プチエンジェル事件とは (プチエンジェルジケンとは) [単語記事]

プチエンジェル事件とは、2003年 7月に東京都赤坂にあるウィークリーマンション一室で起きた、小学6年生の少女4人が誘拐・監禁された事件である。プチエンジェルとは犯人が経営していた児童買春デートクラブの名称または会社名。

概要

2003年 7月、4人の小学生が誘拐され、赤坂のウイークリーマンションで監禁された事件。

16日、警視庁は犯人に逮捕状を請求し、捜査員が犯人のマンション付近で聞き込みを始め、物音が聞こえなくなったのを見計らい脱出した監禁されていた少女の1人が外に出て近くの花屋に助けを求め、駆けつけた警察官によって全員が保護されたものの、犯人はマンション内で練炭を炊き自殺。

この犯人が経営していたのが『プチエンジェル』という、無店舗型の未成年デートクラブ。

勧誘チラシを作成し、スカウトとして雇った女子高生を使い未成年を集め、カラオケの同伴や下着の販売、売春などが行われていた。

摘発当時、高校生から中学生、さらに小学生まで在籍していた。

犯人が借りていた埼玉県久喜市のアパートから1000本以上のビデオテープと2000名に及ぶ顧客リストが押収されたものの、その多くが偽名であったことを理由にこのデートクラブという名の非合法売春組織への捜査は打ち切られてしまう。

その顧客には政界人や医者、弁護士などの高給取りが名を連ね、総額の実利は35億円に及ぶともいわれる。一部では顧客の追及が特になされなかったのはこのためとも。

犯人は遺書を残しておらず、口封じに殺されたという説も。ちなみにこの犯人の父親は元・朝日新聞西部本社社会部長であった。

同年の9月には事件を追っていたフリーライターの染谷悟が東京湾で遺体となって発見……といろいろと闇が深い。

これを契機にそれまで今では考えられないほど低かった売春の壁が一気に高くなり、援助交際市場は急速に縮小。

しかし、一度芽生えた未成年に対する性欲は収まることはなく、舞台をアンダーグラウンドに移して違法行為が行われていた。

プチエンジェル事件は2000年代、地下に潜った未成年売春を象徴する事件と言えるだろう。