『ヘボット!』とは、バンダイより発売された玩具及びバンダイナムコピクチャーズ・メ~テレ製作のテレビアニメである。2016年9月17日発売、同年9月18日よりアニメ放送開始。全50話。
本項は主にアニメの内容を扱う。
概要
ニチアサキッズタイムに属する、メ~テレ製作・テレビ朝日系全国ネットでは久方ぶりの本格ギャグアニメ。
ニチアサ7時枠でのギャグ作品となると、『ニャニがニャンだー ニャンダーかめん』や、勇者シリーズではコメディ路線寄りの『黄金勇者ゴルドラン』以来といえる。
しかし、日曜朝のニュース番組新設に伴う再編成により放送枠自体が廃止になる運びとなり、結果本作がニチアサ7時枠最後の作品となった。
バンダイ、バンダイナムコエンターテインメント、月刊コロコロコミック、バンダイナムコピクチャーズによる共同プロデュースなだけあってキャラクター玩具やゲームに漫画連載とメディアミックスにはかなり気合が入っている。ちなみにゲームは基本無料な模様(※課金要素が無いとは言ってない)。
主な製作スタッフは、監督に「FAIRY TAIL」「ログ・ホライズン」などを手掛けた石平信司。シリーズ構成はアニメ版ポケモン、前々枠の「ブレイブビーツ」、「ダンボール戦機」「コロッケ!」などコロコロアニメと縁の深い冨岡淳広と、FAIRY TAILでもタッグを組んだ経験がある2人が顔を並べている。
本当にギャグアニメなの?
そもそも公式サイトに記載されているストーリーが既にギャグ方面に振り切っているほか、監督のツイートによれば収録がカオス、脚本もぶっ飛んでおるとのことなのでギャグアニメなのは確かである。
↓以下、原文のストーリー
舞台は、ネジの形の島国【ネジが島】
この島では言葉を巧みに使った【ボキャバトル】で
人々を爆笑の渦に巻き込むことが盛ん。
ボキャバトルとは【ボキャボット】同士が【ボキャネジ】を頭に
さしてギャグを生み出し対決する、最っ高に熱いギャグバトル!
この世界のすべての物事はボキャバトルの勝敗で決まる!?
ヘボすぎる主人公のボキャボット【ヘボット】と
ユル~い王子の【ネジル】との凸凹コンビがおくる、
はちゃめちゃギャグストーリー!
二人の周りには様々なボキャボット達が続々登場!
個性あふれるちょっとヘボ可愛いキャラクター達が、
ヘボットとネジルにボキャバトルを仕掛けてくる。
ボキャバトルに勝利するため、ヘボットとネジルのネジ集めの日々が始まった!
ふたを開けてみれば次から次へと予想がつかない展開が襲う、まさにカオスアニメとしか言いようがない内容であった。しかしその一方で1話以来意味深なシリアス要素がちりばめられてはいるが…
なお、本作は放送中にソーシャルゲーム「スーパーロボット大戦X-Ω」への参戦が告知された。
参戦時期は本編終了直後の10月。
放送開始から1年1ヶ月の、スパロボどころか同アプリですら異例の超スピード参戦となっている。
このことから、一応ロボットアニメとしてもカウントされる……のか?
