ホットハッチとは、ハッチバックと言う実用向けの車体形状でありながら、スポーティな走りもできる車のこと。人によって定義は異なるが、概ねハッチバック車におけるスポーティモデル(大抵がFF)がそれに当たる場合が多い。似たような言葉に「スポーツコンパクト」がある。また、80年代の車種は「ボーイズレーサー」とも呼ばれていた。
ハッチバックと言えば、荷物を運べて人も乗せられる万能なクルマというイメージが強い。その反面、リアの大きな開口部がボディの剛性を無くしてしまっているので、スポーツには適さないクルマであるとの認識もある。
ただ、一般的なセダンと比べると、後方に荷物を積むための専用のトランクがないのでその分車体が軽く、車体の全長やホイールベースも縮められるので小回りも効きやすいといった利点もある。
そこで、このようなハッチバックの利点を生かして高性能なエンジンを搭載したり、足回りを硬くしたりしてスポーツ性の一面を持たせたのがホットハッチである。
明確な定義はないが、だいたい以下のような点を満たしている車をさす。
上記4つの中で特に重要視されるのが1.と2.で、これに当て嵌まらなければホットハッチと呼ばれることはない。3と4はエンジンの仕様や装備など、人の趣向に左右されるので明確に定義できないが、だいたいの人であればこの範囲で納まる傾向にある。
スポーツカーにはスポーツカーの面白さはあるが、このようなホットハッチを好むユーザーには一概に「普段の使い勝手も考慮でき、いざと言うとき(主にジムカーナやサーキットなどの草レース)は軽快な走りができる車」と言う実用性とスポーツ性を兼ね備えたジャンルのクルマが欲しかったと言える。
欧州における近年のホットハッチは、ダウンサイジングコンセプトに則ったエンジンを搭載している車が殆どである。2006年頃からフォルクスワーゲンをはじめ、多くのメーカーが小排気量(1.4~2.0リットル)のガソリン直噴エンジンと小型ターボチャージャー/スーパーチャージャーを組み合わせ高効率・低燃費化を実現したエンジンを開発し、モデルチェンジに伴ってハッチバック車へ搭載するようになり一気に普及した。この中でも高出力・スポーティさをアピールをしたモデル、即ちホットハッチが増加、群雄割拠の様相を呈している。
また、総合的な高性能化も著しい。搭載されるエンジンの出力は今や200psを越え、300psのものもあるが単に馬力を高めただけではない。最大トルクを低速から発生させる事でアクセルを多く踏み込む事無くスムーズで力強い加速を可能としている他、ホイールスピンを防ぐトラクションコントロール等の電子制御が備わっている車種も在る。
パワーだけではなくシャシーや足回りも抜かりが無い。ベースグレード比でボディ剛性が高められ、より細かなセッティングを可能とし上質な乗り心地・安定性を実現できるマルチリンク式をリアサスペンション側へ採用したり、スポーツカー顔負けの大径ディスクローター、大型キャリパーから成るブレーキが装備されるなど高速度域と高出力エンジンに対応するため、性能向上に惜しみなくコストが掛かっている。
もはやホットハッチという枠組みを超え、スポーツカーに匹敵する運動性能を発揮できるホットハッチも存在する。ルノー・メガーヌR.Sや2015年に発売された新型ホンダ・シビックTYPE Rの2台は前者が最大275ps、後者は310psという前輪駆動車としては限界に近い高出力を発生。FFの悪癖を打ち消しつつより運動性能を高める為、それぞれ各メーカー独自の機構を開発しフロントサスペンションに採用している。詳細を書くと余りにも長くなってしまうため外部リンクより参照されたし。
国内では欧州の様なハイパワーなホットハッチはほぼ無いものの、信頼性の高さ、多くの車種が5ドア車であり実用性も高く、車体価格・維持費の安さもあり手頃にスポーティな走りを楽しめる事からコストパフォーマンスに優れている。
トヨタ、日産、ホンダ、スズキ辺りが現在ホットハッチを販売しており、特にスズキ・スイフトスポーツの2代目はお手頃価格でそこそこ回るエンジン、軽快なハンドリングが楽しめる国産ホットハッチのベンチマークと言える存在となり大ヒット。好評を受け3代目にあたる現行型も登場している。これに追随し国内大手のトヨタ、日産はそれぞれ「G's」、「NISMO」のブランドを展開。ヴィッツやマーチ、ノートといった公道で良く見かけるコンパクトカーをベースにボディ剛性の向上とちょっぴりハードな足回り与えてライトチューン。さらに専用のエアロパーツ、インテリアを設定している。ホンダからはフィットRSの他、先程も例に挙げた新型のシビックTYPE Rが欧州のハイパワーホットハッチ達に正面から殴り込みを掛けて行く格好になっている。
日本独自の自動車規格である軽自動車も、狭義ではホットハッチの一部に当てはめることもある。海外に行っても軽自動車と言ってもまず通じないので、日本に限定した場合のみで取り扱う。
上記の乗用車と比べると、もともと軽量な車体であるためこれ以上軽くすると強度の面などで保安基準を合格できなくなる恐れが出てくる。そこで、車体の軽さよりもエンジンパワーに依存しやすい。
とはいえ、軽自動車だからと言ってその走行能力は侮れない。現在に至るまで厳守され続けている自主規制値の64馬力は、初代のアルトワークスなくして語ることはできない。
特にスーパーチャージャーを搭載したヴィヴィオRX-Rに関しては、抜けのよいマフラーに交換しただけで80馬力を発生。リッターカーも軽くちぎってしまうパワーを持っている。
掲示板
11 ななしのよっしん
2018/02/11(日) 22:49:00 ID: tZRm/LmJW1
この記事が作られた時期が2009年なのを考慮してもホットハッチは日産よりマツダの方が多く造っていると思うぞ
12 ななしのよっしん
2018/04/10(火) 21:26:19 ID: SFry4/JFmA
激辛のMSアクセラ以外ホットとは言えないなあ
ホットとは言えないからこそ良いのだけれど
13 ななしのよっしん
2018/10/17(水) 09:32:42 ID: tZRm/LmJW1
おっと待てい、デミオを忘れているぞ
昔はファミリアのハッチバックモデルもラリーカーとして活躍していたぞ
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/19(火) 16:00
最終更新:2024/03/19(火) 16:00
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