マリアン=スリンゲナイヤーとは、ライトノベル『新約とある魔術の禁書目録』に登場するキャラクターである。
グレムリンに所属する魔術師。容姿は褐色肌で赤いフレームの眼鏡を着用し、銀髪を三つ編みにして後ろで二つに束ねる。服装はオーバーオールを地肌に直接着用している。
マリアンは現存する稀少な「黒小人(ドヴェルグ)」である。ドヴェルグの優れた匠の技を以て、黄金で作られた工具を用いてあらゆる物体を改造していく。しかしこの工具は、実際には「加工に適した形として、黄金が工具の形状を構成している」だけに過ぎない。すなわちこの黄金こそが工具の本体。
「鋸で切ったり金槌で叩いたりするのが目的なんじゃない。各々の工具は加工するという意思を伝える最適の形として整えられているに過ぎず、物品の加工に必要な主要項目を七分類に集約させたに過ぎない。実際には、この黄金が触れた時点でその人体の改造は始まっている」
マリアンが弄る対象には人体も含まれ、彼女の職人技によって生者を生きたまま加工する事も可能。ミョルニルをドラム缶に改造してサンドリヨンをテーブルの形に弄ったのは何を隠そう彼女である。
家具が多いのは本人いわく「趣味」との事。ただし癒し系と評している辺りに感性には疑問が残る…。
本人は戦闘員ではないと語っているが、彼女の持つ『戦乱の剣(ダインスレーヴ)』が世界の一つや二つを終わらせる程の力を持つとされ、また『万象の金(ドラウプニル)』によって人間が扱える魔剣・霊装なら一瞬で自在に組み上げる事が出来るため、グレムリン内では(オティヌスを除けば)トールと並んで飛び抜けて強いと思われる。
歩く18禁(G)。サンドリヨンなんかはまだいい方で、彼女の手にかかった者はグロテスクに変えられる。そしてその使用法も問題。 達磨落としのように人肉をホームランしたり、両腕を蛇口に改造して“赤い液体”を捻り出したりと凄惨な光景を生み、やり過ぎた描写から映像化は不可能とさえ言われていた。そんな彼女だが三期や四期、五期分で活躍するであろうキャラクターに先駆けて無事映像化したのだが、これはまた別のお話。
本編の三年ほど前に学園都市を出た木原加群(ベルシ)と接触し、魔術の道に迎え入れた。ベルシの復讐・破滅願望を知っているらしく、彼を救う為サポートにも回っている。組織では誰よりもベルシと近く、彼が木原病理への復讐を成し遂げて死亡した際には、普段の命を軽んじる残虐かつ非人道的な彼女から想像出来ない程に激昂していた。
北欧神話の闇の妖精。ユミルの死体に沸いた蛆に人の形と知性が与えられた存在で、鍛冶に優れる種族として広く知られる。日本の創作品でもよく「ドワーフ」として登場する。神々の武具や魔剣を創ったのも多くはドヴェルグ。
本作におけるドヴェルグは、過去に実在した特殊な技術を有する人間の集団が、神話として残った存在と言われている。マリアンは現存するドヴェルグであり、ドヴェルグの再興とその技術を世界に広める事を目的にグレムリンへ合流した。
ドヴェルグとしてマリアンが製造した神具は「万象の金(ドラウプニル)」「主神の槍(グングニル)」「戦乱の剣(ダーインスレイヴ)」など、北欧神話においてドヴェルグが製造した物を再製造した霊装である。
グレムリンにおいて重要な役割である主神の槍(グングニル)の再製造を担当し、オティヌスも槍の製造を彼女に一任しているなど信頼も厚い。ただし、彼女を軸とした主神の槍製造計画に関してはオティヌスが用意した数あるダミーの一つであり、人生をなげうった彼女を裏切る結果になってしまったのは何とも言い難い。
オティヌスが放棄した「主神の槍(グングニル)」の部品を使用して作られた指輪。
元ネタとしてオーディンが保有していた複製を司る指輪「ドラウプニル」が存在する。オーディン本人であるオティヌスが持ってないのかは不明だが…。
人間が扱える霊装ならば、それが世界を終焉に導く魔剣・神槍だろうと一瞬で自在に組み上げる。すなわち作中で出たほぼ全ての霊装を扱える、という事に他ならない。それもあらゆる魔術の性能を秘めた反則性能。マリアンの所持している道具の中ではある意味で最も危惧すべき道具と見るべきか。
