マンナ(アイルランド産)

マンナ(Manna)とは、1922年生まれのアイルランド生産、イギリス調教の競走馬である。鹿毛の牡馬。

※日本にも帝室御賞典競走を優勝した1928年生まれの同名の「マンナ」(栗毛の牝馬)がいるが、ここではイギリスで活躍したMannaについて詳述する。

概要

父Phalaris、母Waffles、母父Buckwheatという血統。
父Phalarisは24戦16勝、戦時中の混乱もあって著名なレースには勝利していないが、種牡馬としては大人気になった。
母Wafflesは不出走。
母父BuckwheatはデュークオブヨークSの優勝馬。

マンナは生産者から「欠点の見当たらない完璧な生き物」と称賛された。1歳時にセリに出されると、上海を拠点とする不動産業者ヘンリー・モーリス氏から「一番いい馬を頼む」と依頼を受けていた調教師フレッド・ダーリン師が6300ギニーで購入した。

モーリス氏はこの馬を天国からの贈り物だと考え、母親のワッフルという名前から連想して旧約聖書に出てくる食べ物からマンナと名付けた(食べ物の方は日本ではマナと発音されることが多い)。

2歳時(1924年)

マンナはデビュー戦にサンダウンで行われるナショナルブリーダーズプロデュースSを選んだが、3着に敗れた。次走の7月のグッドウッドでのリッチモンドSでは6馬身差をつけて勝利した。

ケンプトンでのインペリアルプロデュースSでは当時の2歳チャンピオンと目されていたPicaroonの2着に敗れ、Picaroonとの再対決となったミドルパークSでは直線で一度は先頭に立ったが、PicaroonとSolarioに交わされ3着に敗れた。

2歳戦最後のニューマーケットでのモールトンSでは3馬身差で勝利し、2歳時の成績を5戦2勝で終えた。

3歳時(1925年)

1925年の春シーズンは雨が降り続き、馬にとっても十分な調教ができない状態であった。最大のライバルであると思われていたPicaroonが前哨戦で故障した一方で本馬の調教も中々進展せず、マンナはぶっつけで2000ギニーステークスに出走することとなった。名手スティーブ・ドノヒュー騎手の手綱にも関わらず13.5倍のオッズとなったが、スタートで先手を取るとそのまま2馬身差で勝利した。

ダービーステークスではマンナの父Phalarisがスプリンターだと思われていたため距離不安があるとされ、10倍のオッズとなった。国王と女王を含む観客が見守る、寒くて雨が降ったレースの中、ドノヒュー騎手は落ち着いて先行馬を途中で交わすと、持ったまま8馬身差で勝利した。この着差は1981年のShergarの10馬身差まで破られることはなかった。ドノヒュー騎手は6度目のダービーステークス優勝となった。

ロイヤルアスコットでのアスコットダービーでは10ポンドのハンデ差があったSolarioの3着に敗れた。

三冠レースの最終戦となるセントレジャーステークスでは無敗で牝馬二冠を制したSaucy Sueが回避したためSolarioと人気を分け合った。マンナは見事な走りで先行したが、1マイルを過ぎたあたりで後退していき、Solarioから大きく離れた10着でゴールした。その後右前肢に故障が見つかり、マンナは引退することとなった。

通算9戦4勝。

種牡馬として

マンナはシンジケートが組まれ、英国バンステッドマナースタッドで推定400ギニーの種付け料で管理された。

2000ギニー優勝のColomboやエクリプスSを制したMiracle、2歳戦で活躍しその後オーストラリアで種牡馬として活躍したManitobaなどを輩出し、1939年に血管破裂で17歳で死亡した。バンステッドマナースタッドには「マンナコテージ」が設立された。

日本ではMiracle産駒の持ち込み馬ミルトンが種牡馬入りしており、彼の子孫から天皇賞(春)や有馬記念を制し年度代表馬に輝いたオンスロートや二冠牝馬カネケヤキらが出ている。

血統表

Phalaris 1913 黒鹿毛	Polymelus 1902 鹿毛	Cyllene	Bona Vista
			Arcadia
		Maid Marian	Hampton
			Quiver
	Bromus 1905 鹿毛	Sainfoin	Springfield
			Sanda
		Cheery	St. Simon
			Sunrise
Waffles 1917 鹿毛 FNo.22-d	Buckwheat 1906 鹿毛	Martagon	Bend Or
			Tiger Lily
		Sesame	St. Simon
			Maize
	Lady Mischief 1903 黒鹿毛	St. Simon	Galopin
			St. Angela
		Vain Duchess	Isinglass
			Sweet Duchess

クロス:St. Simon 3×4×4(25%)、Hampton 4×5(9.38%)、Springfield 4×5(9.38%)、Bend Or 4×5(9.38%)、Isonomy 5×5(6.25%)

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関連項目

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