ボナン 単語


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ボナン

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ボナンとは、エールフランス447便の副操縦士である。
本名:ピエール・セドリック・ボナン(Pierre-Cédric Bonin)

こんな概要嘘でしょ...

2009年5月31日に発生したエールフランス447便墜落事故の際に事故機を実際に操縦していた3名の操縦士の内の1人。実質的に事故の最後の引き金を引いてしまった人物である。

調査

447便は大西洋のどん中のデッドゾーン(地上との通信が届かないエリア)で消息を絶ったため墜落状況が全く分からず、当初は爆弾テロに巻き込まれた等の憶測もなされたが、ほとんど拠が得られないまま時間だけが過ぎていった。

だが事故から約2年、日本円にして約40億円もの費用をかける執念の調が続けられた結果、2011年5月2日、遂にあの建物がしょぼいBEAフランス航空事故調査局)が墜落現場の海底深約4000m)から2つのブラックボックスを発見、回収した。調を進めた結果、墜落の詳細が次第に明らかになる。だが、その内容は調官たちを然とさせるものであった・・・。

以下は『メーデー!:航空機事故の真実と真相』の該当回からの抜。回収されたブラックボックスから再生された墜落寸前のデュボア機長、ボナン副操縦士、交代パイロットのロベールの操縦士3名による会話のやりとりである。


 ロベール「少し左寄りに行ってみるか・・・」ボナン「なんだって?」ロ「もう少し左に行けるよ」(ここで氷の結晶が機体に当たる。それがピトー管にも入っていき、速度が分からなくなる。)ボ「私が操縦します。」

(ここでボナンが機首を上げた途端失速警報装置が作動。)
ロ「今度は何だ?」(ところが2人とも、何の警報が鳴ってるか分かってない。)

ロ「おい、速度が落ちてるぞ・・・」(この場合、操縦桿を押すことで機首を下げ、降下し速度を上げなくてはならない。この操作は、航空業界やメーデー民には基本中の基本である。)

しかし、何故かボナンは操縦桿を引き続けてる。ボ「よし、そうか、分かった。降下しよう」ロ「3つとも上昇を示しているから、降下しろ」(2人とも混乱して、頭が麻痺してるように見える。もはや何してるか分かってない。)
ここでロベールが機長を呼び戻す。ボナンは、エンジンの出力を上げるが、反応はない。
ロ「どうなってるか、分かるか?」ボ「全然操縦できない・・・」
ベールは、自分で操縦しようとする。
ロ「こっちで操縦する。」ロベールは、操縦桿を前に倒したが、ボナンは、まだ操縦桿を引き続けてる。

失速から90、ようやく機長が戻る。機長「一体何をしている?」ロ「全く操縦できません!何が何だか、全部やったんですが・・・」「どうすればいいですか?」機長「分からん。けど落ちてるな・・・」

ボ「現在、9000フィート(約2700m)」ロ「上がれ・・・頼むから上がってくれ・・・」ボ「でも、ずっとめいっぱい引いてます!」 機長「Σ(д;)」

ここで機長は、ボナンが操縦桿を引き続けていたために失速していた事を理解した。
機長「ダメだ!機首を上げるな!」
しかし、もう遅く、高度2000フィート(約600m)を切っていたため、GPWS(対地接近警報装置)が鳴った。

ボ「このまま墜落します・・・」「こんなの嘘でしょ・・・何故なんですか・・・」

機体は時速約200㎞で、面に突した。

補足:A330は、747などの操縦桿とは違い、左右独立で使えるが、逆方向に動かすと、相殺される。要するに、ボナン(引)+ロベール(押)=機体(±0)の状態。」 ただし、747などの操縦桿は左右同時に動くため、それぞれの方向に動かすことができないことから、操縦ミスを防ぐ設計になっている。
A330のような操縦桿(別名:サイドスティック)は、A318、A319A320、A321A340、A350A380にも使われている。(A300、A310は操縦桿)

