ポジトロニウム(positronium)とは、陽電子(positron)と電子(electron)が結合した、原子のような分子のようなロマンあふれるナニカである。
冒頭で「ナニカ」とぼかしているのは、
「では、『分子』と呼びますか?」
「そもそも『分子』とは、『原子』が結合したものではないのか?」
……と、明確に分類しようとすると、それだけで論争が起こりそうだからである。文献では「束縛状態」「粒子多体系」など、各々の筆者による多種多様な表現が見受けられる。
省略する際は「Ps」と原子のように表記され、原子核を持たないことから「原子番号0番目の原子」と呼ばれることがある。また、負電荷を持つ粒子である電子と正電荷を持つ反粒子である陽電子から、陰陽道の陰と陽の関係性を見出して「太極」「☯」と呼ぶ研究者もいる。
陽電子とポジトロニウムについて包括的に解説している書籍「Principles and Applications of Positron & Positronium Chemistry」(doi.org/10.1142/5086)の表紙には、太極図(☯)と「Ps」が「H」の上に配置された周期表が描かれている。
「陽電子は電子の反粒子であり、電子と出会うと対消滅を起こして光(という名のガンマ線)となって消える」ということは、ご存じの方もいるだろうが、実はこの対消滅の過程でポジトロニウムが生成している。
……のだが、生成したポジトロニウムは長生きしても142ナノ秒(0.000000142秒)の寿命(この値は真空中の寿命なので、実際はもっと短い)で結局は対消滅してしまうので、専門家でもない限りは取り立てて説明する意味があまりないため、大抵は省かれる。儚いものである。
掲示板
1 ななしのよっしん
2020/11/29(日) 19:51:38 ID: epOr7bMHej
陽電子消滅法では物質中の陽電子の寿命だけが問題になってポジトロニウムの寿命は話題にならないみたい
気相中ではスピンの平行-反平行によって多少寿命が変わるらしい
2 ななしのよっしん
2020/12/04(金) 12:48:11 ID: 7rxuBAupH1
すべての存在が消えた宇宙最後の「物質」は、文字通り宇宙サイズのポジトロニウムで天文学的時間をかけて宇宙を周回し続けるらしい。
3 ななしのよっしん
2023/12/30(土) 21:45:24 ID: +I2afL7tao
何で一番基本的な「通常原子核の周囲を回っている電子が、代わりに陽子1つと同じ量の正電荷を持つ電子(陽電子)と回っている」という説明と「原子核に対し電子は非常に軽く、陽電子も電子と同じため、原子で一番軽い原子の1/1000程度の質量しかない。」を書かんのだ。
こういう定義も説明も何もやらんでネタばかり書く大百科は腹が立つ。
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最終更新:2024/04/24(水) 13:00
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