それにしても、「魔神が扱う主神の槍(グングニル)」に用いたパーツと技術で「魔神を殺すための万象の金(ドラウプニル)」が作られたとは、何とも皮肉な話である。
北欧神話を代表する魔剣の一つ。ダーインスレイヴ、ダインスレイフとも。名はこの刀を鍛えたドヴェルグ「ダーイン」の遺産に由来する。
本質は「世界を終わらせる剣」。ダーインスレイヴは北欧神話における終末「ラグナロク」の合図の一つ。
その剣は人を斬りつけると同時に永遠に癒える事のない傷を刻み、抜刀の毎に人間の生き血を啜る。剣の所有者であるヘグニ王は絶えず戦乱を呼び起こし、戦は終末の日「ラグナロク」の始まりまで続いた。すなわち「戦乱を呼ぶ剣」として言い表すに相応しく、剣の抜刀こそが世界を終焉に導くとされている。
後の世に神格化されるあまり霊装として規格外の存在となり、対人となれば抜刀せずとも外装品だけで充分な効力を発揮する。世界を容易く消滅させた実力者である全能神オティヌス(オーディン)の反応から、出力は人間の扱える武具の中でも最高クラスである事が伺える。
能力は各宗教・各宗派の『位相』を選択して切断し、限定的に地獄や天国を再現するというもの。「位相・宗教が溜めこんだ力を請来する力」とも。あくまで請来する対象は『原典』から『終末』を切り取る形となる。神の形も、能力も、実際とは異なっている可能性も否定できない。
例えばこの際可能かは置いておくとして、北欧神話の主神「オーディン」を請来したとする。とあるシリーズの「史実のオーディン」と言えば隻眼の少女、すなわち作中でオティヌスと呼ばれている魔神の少女を指す。しかしながらエッダに記録されているオーディンは隻眼の老人である。これはオティヌスが世界を改変しても編纂者の残した記録をあえて更新しなかった事が原因となっている。
剣が切断する位相は老オーディンの神話という事になる。先述したように出来るかどうかは置いておく。
マリアンは請来する前に「空間を切断して一種の結界を作っている」との事。 そうでもしないとエンゼルフォールのような魔術的作用が全世界に働いたり、あるいは世界の許容量が限界を超えて崩壊しかねないらしい。
一方で、この術式には非常にメタな弱点が存在する。
と言うのも、「神話の原典における終末を再現する」能力ということは、すなわち「現代に残る神話の原典における終末」しか作者(鎌池和馬氏)が描けないのである。
つまり、マリアンがこの力を振るえば振るうほど「世界の終わり方」のストックがガリガリと減っていき、あまり無闇に振るい過ぎると究極的には「世界の終わり方」を使い回さなければならなくなる可能性がある、というもの。
(もちろん、遥か昔に記された神話が新たに発見されればこの限りでは無いだろうが)
新約10巻で請来したのは以下の神話から。
先述したように霊装として規格外の存在の為、付属品だけで充分な効力を発揮する。
有名な悪神ロキの神話を元に、現代まで残った黒小人が現代的な解釈(アレンジ)を加えて完成させた霊装。
何者にも囚われない(トリックスター)ロキを捕まえる為にロキ自身が考案した道具。ロキがバルドルを殺した件の黒幕と言う事がわかり神々からの逃亡中に鮭となって、ふとロキは自分を捕まえる事が出来る拘束具を考えて製造した。だが網は不覚にも追っ手に渡ってしまい、網はロキの捕縛に使用され、最終的に網から脱出しようとしたところをトールに捕まえられたとされている。
この霊装はいかなる者にも囚われないロキを捕まえるという意味を持ち、いわく理論・運命などの抜け道を塞ぐ。網の前ではそれが速度で表せるならば例え最速7000kmの戦闘機だろうと追い付いて「捕縛」する。
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最終更新:2024/04/20(土) 17:00
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