本記事『マクドナルドに関する都市伝説』では、マクドナルドというグローバル企業についてまことしやかに囁かれる都市伝説をまとめていく。
マクドナルドといえば主力製品はもちろんハンバーガーである。マクドナルドはそのパティの原材料として「100% Beef」を標榜しているのだが、しばしば「大企業であるMcDonaldはコストを削減するために通常ではありえないものを製品に使っている」という都市伝説が広められた。
いちばん有名な例は「ミミズバーガー」であろう。マクドナルドのハンバーガーのパティには、実は牛肉ではなくミミズの肉が入っているという都市伝説は1978年には広まっており、「マクドナルドの従業員がミミズの肉を調理しているところを見てしまった女子高生が、多額の口止め料を受け取る」などといった筋立てで語られることもある。なぜこのような都市伝説が広まったのかについては諸説あるが、
などとされている。
いずれにせよ、そもそもミミズを食用として飼育、および調理するには牛肉よりもはるかにコストがかかることが幾度も指摘されており、実際にミミズバーガーを作った人の感想としては「不味い」として代用にもおよそ適さないことが指摘されている (参考) 。マクドナルドサイドも自社のパティは100%牛肉であることを何度か説明しており、アメリカの配信者がマクドナルドの工場を訪れるこちらの動画でも牛肉100%であることが示されている。(ただし、日本の朝マックやてりやきバーガーなどの一部メニューは牛肉ではなく豚肉ソーセージが使われていたりはする。どちらにせよミミズではないが。)
実際、ミミズは砂袋を取り除く工程などでパティの製造費用が上がることは容易に想像でき、かつ牛肉と異なり流通ルートがないことからしてもコスト削減策としては適さないことがわかる。
上記はミミズを実食した人の動画だが、「苦い」らしい。ミミズバーガーにするにしたとして、その味をどうごまかすのだろうか。
2000年頃になると、今度はブラジルを中心に「マクドナルドの肉は研究所のミュータント生物由来である」という都市伝説がささやかれた。「テニスボール大の頭しか無い、角も手足もない奇妙な生物がチューブで給餌され、その肉を使われているのだ」とするものであり、これを食べ続けることで人間はアルツハイマー病になってしまうとして、「マクドナルドに本物の肉を使うように訴えかけましょう」というチェーンメールが流布したのである。ちなみにこれはマクドナルドのライバル企業であるケンタッキー・フライドチキンのフランケンチキン都市伝説をなぞったものであり、ミミズバーガー同様「普通に牛肉育てたほうが早くないか」というツッコミは避けられない。
「100% Beef」という名前の企業が存在する、というパターンも有る。マクドナルドは「100% Beef」なる会社から原材料を買っているから「100% Beef」と言えるのであって、100%牛肉は使われておらず代わりにカンガルー肉や鶏の羽や大豆肉、オーツ麦を使っているとする都市伝説である (参考) 。言わずもがな、米国では米国農務省 (USDA) が検査した原材料を使用しており、そんな簡単な方法で広告の抜け道を探ることなどできやしない。日本でもマクドナルドの牛肉は海外輸入 (=アメリカやオーストラリアなど) をベースにしており、日本の分にだけ混ぜ物をする無駄なことをする意味もない。
2021年になってさえ別の肉を使っているだろうという都市伝説は止まらない。今度はQアノン信奉者から、「マクドナルドの肉は人肉を使っている」という話が上がるようになる。Qアノン信奉者の間では、「人肉食の供給をトランプ元大統領が止めたためマクドナルドは50店舗閉鎖されたが、マクドナルドの会長は新型コロナウイルスのせいにしている」とする話が真実であるかのように拡散されている。もっとも、Qアノン支持者は大概の大手食品企業についてその材料が人間由来であると主張しており、食用人肉供給ネットワークとやらについてもほぼ信用可能なソースを提示できない。ドナルド・トランプとマクドナルドをかけたただの駄洒落なのかもしれない。
いずれの都市伝説にしても素直に牛を使ったほうが安価であるというのが面白い。これが「実は豚だったんです!」というような内容であれば、確かに肥育に必要な飼料は減るからまだ都市伝説としても理解はできたのだが[1]。
また2014年、実際に「中国産のチキンナゲットに不衛生な肉や消費期限切れの肉が使われていた」という事件が発生したことも食品偽装に関するデマが広まる一因になった可能性はあるだろう。
読者諸兄らは「マックのハンバーガーやフライドポテトは腐らない」というのは聞いたこともあるだろう。この噂を検証するために、「実際に腐らないのか検証してみた」とするものがGoogleで検索するとあまりに多く出てくる。すごい事例だと、「海外で24年前に買ったハンバーガーとフライドポテトが腐っていなかった」というものまである (参考)。
これについては「マクドナルドはたくさんの防腐剤を入れているからだ」「何かしらのコーティングが表面になされているのだ」とする都市伝説のほか、「マクドナルドの食べ物は人間以外はそもそも食べ物と認識しないのだ」という突飛な説まで存在している (参考)。
――さて、これらの実験や発見談に共通するケースが有る。それは「十分に乾燥した環境」かつ「空気の流動が少ない場所」という点。例えば実験では多くの実験が密閉容器を用いていることが指摘されており、また24年前のハンバーガーとフライドポテトについても「クローゼットの中にあった」ということで、海外はそもそも湿気が少ない上、クローゼットの中であれば腐敗は確かに起こりにくいだろう。もともとマクドナルドの商品はパティにしろポテトにしろ店舗で調理される直前まで冷凍状態で納入されているうえ、フライドポテトは高温の油で揚げているわけだから通常菌が繁殖しにくい。その状態の商品を乾燥した環境だったり、日本でも密閉容器に入れたならば、確かに腐らないのだろう。日本で類似の話を持ち出すならば、「山崎製パンの製品はカビない」というのと似た話である。あれも山崎製パンの工場は一般家庭より衛生的であり、そこで梱包され密封状態にある商品が腐敗しにくいという、素直に考えれば当たり前の話である。実際日本で普通にフライドポテトを放置すればあっさり腐敗してしまう。
とはいえ、「マクドナルドの商品は腐らない」というのはいわば共通認識、あるいはネタとして広まってしまっており、それを題材とした創作も産まれている。シェアード・ワールド『SCP Foundation』の作品には「SCP-2635-JP - 食べすぎると滅亡するマクドナルド・ポテト」というものがあり、この作品の中では「『マクドナルドが作ったフライドポテト』という概念が与えられることで、そのフライドポテトは周囲の時間の流れを極端に遅くするため、腐らない」という理屈付けがなされている。
こちらも都市伝説――というよりデマなのだが、2011年6月頃にTwitterにて拡散された写真についてのはなしである。これはマクドナルドの店頭の窓と思われる部分に、「強盗事件の増加を受けアフリカ系アメリカ人は利用料として追加で1.5ドル頂く」とされる張り紙が貼られていたとするもの。Twitterでこれが拡散されると、「マジかよ、マクドナルド」という意味合いの「#SeriouslyMcDonalds」というハッシュタグがトレンドに昇った。
この画像の初出は3年前ほどにはあったが、マクドナルドはその画像があまりにも荒唐無稽であるとして対応していなかった。問い合わせ先番号はケンタッキー・フライドチキンのものであり、マクドナルドもまさかこんな画像を信じる人がいるはずがないと思っていたのだろう。マクドナルドサイドは6月11日には「写真はデマである」ことをTwtterにて数回表明し、事態は終息するに至る。
マクドナルドが「15のレストランにおいて、プレイエリア (子供が遊ぶ場所) をマリファナを吸うエリアに改装する」という噂が立ったことがある。しかし、マクドナルドサイドは2014年に「そんな事実はありません」と否定している。
ドナルドが嬉しくなるとついやってしまうことで有名な「ランランルー」は「死ね死ね消えろ」を意味する呪詛であるという説や、子供を洗脳する呪文であるという都市伝説が存在する。他にも、マクドナルドに行きたくなるサブリミナル呪文説もある。
「死ね死ね消えろ」についての詳しい内容は「ホバーランランルー」の記事を参照。
ただし、本記事初版筆者は既に上述の動画を幾度も再生したが「ランランルー」をついやってしまうようになったこと以外特に洗脳とみられる何がしかの効果を受けていないことから、これも根拠のない都市伝説にすぎないのだろう。
掲示板
69 ななしのよっしん
2024/11/04(月) 19:36:14 ID: TCxucVJf08
>>64
ハンバーグラーて元はおっさんだったけど、いつの間にかショタキャラになってたな
ドナルドの女性版みたいなの昔いた気がするけど記憶違いかな?
ビッグマックポリスが消えた理由も都市伝説かもしれない
70 ななしのよっしん
2024/11/05(火) 02:37:00 ID: EAxrVOYI4p
炊いた米が南方でも一週間程度腐らなくなる防腐剤を旧日本軍が使っていたことを考えると、現在だったら安価で強力、それでいて毒性の低い食品用防腐剤の10や20くらいあってもおかしくはない気もする
71 ななしのよっしん
2024/11/08(金) 00:21:45 ID: zvoNpGga+f
>>69
ハンバーグラーはburglarという語が結構重い意なので当初もっとヴィラン風キャラだったのが
イタズラ小僧風に軽くされた事情もありそうな気がする
美女版ドナルドは「ドナリー」でニコ百にも単独記事があって、ドナルド全盛期の動画には結構使われている
話によるとビッグマックポリス以外にも本国で唐突に消えたキャラは多くて
たまたま日本のCMにも出ていた(そして消えた)のがポリスだけだったらしい
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最終更新:2024/12/14(土) 16:00
最終更新:2024/12/14(土) 16:00
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