ホメオパシー 単語

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ホメオパシー

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※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

 ホメオパシーとは、いわゆる「代替」医療の一種。日本語では「同種療法」などとも訳されるが、そのまま「ホメオパシー」と呼ばれることのほうが多い。

 理論上その作用機序は明確に否定されており、またプラセボ(偽)以上の効果がいことが臨床試験などにより確認されている。現在ではまず似非科学だと見なされている。

概要

 「微量のを投与することで人体の抵抗を引き出す」というのがホメオパシーの基本的な理論である。「物」を十分に希釈したものを「レメディ(remedy医薬品・治療法)」と呼び、砂糖菓子にしみこませるなどして投与される。人体の抵抗免疫と言った一見医学的な用がしばしば用いられるが、その基本的な理論は人体の免疫システムがほとんど理解されていなかった二〇〇年前に確立されたものであり、レメディの選択基準などにも見られるように呪術的要素を多く含んでいる。
 ただしホメオパシー発祥当時の医療は瀉血exit(簡単に言えば血抜き。アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンexit死因はこれによる失血死ではないかと言われている。)など明らかに有な治療が罷り通っていたため、当時の医療よりはホメオパシーの方が治療成績が良かったことは考案者ハーネマンの名誉のために申し添えておく。(現代における彼の後継者たちには弁護の余地はない)

 理論上ホメオパシーの基準に従って希釈されたレメディには希釈前の物質が確率的にまず含まれることがない。そのためホメオパシーで用いられるレメディ化学的な作用は全く存在しない。一部では「がかつて溶かしていた物質の性質を記憶している」等と説明されることもあるが、もちろんこのような現科学的に明されたことはない。(厳密にはそのような結果が出たとする論文は存在するが、再現実験により実験者の一人によるバイアスであったことが確認されている)参考exit

 ホメオパシーについては医薬品の効認定するための標準的な手続きである二重盲検法(治療者・患者双方にせて偽との対照実験を行う手法)の要件をクリアした試験は既に数多く行われており、試験結果のメタ分析によってその効についてはプラセボ効果による心理的なもの以上ではないと結論づけられている。また、治療者がどちらの患者群に偽を与えたかを知っていた場合など質の低い実験ほどホメオパシーに肯定的な結果が出ていることも特筆に値する。

 日本では較的歴史の浅い「代替」療法ではあるが、発祥の地であるヨーロッパでは広く普及しており、一部では健康保険の適用対にしているもある。

日本での浸透

 日本でも1990年代後半から、「近代医学と違い体に優しい自然療法」と称しておしゃれライフスタイル雑誌・ロハス雑誌などで扱われたり、インタビューで効芸能人が出てくるなど信奉者を増やしている。自然育児を志向すると自称する母親の間での人気は高く、育児や出産の場での浸透率も高まっていた。

 さらにホメオパシー諸団体は、政界へ代替医療研究をすすめたり保険適用へのを開くよう要したりという運動も繰り広げており、統合医療に熱心な鳩山政権ができると2010年初頭に厚生労働省に統合医療プロジェクトチームが誕生するなど、着々と保険医療導入への動きが進んでいたが、山口での死亡事件を受けての日本学術会議会の勧告により、この流れは全に途絶えることとなった

 それでも一部のロハス思考な母親や、西洋医学を悪とみなす一部の人達による熱心な布教活動が行われている。義思想が似ている反ワクチン団体や反科学団体が共闘するケースも散見されている(ホメオパシージャパンワクチントークの活動など)。

海外と日本でのホメオパシーの違い

 海外におけるホメオパシーは、一部の過激派を除けば『あくまで現代医療をサポートするもの』という認識が強い。ホメオパシーを利用する人の多くは『非科学的、プラセボ効果しかない』と分かった上で内している。ホメオパスらによって、ワクチンビタミンKの代わりにはレメディはならないこと、病状に応じてしっかりと医療機関を受診することが推奨されている

 日本では一部医師によるホメオパシー医学会というのが確かに存在し、この医学会は上記海外流意見と同様であり、西洋医学を補するものというである。が、日本では極めて少数であり、多くが一般人と独自の試験をパスしたホメオパスらによるホメオパシージャパン(代表:由井子)という団体がである。

 この団体は基本的に西洋医学全否定、レメディさえ飲んでおけば健康間違いなし!というスタンスである。小児喘息に対するステロイド治療や予防接種は有であり一切受けてはいけない。西洋医学東洋医学すべてについても一切効で有でしか、としている。

 信者のホメオパシー体験談については多く掲載されているがもしもこれが本当なられっきとした児童虐待だ、という内容のオンパレードであり、見つけ次第児童相談所通報したほうが良いだろう。

問題点

 上述の通り、ホメオパシーで使用されるレメディには化学的な効をもつ成分は含まれておらず、その効も偽の範囲をえるものではない。そのような商品で効を謳って販売することは事法に抵触する可性が高い。(そのような商法は悪徳商法として生活センターでも注意を呼びかけている)参考1exit 参考2exit

 特に日本におけるホメオパシーは、上記の通り西洋医学全否定が基本的な理論体系となっている。そのため、ホメオパシーを開始する際に、まずは西洋医学がいかに悪なのかを説明する。また、当然ながら症状が悪化することもあるのだが、それを「好転反応」と称して治療の経過だと思わせる。たいていの病気子供風邪とか)は一時的に悪くなることはあっても自然と治るのでホメオパスはそれを治療の成果として喧伝するのである。

 例え悪化しても、「ホメオパシーを受けているときは医療機関を受診してはならない、治療内容を漏らしてはいけない」という誓約書を書かされるので、恐怖心、忠心か病院を受診できないケースが多い。結果、ホメオパシーで手がつけられない状態になって初めて「やっぱりおかしい!」と気づくのだが、時既に遅し。これが複数の人命が失われることとなった要因である。

 また、ホメオパシーに限った問題ではないが、(保護者)が「代替」医療を信奉するあまり子供に適切な医療を受けさせない事態も生起しており、「医療ネグレクト」(適切な医療を受けさせないことによる虐待)として問題視されている。現場レベルでは、そういうを見かけたら、医者は積極的に児童相談所通報する時代となっている。

 日本ではビタミンKの代わりにレメディを投与された児が死亡した事件をきっかけに日本学術会議会長がホメオパシーを否定する明を出す事態に至った。他、アトピーに対して、ステロイド軟膏の代わりにレメディを投与された児が複数死亡している。このような医療ネグレクト事例は世界で問題視されており、従来ホメオパシーを「代替」医療として認めてきたや地域でもホメオパシーの地位についての見直しが進められている。ヨーロッパではホメオパシーが広がっている一方でホメオパシーへの批判も強く、ドイツでは2004年スイスでは2005年にホメオパシーが保険適用対から外れることになった。

 イギリス先進国の中では数少ない、ホメオパシーを保険適応とするであるが、2010年議会下院の採択にてホメオパシーを排除すべきという決定を下した。が、英国では王がホメオパシー専属医師を雇っていることや、保険適応外とすることで更に劣悪なレメディが出てくるリスクを勘定して、保険適応を継続する方針となっている。元々イギリスヨガなどの胡散臭い療法など幅広く保険適応としているが、病院を受診することが難しい医療体制であることからの妥協とも言えるだろう。

 他、ホメオパシーを推進しているとしてはインドなどがあるが、多くが十分な医療体制や知識を得られない途上である。

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