最終的にはボナン副操縦士が、機体の速度が落ちていたにもかかわらず、さらに操縦桿を引いて速度を落とす機首上げの操作をしていたことにより機体は全に取り返しのつかない状態になってしまった。

ニコニコ動画や「メーデー!視聴者の間ではこのあまりに初歩的なミスをしてしまったボナン副操縦士の名前が、ピトー管レバノン料理、35L(コンゴーニャス空港)に並ぶ人気ワードになっている。

但し、この事故背景にはエールフランスが高高度での計器異常時の対応方法、更には手動での操縦訓練を満足にしていなかったという側面があり、彼一人が責められるのは、事故から得た教訓を活かすという意味では間違ったものということができよう。事故生時もボナンとロベールのどちらが導権を握り、どちらが補助的な役割を果たすかどうか明確になっておらず、曖昧な状況がミスを誘発している。

しかし、それでもメーデー民の多くがボナンを無能操縦士の代名詞にしているのは、そのミスがあまりに初歩的なレベルのものであることによる所が大きい。
失速状態では機首を下げるというのは、航空機操縦の最も初歩的な操作であり、墜落を引き起こした彼を擁護することには理があるという見方が強い。もっとも重要な場面で最も基礎的な手順を誤ったということになるためである。

そのため、故意に飛行機墜落させ乗客や他の乗員と心中した操縦士(シルクエアー185便機長、ジャーマンウイングス9525便副操縦士など)や、免許操縦・飲操縦・物乱用(メキシコ政府チャーター機クルー、アエロフロート・ノルド821便機長、トランスコロラド2286便機長など)などそもそもパイロット以前に人間的に失格と言えるレベルの操縦士を除くと、低評価を与えざるを得ない人物という見方が定着している。

なお、メーデー民のみならず海外でも無能という評価を受けており、2016年頃には「pierre-cédric bonin」でググろうとすると「pierre-cédric bonin idiot」(idiot馬鹿)が補に挙がっていた始末である。亡くなってなお馬鹿にされるのはある意味気の毒だが、それだけ彼の犯したミスが大きいということでもある。

ボナンは往復のフライトにより的地で2日間の休暇があったため、エールフランスが福利厚生で従業員に配っている無料チケットを利用し、妻イザベル物理学教師)とリオデジャネイロ旅行をしていた。イサベル墜落機に搭乗しており死亡している。夫婦の間には当時5歳と8歳の2名の男の子がいたが、祖父のところに預けられており事だった。

転用

このエピソードから無能クルーの代名詞として、クロスエア3597便墜落事故機長の(無能ともいえる)ハンス・ウルリッヒ・ルッツ機長、テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故を引き起こしたザンテン機長(残念機長)、操縦席に自分の子供を乗せて操縦桿を触らせた挙句に墜落させるという、前代未聞の失態を起こしたアエロフロート593便のクルー(児童操縦)などと並び、「ボナン」の名がしばしば用いられている。

またパイロットの誤操作や、機械的不具合により機首が上がり失速して墜落した事例では、この事故に因んで「ボナン」の名前が挙がる事がある。特に自動操縦装置の誤作動で機首上げに至ったケース(中華航空140便墜落事故など)は「オートボナン」と、逆にパイロットの機首上げを防止してしまったケース(エールフランス296便事故など)は「アンチボナン」と揶揄されることがある。当該事故と同様に失速による打ち墜落メーデー民の間で「ボナン墜ち」と呼称されている。

余談

ボナン最後の言葉である「こんなの嘘でしょ・・・何故なんですか・・・!」という発言は、原語(フランス語)では「c’est pas vrai!! Mais qu’est-ce qui se passe!?と言っている。だいたいだろ、どうなってんだ!?という感じの言い回し。

なお、「こんなのでしょ・・・」の部分はロベールの発言とする資料exitもあるが、BEA公式の資料exitではボナンの発言とされている。

関連動画

大人の都合で載せられないです・・・」

「こんなの嘘でしょ・・・何故なんですか・・・!」

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