ブースターブリッツとは (ブースターブリッツとは) [単語記事]

ブースターブリッツ/Booster Bl itzとは、『マジック:ザ・ギャザリング』（Magic: The Gathering）のレギュレーションのひとつである。

概要

その場で開封したカードのみで遊ぶリミテッド形式のルール。2018年のプロツアー『イクサランの相克』の会場で、突如前情報なしにルールが書かれたペラ1枚が配られた、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの公式ルール。
内容は非常にシンプル、かつ奥深いものとなっている。

パックを開封して基本土地とトークンカードを除く14枚のカードを使用し、3枚1組のデッキを4つ構築する。
- 先に4つのデッキを構築した方が最初のゲームの先攻となる。
- 構築に使用しないカードが出てくることがあるのでそれらのカードは脇にどけておく(使用しない)。
対戦前にランダムに使用デッキを選択して対戦を行う。
- 初期ライフ5で、最初の手札は3枚。
- プレイヤーはライブラリーからカードを引けなくなっても敗北しない。
- ゲームの勝敗をつけることが不可能な状況になった場合は引き分けとなる。
ゲームが終わったら別のデッキを使って新たにゲームを開始する。
- 直前のゲームの敗者が先攻となる。
- 直前のゲームの勝敗が付かなかった場合は任意の方法で先攻/後攻を決定する。
全4ゲームで勝利数が多かったプレイヤーが勝ち。
- 引き分けることもあります。

通常のリミテッドと言えば、公式戦でも使われるドラフトのように多くのパックを開封し構築するものや、プレリリースでおなじみの6パック開封して構築するシールド戦が有名だろう。また、少ないパックに土地を足して行うパックウォーズといったルールになじみのあるプレイヤーは多い。

このルールの特徴は、1パックで4試合遊べる点と、土地すらいらない手軽さにある。

パッと見では「なにこれ運ゲー？」と思えるだろう。確かにパックの引き運も求められるが、それ以上に、たった3枚×4個しかないデッキをいかに作るかの構築力が試される。

どうやっても基本的に満足のいかないカードパワーの"捨てデッキ"を作り相手の最強デッキとぶつかって無駄使いさせたり、弱いカードでもギリギリ勝てる可能性を残すなど……戦略は様々にある。そうなれば必然的に、カードプールの理解力も求められる。

また、通常ならば必須級のカードがこのルールではゴミと化すのも面白いところである。特にルールの都合上、ドローソースはほぼゴミである。あのAncestral Recallですらただの紙屑でしかない。

無限マナルールのためマナを要求する不確定カウンターも軒並み紙屑。マナファクトもただの置物であり、ロックデッキに使われるようないやらしいカードも大体がただの概念と化す。

逆にシヴ山のドラゴン氏のような火吹き能力（マナを支払ってパワーを上げる能力）は無限の火力と化す。彼に至っては飛行持ちでもあるので、速攻でも付けたのなら1ターンオーバーキルである。打消しや除去が相手になければ後攻でも彼の猛攻は止められない。
無限マナルールのおかげで、他のルールよりぶっ飛んだカードの組み合わせや能力が発揮できるのもこのルールの面白いところと言えるだろう。