ポケットベル 単語

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ポケットベル

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ポケットベルとは、今日携帯電話PHSについているメール、それも受信機のみを備えたような一方通行の通信端末である。携帯電話PHSの普及前、広く使用されていた。

ポケットベルは商標であり、日本語では線呼出英語圏では一般的にページャーと呼んでいる。

ポケットベルを略したポケベルの呼称でもよく知られている。

概要

携帯電話の前身となる自動車電話サービスすら生まれていない1958年アメリカで原となるサービスが開始された。

日本では日本電信電話公社電電公社NTTの前身)が1968年サービスを開始する。これでまだ自動車電話サービスが始まる10年も前であった。

初期の頃は企業の重役や官庁、医療関係の者が非常時に連絡を取れるようにするため契約する事例が多かった。後、企業の営業で外回りを行う者などにユーザー層が拡大した。

1980年代後半になると、電電公社NTTから事業を譲受けたNTTドコモ以外にも新規参入業者(テレメッセージ)が現れ、更に端末の販路がコンビニキオスクスーパーにまで拡大し、一気に契約数が増加した。

特に文字(最初は数字のみ、後に片仮名、更に漢字へ拡大)を用いて学生層の間でメッセージを送りあう事が一大ブームとなった。これにより、数字の羅列を語呂合わせにしてメッセージにする「ベル文字」、数字の組み合わせを会社ごとのコード表に基づいてカナに変換する「ポケベル入力ベル打ち」、互いのポケベルへメッセージを送りあう友達関係を現す「ベル」などの用語が生まれた。

固定電話郵便位しかそれまでの学生にはメッセージをやりあう手段がなかった時代のこと(携帯電話の利用料や本体価格はまだ高く、PHSサービス開始前であった)、簡単に持ち歩くことができ、(送信には固定電話公衆電話からの操作が必要だったとはいえ)容易にメッセージがやりあえるポケベルは、学生にとって新鮮なコミュニケーション手段となったのである。

が、1990年代半ばごろから各社の競合により携帯電話PHSの利用料が低下し、ポケベルの契約数は1996年6月1077万件をに「が引く」かのごとく急に減少していった。翌1997年携帯間で短いメッセージを送り合う事ができるサービスが開始される(J-PHONE/ツーカースカイメールドコモショートメッセージなど)と、その流れには拍がかかった。
ポケベルはメッセージの発信には使う事ができないが、携帯電話PHSはその発信手段となることができる。優劣は明らかだったのである。
3年後の1999年には契約数は280万件にまで減少、このような急ユーザー減少に、インフラ減価償却費を抱えていたポケットベル事業者は抗することが出来ず、テレメッセージグループ各社はこの年会社更生法を申請して事実倒産した。

2001年までに東京沖縄以外のテレメッセージグループ各社はドコモ契約者を移管して事業を停止、そして2007年にはNTTドコモがポケットベルからクイックキャストへと名前を改めていた線呼出のサービスを停止するに至った。ポケットベルの全ネットワークはこの段階で消滅した。

現在日本線呼出のサービスを行っているのは、テレメッセージグループの生き残りである東京テレメッセージ沖縄テレメッセージの2社のみ、そのサービス提供エリア首都圏沖縄本島のみに限られる。

なお、ポケットベルの文字入力方式はその後も「ポケベル入力」や「2タッチ入力」の名で、一部の携帯電話かな入力方式の一つとして搭載されている。Androidスマートフォン用の文字入力用アプリケーションの中にも、この「ポケベル入力」を搭載したものがあり、2012年の今なおポケベル黄金時代の名残をとどめている。

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