マーベラスクラウン とは、日本の元競走馬。
日本において珍しい存在であるせん馬として二頭目のGI馬である。
主な勝ち鞍
1994年:ジャパンカップ(GI)、金鯱賞(GII)、京都大賞典(GII)
父はミスタープロスペクター系としては長距離に適応し、凱旋門賞馬Urban SeaやBCクラシック勝ち馬ブラックタイアフェアーらを輩出、母父としても素晴らしいMiswaki、母はニュージーランドオークス勝ちのある輸入牝馬モリタという血統。
1993年に新馬戦を快勝後、もみじステークスでビワハヤヒデ、エリカ賞でワコーチカコと互角の勝負をするなど素質は素晴らしかったのだが
気性難故のロスで負け続け、調教で主戦ジョッキーの南井克巳をしばしば振り落とすなどしたため、馬主が去勢を決断した。こうして、彼の牡としての未来は絶たれたのであった。
手術後復帰まで1年間かかったが、復帰後は条件戦をポンポンと三連勝しオープンに上がるなどその才能を開花させた…かに見えたが、重賞戦線では善戦止まりとなってしまう。
鳴尾記念2着、金杯2着、日経新春杯4着、マイラーズカップ2着、大阪杯6着と立て続けに惜敗してしまう。
相手もノースフライトやネーハイシーザーといった強豪相手の負けもあったが、ルーブルアクトやムッシュシェクルなど重賞止まりの馬にも負けていたので
ここまではまだ相手なりに走る馬でしかなかった。その証拠に大阪杯後金鯱賞こそ勝ち重賞初勝利を挙げるが、その次走高松宮杯ではなんとナイスネイチャに負けたりしている。
ネイチャが弱いってわけじゃないが、ネイチャは重賞で連敗続きであり、この勝利は1991年12月の鳴尾記念以来となる2年半以上ぶりとなる勝利である。そして生涯最後の勝利でもあった。なんだかなあ。
そんな彼だが、1994年秋は充実の時となる。まず京都大賞典を快勝し、せん馬秋の最大目標ことジャパンカップへ向かう。
海外馬は前年来日したコタシャーンやスターオブコジーンと激戦を繰り広げた名中距離馬パラダイスクリーク、
ブラジルから移籍して米の新エースになった逃げ馬Sandpit、1993年のフランスダービー馬Hernando、 1992年のBCターフ勝ち馬フレイズらが顔を揃えるという豪華メンツであったが
対する日本馬はマーベラスクラウン(ジリ脚)、フジヤマケンザン(来年香港で海外重賞勝つなんて当時は考えられなかった)、ナイスネイチャ・ロイスアンドロイス・マチカネタンホイザの善戦マン三人衆(タンホイザ鼻血ブーで出走取消)
という、競馬ファンもがっかりなメンツであった。
この年の三冠馬ナリタブライアンは有馬へ、前年のクラシックホースは怪我と不調でアウトという事情もあったが。
ファンとしても海外馬にどこまで信を置いていいやらわからず、混沌とする中マーベラス自身は6番人気に推された。一番人気すら4.5倍という混沌であり、10.6倍でここはまあ妥当なところである。
レースはフジヤマケンザンがハナを切るが、いつもハナを切って行く一番人気Sandpitが焦れて途中でハナを切る展開になる。
そして直線、焦れた分Sandpitの勢いが止まり、先行したマーベラスクラウンが抜け出しを図るがパラダイスクリークとなぜかロイスアンドロイスがすごい勢いで猛追。内マーベラス・真ん中パラダイス・外ロイスの叩き合いになった。
外からロイスが一瞬先頭に立ったと思ったら失速気味になり脱落。代わってパラダイスが抜け出しかけるがマーベラスが食い下がり、最後の二完歩で差し返し1着でゴールに飛び込んだ。
この勝利でトウカイテイオーからの日本馬ジャパンカップ三連勝、そしてレガシーワールドとのせん馬による同一GI連覇という快挙を成し遂げたのであった。
せん馬絡みの記録はもう日本ではなかなかお目にかかれないであろう。これ以降にGIを勝ったのはマイルチャンピオンシップのトウカイポイント、東京大賞典・チャンピオンズカップ・JBCクラシックのサウンドトゥルー、フェブラリーステークスのノンコノユメくらいだし、
JGIに広げても日本馬ではJGI春秋連覇のブランディスや、中山大障害を制したものの共に現役中に亡くなったメルシータカオーとシングンマイケルくらいである。近年は再び増えてきたものの、一時期はせん馬をほとんど作らなかった日本で、レガシーとマーベラスがこうも活躍したのは黄金期故の、ある種の奇跡なのかもしれない。ん?カラジ?外国馬です。
