マリア様がみてるとは (マリアサマガミテルとは) [単語記事]

シリーズ概要

コバルト文庫刊（集英社刊）今野緒雪の人気少女向け小説シリーズ。通称マリみて。
短編はコバルト連載、長編は書き下ろしでと不定期に書かれている。
｢ハローグッバイ｣をもってそれまでのメインシナリオであった祐巳・祥子編は完結した。
2008年 8月には、福沢祐麒（福沢祐巳の弟）を主人公とするスピンオフ作品｢お釈迦さまもみてる｣が刊行された。

東京都下、武蔵野にある緑豊かな丘の上にある女子校、私立リリアン女学園。
明治三十四年、華族のお嬢様の教育の為に建てられたカトリック系の学園である。
平成を迎えた現在でも、幼稚舎から大学まで一貫教育で温室育ちのお嬢様が箱入りで出荷される。

リリアン女学園には｢山百合会｣という特殊な生徒会制度や姉妹(スール)制度など独自の制度が存在しており、
そんな貴重な仕組みが残る学園に集う少女たちが繰り広げていく群像劇がこの作品である。
（ちなみに、第2期以外のアニメの製作者の共同ペンネームも山百合会である）

前述したように元々は少女向け小説なのだが、男性読者も急増している。

アニメはスタジオディーン制作で、2010年 9月現在第4期まで制作されている（第3期はOVA）。
第1期｢マリア様がみてる｣:2004年 1月～3月放送
第2期｢マリア様がみてる～春～｣:2004年 7月～9月放送
第3期｢マリア様がみてる 3r dシーズン｣:2006年 11月～2007年 7月発売
第4期｢マリア様がみてる 4thシーズン｣:2009年 1月～4月放送
（第4期は放送地域によって放送開始日がまちまちであり、3月中に放送終了した地域も存在する）
余談であるが、第2期だけは日曜 7:30 ～8:00という、一部視聴者には非常に見づらい時間帯に放送されていた。
また、第2期では当時注目を集めたばかりだった「マツケンサンバ」のCMがたびたび流れ、アニメ本編とのギャップとシュールさで話題となった。

去る2010年 11月6日に、第1巻｢マリア様がみてる｣を題材とした実写映画｢マリア様がみてる｣が全国放映された。
それに先駆けて、挿絵・カバーを映画のシーンのものに変えた第1巻｢映画原作マリア様がみてる｣も発売された。

最初に書かれた中篇『マリア様がみてる』が『Cobalt』 1997年 2月号に掲載された当時は、既にジャンルとしてのBLが隆盛を極めており、これに対し作者の今野緒雪は「女の子がいっぱいの話」を書きたいと思った。

これは今野自身が高校・短大と5年間女子高に通っていたということも関係しており、「自分のいたところのお話のような感覚」であったとしている。それらの学校はキリスト教系ではなかったものの、幼稚園がカトリックであったため、カトリックに関係する世界も知らないものではなかったという。

結果として「百合文化に大きな影響を与えた」と言われるようになる本作であるが、今野は「百合にしよう」と思って執筆した訳ではなく、「書きたいように書いた」としている。一方で、「百合といわれることに抵抗はありません」とも話している。

福沢祐巳は、リリアン女学園高等部の一年生。
ある日、いつものようにマリア像にお祈りを捧げ教室に向かおうとするところを呼び止められた。
そこには、全校生徒の憧れの的である紅薔薇のつぼみ（ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン）の小笠原祥子が立っていた。
祐巳が驚いていると、祥子は、祐巳のタイを直し注意をする。
その二人の光景を写真部でクラスメートの蔦子に撮られた事からとんでもない事件に発展していく。
憧れの祥子が、祐巳を自分の妹（スール）にするというのだ。

プロフィールは祐巳が二年次のものである。

氏名	CV	プロフィール
福沢祐麒	市来光弘	生徒会長・二年生
柏木優	檜山修之	先代生徒会長・同学院OB