詳しい説明などはWikipediaなどを各自参照していただくとして、ここでは軽く概要のみ触れる。
発祥は北米に先住していたインディアン達によるもので、バッファローやシカなどから採れる脂を熱して溶かし、そこに干し肉、ナッツやドライフルーツなどを加え、「脂で煮込む」ことによって加熱して冷やして固めたものを指す。
この「脂で煮込み固める」という過程を得て、干し肉などが水分や空気に触れることが無くなり、限りなく密閉された言わば脂による缶詰のような状態となり、2年から10年と驚くほど長期的な保存が可能となっている。インディアンたちはこれらを保存食や交易品として重宝していた。
後に19世紀に行われたインディアン戦争、そして第二次世界大戦に至るまで、アメリカ軍はこのぺミカンを戦闘糧食に用いた記録があり、これが後にかの有名なMREレーションに繋がったのだろう。もちろん味に関しては米軍なのでお察し……
主成分が脂のため非常に高カロリーで、かつ保存性も高いことから、後に北極や南極への極地探検に用いられ、探検家や登山家たちの間でも知られる食品となった。
日本においても、大学の山岳部など登山愛好家たちの間で伝統的に用いられていた。そもそも、製法や食べ方などが限りなくカレーやシチューの固形ルーに近いのもあって、米になんでもかけたがる日本人には相性は良いとも言えるだろう。(だったら最初からカレールーを買えば良いなど野暮なことは言ってはならない)
ただし、日本でペミカンを作ろうとしても、バッファローの脂など簡単に手に入るものではないので、バターやラードなどで代用した「ペミカンのような何か」になるのが大半である。そもそもペミカンにはコレと言った正しい製法があるわけではないので、「動物性油脂で煮込んだ保存食」ならペミカンと呼んでも差支えはないだろう。実際Googleでペミカンを日本語で検索すると、さまざまな製法が載っている。聡明な方は気づくだろうが、ほとんどカレーやシチューの作り方に近い。
一応注意点として、サラダ油やオリーブ油など植物性の油で煮込んでも、融点の関係で常温では固まらないので、自作するなら動物性油脂を用いることを強く薦める。つまりアヒージョやコンフィは「油で煮る」製法は似ていてもペミカンとは呼ばない。「油」と「脂」の違いを知ると、こういった料理が一段と楽しくなる。
ペミカンそのものの知名度が高くはないため、ニコニコ動画における関連動画は少なく、主にサバイバル愛好家の動画などに登場する。
設備が整っていなくても容易に作れる保存食という事でサバイバル系の洋ゲーでは偶に出て来るのに加えて
後述するカメ五郎氏の動画の影響なのか、日本においてもじわじわと知名度が向上したのか、解説動画や実際に作ってみた系の動画もいくらか登場してきている。
上述したカメ五郎氏による「シカ肉のペミカン」。狩猟生活によって捕ったシカの脂を煮込み、そこにシカの干し肉と、同生活で採れたクルミを混ぜて煮込んだものである。
視聴者からは「排水溝の落ち葉」などと揶揄されていたそれは、果たしてどうなるのか……?
1年後に再び狩猟生活が始まり、冷凍庫に眠っていたペミカンが解禁された。氏曰く「グッピーのエサの匂いがする」と言っていたそれは、果たして煮込むとどのような味になるのか……?
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最終更新:2024/04/18(木) 09:00
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