ブレーキ(英:brake)とは、乗り物の速度を落とし、停止させるための安全装置である。
日本語では「制動装置」と訳される。
概要
もう少し専門的に言うと、走行している車両が持つ運動エネルギーを減少させることで速度を落とし減速、停止させる装置である。
- 危険を避けるための急減速はいわゆる「急ブレーキ」と呼ばれる。
- 車両を前進させるアクセルと対になって表される場合も多い。
比喩として、企画や勢いのあるものが急速に減衰・停滞してしまう様子に用いられる場合もある。
摩擦を利用したもの
多くの乗り物では摩擦を利用したブレーキを装備しており、車輪もしくはこれと同軸に設けられた円型の部材にブレーキシュー(制輪子)を押し付けることで、運動エネルギーを熱エネルギーに変換し放出、減少させる。
摩擦によらないもの
- エンジンブレーキ
- エンジンの回転数の差を利用して減速するもの。(エンジンブレーキという部品やペダルは無い)
- 長い下り坂などで使用されるが、ブレーキランプが点灯しないという欠点もある。
- 長い下り坂においては、利用しないとブレーキが効かなくなる。…詳しくは後述にて。
- 回生ブレーキ
- 渦電流ブレーキ
航空機
船舶
「ブレーキ」は無い。 → 船舶
- スクリューの逆回転で減速停止を行う。
- 水面は路面のように摩擦がなく惰性で前進してしまうため、ブレーキの利きが悪い。[3]
- 大型船の全力前進時においては船全長の10倍以上の距離を止まれないことも。(200mの船なら止まるまでに2km以上前進してしまう)[4]
その他
- フットブレーキ
足(foot)[5]で踏み利かせるブレーキ。方式は問わない。
駐車時
機能代用
両足が不自由な方のための車(福祉車両)においては
アクセル/ブレーキ共に、側面レバーと一体化したものもある。
忘れがちなもの
自動車の教習所で習うもの。(→運転免許)
既に免許を取得している人も、少々忘れかけているかもしれない。覚えてるよね?
停止するまでの距離
- 空走距離
- 危険に気付き、ブレーキペダルを踏むまでの距離。
- 疲労や眠気、脇見運転、ながらスマホ、高齢者運転などは気づくのが大幅に遅れる。
- 制動距離(ブレーキ開始)
- ブレーキをかけ、停止するまでの距離。
- 路面が濡れていたり、タイヤがすり減っていれば大幅に伸びる。
- 停止距離:空走距離と制動距離を合計したもの。
- 速度や路面状況、整備不良、本人の体調や認識能力によっても大きく変わってしまう点に注意。
- スピードを落としたり、車間距離を大きく取るといった対策も重要である。
長い下り坂
前述のエンジンブレーキを使用しない場合に起こりうるリスク。
速度が出すぎたからと、気前よくブレーキを濫用(バタ踏みなど)していると起きるかもしれない。
山道などは上記の現象に見舞われた際に備え、緊急退避所が設けられている場合もある。
ただし草ボーボーだったり、減速の為に凹凸や砂山が設けてあるなど、愛車が無事では済まない場合も多い。
現在はブレーキ性能向上のため、使われる機会はほぼないようだが、万一に備えて覚えておいても良いかもしれない。(ちなみに待避所直前には看板があったり、待避所が複数個所設けられている場合もある)
関連動画
関連商品
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関連項目
脚注
- *信号待ちなどで「プシューッ」と大きな音を立てているのは大抵これ。
- *前進速度を揚力に使用していないヘリコプターを除く。
- *船舶自体は低速なものが多い反面、ブレーキが利きづらいといった特性である。
- *船は全速前進状態から全速で後進をかけ、船体長さの15倍以内で停まるように設計されている。(船舶法)
- *厳密に「foot」は、くるぶしから下の部分全体のことである。(かかとや足の甲・足裏・足先など)
- *安全運転義務違反、騒音運転等違反、器物損壊(タイヤ痕によって白線を損傷)など。
- *見間違えそうだが、「ペーパー」(Paper:紙)ではない。「ベーパー」(Vapor:蒸気)である。