登場人物
メインキャラクター
- ヘボット - CV:井澤詩織
- 本作の主人公である黄色いボキャボットで、ネジルのネジ魂によって誕生した経緯を持つ。名前は「ヘボいボキャボット」の略(ネジル命名)。頭にはヘボヘボネジという青いネジがささっている。表情豊かでネジルといっしょに息つく間もなくギャグを繰り広げる。おならのような「屁ボーン」をこくと何か奇跡が起きるが、こいてみる何が起こるかわらない。好物は「いもチン」というスナック菓子で、いもチンのためならなんでもする。
- その場のノリで頭身の上がった女装姿を披露する事がある。女装姿は女子高生姿の「JKヘボット(通称:ヘボ子)」、レディーススーツ姿の「ヘボスターリング捜査官」などバリエーションに富む。
- ネジル・ネジール - CV:田村奈央
- ネジが島の王子にして、ヘボットの相棒。11歳。周りがドン引きするレベルのネジマニアで、ネジのためならなんでもする。
- ジル・ハナジール国王(CV:辻親八)とのボキャバトルでヘボットがヘボすぎたために負けて王位につけず、ネジ屋を営んで修行中の身。
- ヘボットと同様、頭身の上がった姿や老人姿など、その場の勢いで劇中さまざまな姿が登場する。
- ペケット - CV:山岡ゆり
- 22話より相棒のチギルとともに登場。ヘボットの弟を自称する青いボキャボットで、ヘボットが屁をこくように尻から大量の放水をする。ヘボットのように頭身の上がった女装(通称:ペケ子)をする事がある。
- チギル・チギール - CV:前野智昭
- 22話より登場。ネジルの3歳上の兄で、何かと「ダメだダメだ!」と厳しいダメ出しをしたがる。本来は弱気な性格だったようで、精神的ダメージを受けるとしおしおの姿になる。ネジルが物心つく前に修行の旅に出ていたため、ネジルは兄がいた事を知らなかった。
- モエル - CV:新祐樹
- 主人公を夢見る熱血少年。主人公の座を乗っ取ろうとしているが本人のヘタレさからうまくいかない。
- 本人も存在を知らなかった「モエナイ」という妹がいる。
- カスリーナ - CV:尾崎真実
- 正ヒロインを夢見る強かな少女。モエルを主人公にしようと毎度画策するがいつもうまくいかない。
- 瓜二つの見た目の「カスリーナ姫」とは別人らしい。
- スチャット - CV:内田岳志
- モエル、カスリーナと行動をともにするボキャボット。三人合わせて「モエカストリオ」と呼ばれる。メガネと角帽がトレードマーク。登場後しばらくは「キャラが薄い」との批難を浴びる事もあったが、のちにキャラを絞り出し八頭身の「スーパースチャットスーパー」へ変身できるようになった。
- ボキャ美 - CV:新井里美
- ヘボットに思いを寄せるストーカー。キャミソールを着た少女の姿をしているが本体は頭に刺さったボキャボット。
- ヴィーテ姫 - CV:日野由利加
- なんだか意味深そうな人。いったい何者なのだろうか…
- ネジ柳ユーコ - CV:藤井ゆきよ
- 某有名ホラー映画に出てきそうなルックスの女性。既婚者。最初はゲストキャラかと思われていたが、気がついたら準レギュラーキャラぐらいまでの出番のある準ヒロインになっていた。
エトボキャボット
干支を模したボキャボット達。多くがヴィーテ姫と繋がっており、何らかの意図でネジルをサポートしている模様。ヘボットと合体可能で、各々が持つ「エトネジ」により固有の「エトコンボ」を発動させる事ができる。
順を追って玩具化されていたが、売上不振により後半の6体は頭に刺さったネジのみのまとめ売りになった。この扱いはアニメ本編でもネタにされており、本体未発売のエトボキャ達は「ネジだけボーイズ」を結成して「ネジだけだよ」というキャラソンを披露した。
- DJサルッキー - CV:中務貴幸
- 猿をモチーフとした紫色のボキャボット。ラッパーのような口調が特徴で、韻を踏んだしゃべり方をする。
- カットビタイガー - CV:山口智大
- トラと自動車を掛け合わせたような姿のボキャボットで、頭部にはハンドルを模したネジが刺さっている。
- スカイラビット - CV:山岡ゆり
