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プレガバリン(Pregabalin)とは、鎮痛薬である。先発医薬品名はリリカ®(Lyrica®)。
プレガバリンは、γ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体であり、神経障害性疼痛などの治療に用いられる。神経障害性疼痛は、神経系が物理的な圧迫や機能的な損傷などを受けて引き起こされる。神経障害性疼痛における痛みは体の障害を脳に伝える危険信号としての役割を失っており、痛みそのものが生活の質を下げる障害となっている。このような異常な疼痛を伝える神経系において、プレガバリンは電位依存性Ca2+チャネルα2δサブユニットに結合し、Ca2+の神経細胞内への流入を低下させ、興奮性神経伝達物質の放出を抑制することで鎮痛作用を示すと考えられている。GABAに類似した構造をもつが、GABA受容体には結合しない。
先発医薬品名のリリカ®(Lyrica®)は、Lyric(叙情詩)、Lyrical(叙情的な)を由来とする。リリカ®の剤形はカプセル剤とOD錠(口腔内崩壊錠)があるが、生物学的同等性が示されており、同一の適応症に同一の用法用量で使用される。日本における適応症は以下の2つだが、海外ではてんかんや全般性不安障害にも使用されている。
副作用として、めまい、傾眠、意識消失などがあるため、自動車の運転など危険を伴う作業は控えること。とくに高齢者の場合、転倒による骨折などのリスクもある。頻度は低いと考えられるものの、死亡例を含む劇症肝炎や肝障害の副作用が報告されているため、倦怠感、食欲不振、発熱などが続く場合は医師や薬剤師に相談すること。急激に投与を中止すると不眠、悪心、頭痛などをきたすおそれがあるため、1週間以上かけて漸減する。
リリカ®は、2017年度の国内医薬品売上高が第1位(937億円)[1]、2018年度は第2位(1,007億円)[2]であった。腰痛や関節痛などの適応外疾患への“濫用”が背景にあるとの指摘もある[3]。また、リリカ®による神経障害性疼痛の治療はあくまで対症療法であるため、疼痛の原因疾患の診断および治療を併せて行い、リリカ®を漫然と投与することのないよう添付文書に記載されている。
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最終更新:2024/04/23(火) 18:00
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