ヘリック共和国とは (ヘリックキョウワコクとは) [単語記事]

ヘリック共和国とは、『ゾイド』シリーズに登場する架空の国家である。

国章は旧シリーズでは丸の中に斜めに走る稲妻模様とシンプルなものだが、新シリーズでは惑星Ziらしき球型地図の周りに植物の蔦のようなパーツをあしらい、その上に黄色い稲妻模様が横一文字に置かれたものになっている。

概要

かつて中央大陸デルポイの部族間戦争を平定したヘリック・ムーロアが打ち建てたヘリック王国を前身とし、その息子のヘリック・ムーロア2世が王政を廃してより民主的な共和制国家として成立させたのが始まり。

王国時代および成立初期は中央大陸全土を領土としていたが、当時の軍司令官だったゼネバスが西部地方でクーデターを起こしてゼネバス帝国を建国してからは中央山脈を境界線としてその覇権を二分するようになり、さらに互いの領土をめぐって激しくぶつかりあうようになる。一度ゼネバス帝国を大陸から叩きだす事に成功したZAC2039年には再び中央大陸全土を統治するようになるが、ZAC2041年にゼネバス帝国が戻ってくると今度は自国側の首都を奪われてしまった。それでも数年後には首都を奪還して持ち直し、ゼネバス帝国が滅亡したZAC2051年以降に改めて中央大陸の統治国家となった。

しかし、今度は暗黒大陸ニクスのガイロス帝国軍との間で第一次大陸間戦争が勃発、この時は惑星Zi大異変の発生により強制的に停戦状態に追い込まれた。ZAC2099年にはルイーズ・エレナ・キャムフォードを新大統領に迎えての復興が進んでいたが、ガイロス帝国が再び動きだしたと知って彼等が侵攻した西方大陸エウロペにも自軍を派遣、第二次大陸間戦争が勃発する。西方大陸での戦争を制した後には暗黒大陸にも進軍し、再びガイロス軍を追い詰めるも、その隙に旧ゼネバス派が興したネオゼネバス帝国の侵攻によってまたしても首都を落とされ、あまつさえ中央大陸に帰還した共和国軍残存部隊も敗北を重ねて共和国軍そのものが中央大陸から追い出されてしまった。

その後は東方大陸の支援を受けて軍備を再編し、首都奪還のため中央大陸に舞い戻る。バトルストーリーではこの首都奪還戦にて話が終わっているため、それ以降の歴史は不明である。

豊かな中央大陸東部を基本領土としているため国力に関して言えば全時代通して常にゼネバス帝国とガイロス帝国の上を行っており、それに基づいた高い生産力こそヘリック共和国の最大の武器である。しかし、この豊潤な国土はゼネバス・ガイロス両国が最も欲するものでもあり、それがヘリック共和国がしょっちゅう他国から戦争をふっかけられる原因の一つになっている。

国政は民主制との事だが、いまだ国民の間では中央大陸制覇を成し遂げたヘリック・ムーロア1世とその血筋を王家として特別視する考えが根強いとされている。現在ではヘリック系民族と旧ゼネバス系民族との融和も進んでいるが、いざネオゼネバス帝国が侵攻を開始するや旧ゼネバス系の人間達はこぞってネオゼネバス帝国を支援し出しているなど、溝が完全に埋まりきっているわけではない。ただ、両民族の共通認識としてガイロス帝国を極端に忌避しているようで、旧共和国軍部がガイロス帝国を同盟を結んでもなお国民達はガイロス帝国との敵対姿勢を貫くネオゼネバス帝国を支持している。

首都は大陸東部にあるヘリックシティ。西方大陸には共和国派民族の拠点としてニューヘリックシティという都市があるが、直接的な関係は無い（ただし、『ゾイド -ZOIDS-』ではこっちが首都である）。

軍事

その高い国力に裏打ちされた生産力と工業力により保有するゾイドの種類数と保有数は極めて豊富で、軍事力こそ両帝国に劣ると言われるが、タイミングさえ合えばゴジュラス、ウルトラザウルス、マッドサンダーといった大型ゾイドを短期間で量産できる。

ゾイドのコンセプトは割とシンプルで、ベースとしたゾイドのコアに手を加える事なくそのまま改造して使用し、武装も旧式だが信頼性の高い実弾系を採用する傾向が強く、さらに最大の特徴としてコクピットには視界が広く取れるキャノピーを使う例が非常に多いが、ゾイドの種類によってはその限りではない。

技術レベルはZAC2051からZAC2054の間にピークに達するが、惑星Zi大異変の影響でそれらの技術の大半が失われてしまい、旧時代機を再生産する事で落ちた軍備を再編していった。第二次大陸間戦争では軍事力と技術力で勝るガイロス帝国に圧されていたが後に帝国軍から“オーガノイドシステム”や“完全野生体改造技術”といったノウハウを奪取し、それを反映する事でガイロス帝国に対抗した。