- ネジの月から青い兎のような姿をしたボキャボットで、頭部にはポストを模したネジが刺さっている。大きな耳を用いた飛行術を生かし、郵便配達業で生計を立てている。
- ダディボア - CV:横島亘
- 猪をモチーフとしたボキャボット。ヘルメットを被った熱血親父で、なんでも破壊してしまうが子供には優しい。なぜか時たま八頭身の姿になる。
- トグロール - CV:内田岳志
- 蛇をモチーフとしたボキャボット。熱いものはなんでも消してしまう消防隊キャラ。トグロを巻いた見た目によりトイレに流されそうになる。
- ハクセンチョウ - CV:青山穣
- 鳥をモチーフとしたボキャボット。どんな事もいい声でいい感じに言ってしまう。相棒のトリッキーとさすらいの冒険に出ている。
- チャラブレッド - CV:内田岳志
- 馬をモチーフとしたボキャボット。リーゼントとサングラスがトレードマークのロックな性格をしている。
- ゲキアツドラゴン - CV:黒田崇矢
- 龍をモチーフとしたボキャボット。「ゲキドラ飯店」の店長を務める凄腕の料理人。兄が3人いる。
- ときどきスケバン刑事のような八頭身の女装姿になる。
- ポリドロケン - CV:青山穣
- 犬をモチーフとしたボキャボット。熱い正義に燃えるお巡りさん。実は二重人格で、夜になると怪盗の人格が現れる。物語後半ではナグリ王妃によりネジが島に警察組織が設置された事により、大量の同型とたびたび登場するようになった。
- 呉多島デンタウロス - CV:山口智広
- 牛をモチーフとしたボキャボット。いろいろあって司会者から歯医者へと転職した経歴を持つ。人生の敗者を自称している。「ミソタウロス(CV:磯部勉)」という双子の弟がいる。
- ダガシープ - CV:関口英二
- 羊をモチーフとしたボキャボット。屋台を引いて全国を旅している。フーテンの寅さんがキャラのモチーフになっており、非常に女性に惚れっぽい。何かと妹の名前を叫ぶ(妹の名前は毎回違う)。
- ハッカネズミ - CV:下山吉光
- 鼠をモチーフとしたボキャボット。頭脳派の天才ハッカー。
その他
- ネジ王 / オールディス - CV:井上和彦
- どこからともなく現れ、ボキャバトルをジャッジするネジ界の神様的存在。赤フンを締めた老人と巨大なネジが合体したような見た目をしているが、実はその外見はオーバーボディ(着ぐるみ)であり、本体はナイスミドルなイケメンである。本体を古く知る知人からは「オールディス」と呼ばれている。
- ボキャリーマントリオ
- グチリーマン(CV:内田夕夜)、ゲロリーマン(CV:辻親八)、ゴロリーマン(CV:横島亘)の3体。仕事により事あるごとにヘボットたちの前に立ちふさがるが、ヘボットたちからは友達として認識されている模様。シャーロック・ホームズ風の仮装を好む。
- 土星ババア / サートゥルヌス - CV:新井里美
- 土星に住む、青い肌で多足生物のおぞましい風貌をしたババア。土星のパーキングエリアに駐車してある車を強奪して勝手に売り払ったり、届け物の荷物が壊れていたなどとクレームを付けて代金を支払わなかったりする迷惑なババア。実は化け物の見た目はオーバーボディであり本体は黒髪ロングの美少女。
- ネジキール卿 - CV:伊丸岡篤
- 未来のネジルを名乗る謎多き大男。筋骨隆々な見た目で残虐な性格をしている。クロスレンチをモチーフとした武器を扱っている。
- マンドライバー - CV:内田夕夜
- 未来のネジルを名乗る謎多きイケメン。ヘボットと合体したような見た目をしている。ドライバーをモチーフとした武器で戦う。生活力はない。
- 春風ムラキ - CV:中務貴幸
- 15話より登場。自称、世界を股にかける探偵。くーるじゃぱんよりやってきたらしい。爬虫類のような見た目をしており、何かと気取った独白をしたがる、村上春樹作品パロキャラ。奇人ばかりのヘボットの中ではわりと常識人である。名台詞は「なんて・・・勉強になるアニメだ・・・(死んだ魚のような目)」。
- パチボット - CV:安原義人
