ホーウッド(Hawood)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV.小川真司(石黒監督版OVA)、藤井隼(Die Neue These)。
ホーランドではない。全然関係ない。間違えてはいけない。
自由惑星同盟軍人、中将。第7艦隊司令官。
石黒監督版OVAにおいてはクリーム色の髪の中年の指揮官として描かれており、旗艦は<ケツァルコアトル>。媒体によって「ケツァル・コァトル」だったりする表記の安定しない戦艦である。
「Die Neue These」では黒髪の壮年指揮官で、艦隊司令官中ではやや若め。旗艦は<ククルカン>。
原作での登場は作戦前に出征する艦隊の司令官として名前が上がった程度であり、その末路もキルヒアイスの行動の記述に「すでに第7艦隊を敗走させていたが」とあるのみ。
しかしOVA第14話では、原作でのアムリッツァ星域会戦直前、補給の欠如による「現地調達」によって「第七艦隊の占領地で民衆の暴動が発生した」という僅かな記述を頼りにそれはもう話を広げに広げ、事実上第7艦隊の主役回といえるほどに出番が増加している。いやホーウッドの出番は実は全然無いのだが、台詞はある。大躍進である。
だがその不遇も「Die Neue These」で解消された。
アムリッツァ前哨戦において、ホーウッド本人に見せ場ができたのである。
帝国領侵攻作戦においてドウェルグ星系に進出した第7艦隊は、帝国の焦土作戦によって食料不足どころか農地すら荒廃した居住惑星の再建の援助を余儀なくされた。そこでホーウッドが起用したのが、「植物学や土木学に通じている」フランツ・ヴァーリモント少尉、つまり第14話の主人公君である。
ヴァーリモント少尉は地元の住民とともに再建に尽力し、豊かな農地を取り戻すことに成功する。しかし、その頃同盟軍が派遣した補給部隊はキルヒアイスの攻撃によって全滅しており、総司令部からは「物資は現地調達せよ」との指示が下ることになった。ホーウッドは無論「我々に略奪をやれというのか!」と反発したが、現に物資のない状況では「現地調達」を命じるしか無かった。艦隊を維持する必要に迫られたからか、「邪魔をするものは叛逆者と見做して逮捕するように」という命令も発している。
結果、食料を奪われた地元住民による火器を使用した暴動が発生することになり、重火器や装甲車を持ちだしての鎮圧を図ることになってしまった。絶望したヴァーリモント少尉は知り合った帝国人の少女テレーゼ・ワグナーと共に、「誰もいない、未知の惑星」を求めて何処かへと消えた。とりあえず爆発しろ。
先に記述したとおり、原作では「敗走」とあるのみ。生死すら不明だが、以後の登場はない。
石黒監督版OVAでのアムリッツァ星域会戦前哨戦ではまったく出番が無く、キルヒアイス艦隊に降伏を勧告され受諾したことのみ描写された。補給の欠如から戦闘能力を失い完全な降伏を余儀なくされたのか、あるいはある程度の戦闘の末に降伏したのかといった経緯については不明。
そして「Die Neue These」では……。
概ね原作通りの流れであるがキルヒアイス艦隊に敗れた第7艦隊の具体的な状況が描かれており、九割の損害を出してしまい最早組織的戦闘は不可能となった時点でキルヒアイス艦隊は別の戦場に移動したことになっている。艦列すらまともに整っていないボロボロの残存部隊のなかで、ホーウッドは「旗艦でありながら脅威ともみなされず、捨て置かれるとは……」と拳を叩きつけて屈辱を押し殺し、なにかを決意したような表情を浮かべていた。
第7艦隊を破ったキルヒアイス艦隊は、次にヤン・ウェンリー率いる第13艦隊を標的と定めて交戦を開始。その最中、同盟遠征軍総司令部から「一時戦線から離脱してアムリッツァに集結せよ」という命令が全艦隊司令部に届く。第13艦隊は命令により転進を余儀なくされるが、キルヒアイス艦隊の追撃を受けて少なくない消耗を強いられていた。
そこにホーウッドが第7艦隊残存戦力を再編して乱入。アスターテ会戦の第4、第6艦隊の惨状からもわかるとおり、九割の損害を出し組織的戦闘が不可能となった部隊を戦闘可能にまで再編してみせたのは尋常の手腕ではない。「第13艦隊の撤退を支援する!」とエネルギーの残量を顧みずにキルヒアイス艦隊へ突撃を敢行する。その際、「判断を誤るなよ、ヤン・ウェンリー」と不敵な笑みを浮かべて独語していた(第7艦隊司令部と総司令部との連絡が途絶していたが、やはり状況を理解していたのだろう)。
ホーウッドの意思をヤン・ウェンリーは正しく汲み取り、第7艦隊と協力してキルヒアイス艦隊を挟撃を主張する幕僚の進言を退け、撤退の方針を曲げなかった。この辛くも正しいヤンの決断に幕僚たちは従い、自分達の撤退を命懸けで支援してくれた第7艦隊将兵に誰からというわけでもなく、敬礼を捧げた。
掲示板
29 ななしのよっしん
2022/09/27(火) 15:23:17 ID: HBDeVWzauw
セガサターン版だとちょっと統率は低めだけど運営能力も高めでほかの能力も70以上あって参謀いらずな提督だったなあ。ヤン、ビュコック、ボロディン、ウランフらに比べると帝国の提督連中と一対一は荷が重いけど副将クラスなら勝てるレベル。割と重宝した。
30 ななしのよっしん
2023/01/17(火) 18:31:39 ID: 1whFlYFVL8
何気にOVA版設定なら最終話後も存命の可能性ある数少ない同盟軍提督になるのか
31 ななしのよっしん
2023/03/16(木) 10:39:00 ID: dgNQq5szQC
石黒版でのフォークとのやり取りから察するに、「邪魔をするものは叛逆者」という命令はホーウッド自身が出したものではないと思う。
実は地上部隊にフォークのシンパがいて、ホーウッドが素直に自分の命令に従わなかったのを見たフォークがホーウッドが悩んでる間に勝手に個人的に通信をして命じたか、もしくはホーウッドを無視して事前にそういうやり取りがあったのかもしれない。
平気で不正をするフォークならやりかねない。
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/20(土) 11:00
最終更新:2024/04/20(土) 11:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。