しかしこの勝利の栄光の後、脚を痛めた彼に再び栄光は輝かなかった。一瞬復活気配もあったが再び脚部不安を発症し南関東は船橋に移籍するが
移籍二戦目で競走中止の憂き目にあった。幸い命までは取られず無事?引退し北海道で功労馬として暮らす余生を送るが、2007年6月に亡くなった。享年17歳であった。
1994年のジャパンカップにはGrand Flotillaという7歳馬が出走していた(ナイスネイチャと8着同着)のだが、その馬の母はモリタ。欧州時代に産んだ、マーベラスの兄だったのである。
兄弟対決がGIでというだけなら、近年でもダイワメジャー・スカーレット兄妹やメロディーレーン・タイトルホルダー姉弟が揃い踏みするなどそこまで特筆するほど珍しくもない感じもあるのだが…
なんともう一組兄弟対決があった。4着Hernando(弟)と12着Johhan Quatz(兄)が兄弟だったのだ。
兄弟二組はめったにないことであり、その点からしてもこのジャパンカップは非常に稀な事象が起こったと言えよう。
もう一つ、B'zの11枚目のアルバム「ELEVEN」のジャケットは栗毛のB'z Elevenという馬がジャケットを飾っているのだが、実は彼が勝った1994年ジャパンカップの写真を加工して使っているのである。
ちなみにこのジャケットではマーベラス…もとい、B'z Elevenは独走していてパラダイスクリークやロイスアンドロイスは見当たらないのだがCG加工で消されている。他にも歌詞カードや裏ジャケットにもB'zの2人とともに馬が登場し、デザイナー曰く「独走するB'zを表現したい」為にこうなった。
Miswaki 1978 栗毛 |
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
Raise You | |||
Gold Digger | Nashua | ||
Sequence | |||
Hopespringseternal 1971 栗毛 |
Buckpasser | Tom Fool | |
Busanda | |||
Rose Bower | Princequillo | ||
Lea Lane | |||
*モリタ Maurita 1978 栗毛 FNo.13-a |
Harbor Prince 1969 栗毛 |
Prince John | Princequillo |
fraid | |||
Hornpipe | Hornbeam | ||
Sugar Bun | |||
Cathmoi 1972 栗毛 |
Alvaro | Rockefella | |
Aldegonde | |||
Untried | The Summit | ||
Cordial | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Princequillo 4×4(12.50%)、Count Fleet 5×5(6.25%)、Hyperion 5×5(6.25%)、Nasrullah 5×5(6.25%)
掲示板
7 ななしのよっしん
2022/04/23(土) 09:46:27 ID: MSQWYIGFrW
せん馬G1タイトル仲間としてサウンドトゥルーも足しといてあげてくれ
8 ななしのよっしん
2022/12/17(土) 15:25:43 ID: TRsim3hFPR
>>6
新年会の王様ゲームで「牝馬ならオマケ、牡馬ならタマ見せる」にマーベラスクラウンとレガシーワールドが当たるやつはめっちゃ笑った
「どーれ見せてみろ」
「「ねーよ!!」」
9 ななしのよっしん
2023/08/04(金) 06:40:30 ID: Ewfj77u4J7
船橋に在籍してた時、地方競馬の情報番組で取り上げた時にその回のゲストだったよしだみほが直筆のマーベラスクラウンのイラストを描いて視聴者プレゼントした事があった。
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最終更新:2024/04/24(水) 12:00
最終更新:2024/04/24(水) 12:00
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