ネオゼネバス軍との戦いでは国土のほとんどを失っていたため保有するゾイドの数も種類も極端に少なくなっている。この頃では東方大陸のZOITEC社およびガイロス帝国の支援を受けてどうにかその体裁を保っている程度であったが、後にZOITEC社が共和国への全面支援に傾いたため、多数のブロックスゾイドやその技術を応用した新型ゾイドを投入できるようになった。

保有ゾイド

第一次中央大陸戦争期

RMZ‐001 ガリウス	RMZ‐002 グライドラー	RMZ‐003 エレファントス	RMZ‐004 グランチュラ	RMZ‐005 アクアドン
RBOZ‐001 ビガザウロ	RMZ‐006 ゴルゴドス	RMZ‐007 ハイドッカー	RMZ‐008 ペガサロス	RBOZ‐002 マンモス
RMZ‐009 フロレシオス	RMZ‐010 スパイカー	RMZ‐011 ゴドス	RMZ‐012 ガイサック	RBOZ‐003 ゴジュラス
RBOZ‐004 ゴルドス	RMZ‐020 バリゲーター	RPZ‐009 サラマンダー	RMZ‐021 プテラス	RPZ‐002 グスタフ
RMZ‐025 スネークス	RMZ‐027 カノントータス	RBOZ‐005 ウルトラザウルス	RBOZ‐??? ゴジュラスMk-2	RMZ‐030 ダブルソーダ
RBOZ‐??? ゴジュラスMk-2量産型	RHI‐003 コマンドウルフ	RPZ‐003 シールドライガー	RHI‐004 ゴルヘックス	RHI‐006 ベアファイター
RHI‐008 アロザウラー	RBOZ‐006 ディバイソン	RHI‐??? コマンドウルフNEW	RHI‐??? ベアファイターNEW	RPZ‐??? シールドライガーMk-2
RBOZ-008 マッドサンダー	R24-004 メガトプロス	R24-005 バトルローバー	R24-006 ネプチューン	24-F002 サンドスピーダ

第一次大陸間戦争期

RHI‐010 レイノス	RHI‐012 カノンフォート	RPZ‐011 ガンブラスター	RPZ‐012 ハウンドソルジャー	RPZ‐014 サラマンダーF2
RPZ‐015 キングライガー	RPZ‐018 オルディオス	RPZ‐019 ゴッドカイザー	RPZ‐020 キングバロン	RPZ‐022 バトルクーガー
RPZ‐024 キングゴジュラス	HRZ‐005 ドスゴドス	HRZ‐006 エクスグランチュラ	HRZ‐008 バリゲーターTS	HRZ‐010 ティガゴドス
RTF‐001 ショットイーグル	RTF‐002 ゴルゴランチャー	RTF‐003 サンダーカノン

第ニ次大陸間戦争期（西方大陸～暗黒大陸戦争まで）

RZ‐001 ゴジュラス	RZ‐002 ガイサック	RZ‐003 バリゲーター	RZ‐007 シールドライガー	RZ‐008 ゴルドス
RZ‐009 コマンドウルフ	RZ‐010 プテラス	RZ‐013 カノントータス	RZ‐014 ゴドス	RZ‐019 ダブルソーダ
RZ‐020 ステルスバイパー	RZ‐028 ブレードライガー	RZ‐029 ストームソーダー	RZ‐030 ガンスナイパー	RZ‐??? シールドライガーDCS-J
RZ‐031 ディバイソン	RZ‐??? ゴジュラス・ジ・オーガ	RZ‐033 ハンマーヘッド	RZ‐037 ウルトラザウルス	RZ‐039 レイノス
RZ‐041 ライガーゼロ	RZ‐042 コマンドウルフAC	RZ‐??? ベアファイター	RZ‐043 スピノサパー	RZ‐045 サラマンダー
RZ‐046 シャドーフォックス	RZ‐052 ガンブラスター	RZ‐053 ケーニッヒウルフ	RZ‐055 マッドサンダー	RZ‐057 スナイプマスター
RZ‐058 メガレオン	RZ‐062 セイバリオン

第ニ次中央大陸戦争期

RZ‐064 ゴジュラスギガ	RZ‐066 ゴルヘックス	RZ‐067 アロザウラー	RZ‐070 凱龍輝	RZ‐071 ライガーゼロフェニックス
BZ‐001 レオブレイズ	BZ‐002 ウネンラギア	BZ‐003 モサスレッジ	BZ‐004 ナイトワイズ	BZ‐009 バスターイーグル
BZ‐010 ボルドガルド	BZ‐012 レオストライカー	BZ‐013 カノンダイバー	BZ‐018 ディスペロウ	BZ‐019 エヴォフライヤー
BZ‐020 レオゲーター	BZ‐021 ディメトロプテラ	BZ‐022 ジェットファルコン

