、シルヴァーベルヒが正式な遷都の発布を見ることはついになかった。同年4月12日フェザーン代理総督官邸で開かれたワーレンルッツ両上級大将の歓送迎会において発生した爆弾テロに巻き込まれたのである。シルヴァーベルヒは19時50分の爆発で重傷を負い、ただちに病院へと移送された。しかし、多量の出血にくわえて頭にくいこんだ金属片が彼の意識回復をはばみ、23時40分、心臓の停止によって死に至ったのだった。

死後、国葬テロ事件直後にワーレン揮で仮葬儀されたのち、遠征中の皇帝より喪一日が発された。国葬皇帝帰投後の7月7日午前、先立つ“回廊の戦い”で戦死したファーレンハイトシュタインメッツ両上級大将合同のかたちで営まれた。葬儀委員長は軍務尚書オーベルシュタイン元帥。工部尚書の職務は工部省次官グルックが代行し、のちに役職も引き継いだ。なお、遷都7月29日に発されたが、新皇宮”獅子の”の建設は最高責任者の死をうけて設計・補地選定の段階で一時中断されることとなった。

能力

新王開闢にあたり新設された工部省の管轄は、恒星間輸送および通信、資開発民間宇宙および開発資材の生産、都市・鉱工業プラント・輸送基地・開発基地の建設といった広範囲の行政にわたった。同盟の属化によって飛躍的に広大化した帝国の領域全土における経済ハードウェアの建設、そして社会資本の整備にあたる、新帝国の創成期において重要の官庁であったのである。

工部尚書はその長として政治的構想、行政処理、組織管理の三者にきわめて高い準のが要される職務といえたが、シルヴァーベルヒは自身「二者はそなえているつもり」ったように、その任にふさわしいだけの量を有していた。その政治、とくに構想と実務皇帝ラインハルトの信頼をうけるところであり、軍事の“帝国軍の双璧”と肩する、精的かつ創造的な政治面の重臣といえた。その死後、皇帝ラインハルトに集中する政治的負担をわかちあうことが可だったであろう、と、キルヒアイスと並べてその才を惜しまれているほどである。

フェザーンに移ってのち、務のなかでシルヴァーベルヒは一週間だけ病気休暇を取ったが、このとき職権を代行したグルック工部省次官は、尚書と同量の仕事をこなす事ができず自信喪失し、皇帝に辞職を願い出たほど。しかし皇帝ラインハルトから慰留され、グルックは次官に留まることとなった。皇帝ラインハルトは、新帝国建設の時期なればこそシルヴァーベルヒのような異才が必要であるとして、やがて国家機構と社会体制の安定が成れば、堅実なグルックを基準にして工部省の巨大な機構と権限を縮小・適正化させようと考えていたのである。

つまり、特殊なを持つ職人に頼るのは最初だけで、やがては簡便な普及に移行させるということである。逆に言えば新帝国建設の時期にあって、シルヴァーベルヒの異才は極めて重要という事でもあった。

自負と野心

軍人でこそなかったとはいえ、シルヴァーベルヒの帝国軍の将星に匹敵する、異才と呼ぶにふさわしいものであったが、彼は同時に技術官僚として巨大な自負と野心を持っていた。

むろん王最初の、そして人類宇宙史上においても最初の工部尚書というだけで彼の名が後世に残ることは確実であったが、フェザーン遷都責任者として、彼は自らの名をさらに黄金真紅でもって麗に飾りたてるべく、惑星フェザーン宇宙に存在するかぎり、彼の名が忘れ去られることのないようにしたかった」というほどの壮大な遷都計画を企図してもいた。

そして彼は、ふたつの大きな野望を持っていた。「新王社会資本と産業基盤を全に整備し、征につづく経済的建設の時代を招来せしめること」「その時代を揮する技術官僚群の中心人物として、いずれ帝国宰相の座につくこと」。開闢以来、皇帝政のもとに宰相がおかれていないローエンラムにおいてなお、これを「さほど大それた望みとは思わない」という本人のは、自身のに対する強なまでの自負を感じさせるものであった。

彼が志半ばに斃れたとき、前者は戦乱の時代が終わりつつあるなか、たしかに動き出しつつあったといえる。後者において、構想と実務で彼に匹敵ししうる技術官僚は全宇宙ひとりもいなかっただろう。「たしかに実現性も高かったであろう」とすら評されるふたつの野心を抱えたままにして、“ローエンラムにおける最高級の技術官僚”は世を去った。

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