- 17話より登場。ヘボットのパチ物。本物の座を賭けてヘボットと戦う。語尾は「~パチ」。顔がパカッと割れると中よりアステカ文明風の顔が現れ、「ミョンミョンヘボラヘ~」という謎の呪文を唱えることで周囲の者にドラッグ感溢れる幻覚を見せる事ができる。
- スゴスゴインダーネジ - CV:たかはし智秋
- 29話より登場。ロケットのような見た目を持つ、とにかくスゴい究極にDXなネジ。ボキャネジは通常手のひらに収まる程度の大きさだが、ボキャボット本体と同じくらいデカい。ネジでありながら人格を有しており、飛行能力やビーム砲「イインダヨ砲」を搭載している等、規格外の存在。通称「スゴ様」。なんでもかんでも「イインダヨ~」と肯定してくれる。膨大なエナジーを秘めており、挿されたボキャボットは大幅なレベルアップができるとされるが、ボキャバトルでは低ランクのコンボしか出せず(玩具がその仕様だったため)、結果実はノーマルネジだった事が判明し糾弾を受けた。基本的に気ままに単独行動している。終盤では頭身の上がった女装姿を披露した(通称:スゴ子)。
- ナグリ・ドツーキ- CV:能登麻美子
- ネジが島王妃。中盤よりシルエットで登場していたが、39話で正式に登場。腕のような形状のピンクのおさげ髪が特徴。王国一の格闘家で、母親とは思えないほど若々しく筋肉質な肉体をキープしている。鍛え上げた身体より繰り出されるオラオララッシュの威力は凄まじく、どんな猛者もボコボコにしてしまう。語尾に「~コブシ」とつけて喋る。
- 流れ星 ちゅうえい&たきうえ - CV:本人
- 浅井企画所属の芸人。アニメ開始前よりヘボット宣伝大使を務めており、本編にも25話で本人役で出演した。ゲスト出演とはいえ1話まるまる出ずっぱりで、インタビューでは「引くほど俺らのセリフ量が多かった」と語っている。くーるじゃぱんからやって来た芸人という設定で、小さい島のお笑い大会なら勝てるだろうと目論んで乗り込んできたが、あっけなく予選落ちした。以降の話でもセリフなしのモブとしてもっぱらフリー素材のような扱いでたびたび出演している。
- エース・オカ - CV:本人(岡香織)
- 「ヘボット」を企画・開発したバンダイ社員。アニメ本編にも出演しており、声も本人がアフレコしているが、妙に上手い。ボキャバトルで流れる膨大な数のギャグは全て岡氏が考案したものである。同氏は「ヘブン状態」で有名な乙女ゲーム「DUEL LOVE」の企画者でもある。
- マカロニ
- 話の本筋とは全く関係なく出てくるマカロニ。
用語
- ネジが島
- 作品の舞台。地球のどこかにある、ネジのような形をしている島。【ボキャバトル】が盛んの様だが他に娯楽は無いのだろうか。
- ボキャボット
- ネジ魂から生まれる小型のロボット。○○ネジの種類の数だけ主となるボキャボットが存在する。
- ボキャバトル
- 本作で重要視される要素。玩具のメイン要素。ボキャボット同士がボキャネジを頭にさしてギャグを生み出し対決するギャグバトルのこと。挿すネジの組み合わせによりさまざまなコンボが発動し、5段階のランクづけがなされる。劇中ではギャグという扱いにはなっているが、多くの場合意味不明な言葉の羅列である。ギャグの内容はバンダイ社員の岡香織が、コンボで流れる多彩なジャンルのミュージック及び歌唱部分は「あたりまえ体操」で有名な樋口太陽率いるオフィスヒグチが担当している。
- ボキャネジ
- ボキャボットに挿すネジ。ボキャボットに挿し込むことでギャグを生み出すことができる。現実世界での価格は1つ税込270円。
- いもチン
- ヘボットの好物のスナック菓子。現実世界でも商品展開されたが、出荷数を絞っていたせいか発売後間もなく入手困難な状態に突入、通販ですら手に入らない状態になり、劇中とは違い非常に貴重な存在のお菓子になった。ちなみに「いもチン」という名前でありながら原材料はトウモロコシである。アニメで登場したいもチン製造工場ではその点はタブーとされていた。
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