田中芳樹による東ヨーロッパ風の世界を舞台にした架空歴史小説。
角川書店・カドカワノベルズ刊。現在は創元推理文庫より刊行されている。
大国マヴァール帝国とその周辺を巻き込む戦乱の時代を、三人の主人公を中心に描いた架空歴史ロマン小説である。
大陸東部から流れ着いた騎馬民の国・マヴァール。百三十におよぶ州からなるマヴァール帝国は、氷雪の地に強大な国家を築き上げていた。その国力を支えるのは、初代征服帝アルパードの六人の友を祖とし、それぞれ十州の領地とともに皇帝(グルカーン)の選出権を持つ選帝公(マグナート)の領国、すなわち竜牙(ドルグレイヤ)、虎翼(テイグラネット)、金鴉(アルトクリーフ)、銀狼(サインボルフ)、銅雀(スパルコーア)、黒羊(カーラヒルプ)の六公国であった。
時は征服帝アルパードより24代を累ねた皇帝ボグダーン2世の治世のこと。
ボグダーン2世の三男カルマーン大公は26歳。眉目秀麗にして英武を知られるすぐれた将軍であったが、猜疑心のはてにふたりの兄を精神的に追い詰め死なせた老父帝の圧迫に耐えかね、衝動的に父帝を殺害。父殺しの罪悪感から、帝位をめぐる権力闘争、そして血みどろの戦へと突き進んでゆく。
いっぽう、同い年の金鴉国公ヴェンツェルは旧友カルマーンを支持する選帝公として活動する。しかし、繊弱な貴公子然とした風貌の影に強烈な知性を隠し持った彼は、カルマーンが父帝を弑逆した事実を察知しており、戦乱の予感に梟雄たるの野心をもたげさせつつあった。
そしてこのふたりの学友、丈高く誠実なる騎士リドワーン。妻を亡くし、政事に振り回された彼は幼い息子パールを連れて故地・虎翼公国を出奔し、帝都オノグールに現れる。ヴェンツェルの館に迎えられた彼は、その妹にして武芸に優れ闊達な佳人アンジェリナと出会い、やがて肩を並べてマヴァール内外の戦乱を駆け抜けることとなる。
大陸暦1091年2月。マヴァール帝国を囲むのは、エルデイ、ツルナゴーラ、クールラント、ウルガールらの各国。ボグダーン2世の崩御を機に、各国各人が抱える大小無数の野望は、凄惨な戦乱となってマヴァール国内外へと広がっていくのだった……。
のちの愛蔵版では全三巻の合本とされ、創元推理文庫版でも同様に『マヴァール年代記(全)』一冊として刊行されている。
主要キャストは松本保典(カルマーン)、堀秀行(ヴェンツェル)、島田敏(リドワーン)、玉川紗己子(アンジェリナ)、田中秀幸(ナレーション)など。
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最終更新:2025/04/18(金) 22:00
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