主な所属人物

バトルストーリーシリーズ、オフィシャルファンブックシリーズに記載された人物のみ表記。
ゲーム、マンガ、アニメのキャラは該当項目を参照。

旧バトルストーリーシリーズ

役職	名前	主な使用ゾイド
大統領	ヘリック・ムーロア2世	ウルトラザウルス（ケンタウロス）、キングゴジュラス
大尉	ロイ・ジー・トーマス	カノントータス、ゴジュラスMk-2
中尉	ロイ・ジー・クルーガ	レイノス、ガンブラスター、サラマンダーF2、オルディオス
大佐	ヨハン・エリクソン	シールドライガー、ウルトラザウルス
大尉	ローザ・ラウリ	バトルローバー、ウルトラザウルス（ケンタウロス）
教授	ハーバート・リー・チェスター	なし
少佐	マーチン	ディバイソン
大尉	ルイス	アロザウラー
大尉	ロバーツ	メガトプロス、サラマンダー（ガブリエーレ）
大尉	グラハム	レイノス、ハウンドソルジャー、ガンブラスター
大佐	シャイダー	マッドサンダー（マッドフライ）
提督	ベルガー	マッドサンダー（サンダーパイレーツ）
技術者	トミー・ミューラー	なし
大佐	ホワイト	キングライガー
中尉	ミッチャム	シールドライガーMk-2
少佐	ロジャース	カノンフォート

新バトルストーリーシリーズ

役職	名前	主な使用ゾイド
大統領	ルイーズ・エレナ・キャムフォード	なし
中佐	ロブ・ハーマン	ゴジュラス、ウルトラザウルス（ザ・デストロイヤー）、ケーニッヒウルフ
中佐	エル･ジー･ハルフォード	シールドライガー
少佐	アーサー・ボーグマン	ブレードライガー
中尉	レイ・グレック	シールドライガーDCS-J、ライガーゼロ（フェニックス、ファルコン）
大尉	トミー・パリス	コマンドウルフ、コマンドウルフAC、セイバリオン
傭兵	アーバイン（※1）	コマンドウルフ（IS）、ゴジュラス・ジ・オーガ
軍曹	インディゴ・ランバート	ガイサック
少佐	ケイ・イスルギ	ブレードライガー（KS）
少尉	マミ・プリジット	ストームソーダー
曹長	マリン・ブルーガー	ハンマーヘッド
少佐	ウィナー・キッド	ライガーゼロ（イェーガー、パンツァー）
伍長	バディター・ロウエン	ガンブラスター、ゴルヘックス
大尉	エクス・プロイト	ガンブラスター
少尉	シシリー・ヴォルタ	ライガーゼロ（シュナイダー）
中尉	サヤカ・クーイン	シャドーフォックス
中佐	セレス・アルドワーズ	ライガーゼロ（パンツァー）
軍曹	ゾート・ラスト	スピノサパー
軍曹	タクマ・イスルギ・サンダース	シールドライガー
少佐	パフィ・フィスト	サラマンダー（カーゴ）
曹長	ナイト・バイケルン	ライガーゼロ
少尉	ビー・フュゼル	レイノス
大尉	ミロリー・ルディット	ウルトラザウルス
少尉	スティブ・ボーン	ケーニッヒウルフ、ゴジュラスギガ
大尉	デュー・エルド	アロザウラー

※1 アーバインは西方大陸人だが、劇中では一貫して共和国派として行動していた。

主な所属部隊

ブルーパイレーツ
中央山脈の山岳地帯にあるドクロ岩と呼ばれる場所を拠点とするコマンド部隊。
配備ゾイドは超小型のアタックゾイドだけだが、山岳や森林におけるゲリラ戦でこの部隊に敵うものは居ないとしてゼネバス帝国から大いに恐れられた。
Mk-2 部隊
武装や出力を強化されたコマンドウルフ、ベアファイター、シールドライガーで構成された混成精鋭部隊。
同じく強化されたゼネバス帝国軍のMk-2 部隊に対抗していった。
独立第二高速大隊
シールドライガーやコマンドウルフといった高速系ゾイドで構成された部隊。
第二次大陸間戦争にてガイロス帝国に占領されたオリンポス山への先行突撃任務を受ける。
しかし、セイバータイガーやデスザウラーとの交戦の果てに隊長以下のメンバーはトミー・パリスを除いて全滅した。
デストロイヤー兵団
1200mm大口径巨大砲を装備したウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーを中核とした最終決戦部隊。
ゴジュラス・ジ・オーガやデストロイドゴジュラス、ストームソーダーを始めとする強力なゾイドで編成されている。
最後にはウルトラザウルスの砲撃によってガイロス軍を駆逐し、西方大陸での戦いを終結させた。
閃光師団（レイフォース）
暗黒大陸の戦争に備えて新規結成された特殊精鋭部隊。
メンバーもエースパイロット揃いで、ライガーゼロやシャドーフォックス、コマンドウルフ ACを始めとする最新鋭ゾイドを多数配備した当時の共和国軍最強部隊であったが、暗黒大陸での戦いでは鉄竜騎兵団を仕留め切れず、ひいては中央大陸をネオゼネバス帝国に奪われた責任（だいたいレイ・グレックの所為）を負わされ、それ以降は懲罰部隊に降格されて危険な戦いを強いられるハメになった。

ヘリック共和国単語

概要