マグナム単語

マグナム

4.0千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

マグナムとは、

概要

マグナムとはもともとの大瓶(マグナムボトル)をす言葉だったが、そこから転じて通常より威を増した弾薬類とそれらを使用することが可銃器をさすようになった。近年ではこちらの用例が多い。

マグナム実包は、莢を改造・変更し通常版の弾薬よりも火の量を増やした規格である。いわば、通常版に対する「増量規格」であるが、通常版と呼べる規格がないにも関わらずマグナムを名乗っている場合もあり、もはや単なる宣伝文句にもなっている。
似たようなものにホットロード、強装弾があるがこれらは基本的に莢に手は加えず火の量、種類を変えることで威の向上を図っている点で異なる。

例として、有名な.357マグナムは.38スペシャル莢を延長して装量を増やしたものである。
つまり、基本的に.357マグナムを撃てる拳銃リボルバー)からは.38スペシャルも撃つことができる(当然逆は不可)。

数にある通常版の弾薬規格の性格・用途が千差万別である以上、その増量版の性格・用途も様々で、一概にマグナムだからどうといえない。例えば、.17ホーナディ・マグナム・リムファイヤー弾は人間相手には全に不足、ウサギに最適である。

拳銃弾のマグナム

拳銃では、マグナムはその弾薬を使用する銃器及びそのカテゴリーの慣例的通称ともなっている。
コルトパイソンデザートイーグルS&WM29などは、さほど興味のない人でも聞いたことがあるだろう。

バイオハザードを代表とするアクションシューティングゲームなどでは最強の部類に入るアイテムとして位置づけられることが多いが、しばしば実際の威とはかけ離れた描写となる。
マグナムといえど拳銃弾であり、ライフル弾にべれば、威運動エネルギー)は低いことが多い。また通常の拳銃から発射される弾薬ゲーム内では相対的に威が過小評価されがちである。一般的な9mmパラベラム弾と.357マグナム弾のエネルギーの差は1.5倍程度である。

もちろん、エネルギーだけが威標ではないし、銃器の性としては、操作性、装弾数、頑強さなども重要な要素である。
よって、そうした要素も考慮に入れると、マグナム拳銃は通常拳銃べ大で重く、かつ弾薬も大きくなるため装弾数も較的少なく、反動も大きいとなれば、なおのことデメリットばかりになってしまう傾向にある。

以上の理由で、いわゆるマグナム弾薬を使う拳銃を装備している軍隊は現在ほとんどない。個人の私物を持っていく例などを除けば、フランス国家憲兵(ただし、機的には警察に近い)が装備している程度である。
警察官が使用する場合でも、犯人制圧にはオーバーパワーであったり、「マグナム」というきが好戦的に聞こえやすいなどのデメリットを考慮して、.357magが使用できるに.38spを装填して使っていたような例も多い。

拳銃ライフルべその用途から、小さく軽量に作られる。またそれがメリットである。そのためそこまで高威弾薬は作ることが難しいし、通常必要とはされない。
一方ライフルはある程度の大きさと重さが許容され、拳銃にくらべて頑丈に作られている。そのため高威弾薬を使用できる。
したがって、マグナム弾薬を使用するは、通常の拳銃よりも強で、ライフルよりは持ち運びやすいという性格を持つ。これは一見して便利そうであるが、実際のところは互いのデメリットをも兼ね備えることになってしまう。拳銃より重く、ライフルより弱いどっちつかずの使いにくいである。

しかし実際ところ、マグナム拳銃が用いられるようなシチュエーションは、ごく限られている。大の野生動物と対峙するハンターの(ライフルが使えない場合の)バックアップ用、そうした大の生息地域での護身用(グリズリーなどは通常拳銃どころかライフルでも怪しいとされている)、等を除けば、趣味としての大拳銃自体を愛してやまない人々や、映画ゲーム等のガジェットとして使用されていることが多い。

警察悪犯や物中者と向き合うような状況であっても、対化するのに要されるのは基本的には「弾薬パワー」よりも「どこに当てるか」である。オートマチックへの転換、オートそのものの高性化が進んでいる状況では、ますますマグナム拳銃の出番は減っていくだろう。

と、ここまで「マグナム弾はマグナムでない拳銃弾より強である」「ライフル弾はあくまで拳銃弾でしかないマグナム弾より強である」という前提でってきたが、これらはあくまでもそうした傾向にあるというごく概説的な話であり例外も多々あることには注意されたい。概要にもある通り「マグナム弾」とはあくまで「増量規格」であって元が弱ければ増量しても弱いということに加えて、「マグナム弾」「マグナムでない拳銃弾」「ライフル弾」と一口に言ってもいずれも様々な弾薬があるためである。

例えば.357SIG弾という.357マグナム弾の威オートマチックで実現すべく生まれた弾薬は、「マグナムでない弾」であるにもかかわらず.357マグナム弾同等の運動エネルギーを有する(しかも.357SIG弾は”マグナム弾相当の威”でありながら法執行機関などでの採用例も多い”実用的な弾薬”である)。
逆に.44マグナム弾のような大口径高威の「マグナム弾」が5.56 mm × 45弾のような小口径の「ライフル弾」より運動エネルギーにおいて優越する例もある。

かしこれらの例すらあくまで典例であり絶対のものではない。なぜなら弾薬というものは様々なメーカーが炸量や弾頭重量の異なるバリエーションを製造しているため「同じ名前弾薬なのに運動エネルギーが大きく異なる」ということがごく当たり前に起こっているからである。よって「.44マグナム弾より強5.56 mm × 45弾」といったものも存在する。

また、上記の較はあくまでも運動エネルギーにのみ着したものであることにも注意されたい。特に狩猟世界においては、弾丸の威運動エネルギーを伝える弾頭の直径や形状に左右されるという考えがある。こうした考えに基づいて、近距離狩猟においては、口径の小さくなりがちで取り回しの悪いライフルより大口径のマグナム拳銃を選択するということも行われているのである。

つまり「マグナム弾」や「ライフル弾」といったジャンルではなく、個々の弾薬較しなければ実情を捉えることはできない弾薬世界とはが深いのである。

ライフル弾のマグナム

偉大な.375H&Hマグナムの登場以降、一般的にマグナムといえば莢下部にベルト(帯状の段差)が付いているものとされている。
ベルトは補強用とよく誤解されるが、実際は室と遊底の間の隙間、ヘッドスペースを保つための刻みである。強弾薬は撃発に強な撃芯が必要になる。ベルトには、後ろから強いで打たれた莢が、室前方にはまり込むのを防ぐ作用がある。

.375H&Hは、その優れた設計ゆえに、口径変更等の改造で多数の規格を生させた。有名なところでは.300ウィンチェスター・マグナムがある。それらも全てベルトを備えており、元祖と同じくマグナムを名乗ったため、「マグナム=ベルト付き」と看做されるようになった。
もっとも、近年では冶技術の進歩によりベルトが必要なくなっており、Winchester Short Magnumのようなベルトのないマグナム弾も登場している。

現在マグナムライフル弾は軍用狙撃銃に用いられて戦果を挙げている。著名な例として.338ラプア・マグナム弾仕様のL115A3ライフルを使用したイギリス兵による2475mの距離狙撃がある。これは現在確認されている狙撃の最長記録である

散弾のマグナム

散弾銃では従来、ケース長が通常の2.75インチに対し、3インチのものをマグナムと呼んでいた。

近年では散弾の材質がから軟に変わり、3インチ規格が一般的になったためマグナムと呼ばれることはなくなった。代わって、ケース長3.5インチの規格がマグナムと呼ばれるようになっている。

男のマグナム

男の身体のある特定の部分を喩的に(ビッグ)マグナムと呼ぶこともあるが、前述のライフル弾のマグナムがベルト付きであることに注意したい。この場合、ベルト(帯状の段差)が何を暗示するかは、ご想像にお任せする。

関連動画

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

急上昇ワード改

最終更新:2024/03/29(金) 06:00

ほめられた記事

最終更新:2024/03/29(金) 06:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP